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襲来緊急告知

「・・くしゅん!!!・・・・あぁ〜〜」


「なぁ、ニーナ・・・・そろそろ離れて良い――――「だめぇ・・・・」――――なんでだよっ!!!」


「将来の嫁がこんなに苦しんでるのに・・・どっか行っちゃうなんて酷い事・・・・しないよね?」


「何時からお前は俺の将来の嫁になったんだよ!!??」


ここは2階のニーナの部屋。


どうやら・・・つーかほぼ確定だろうけど、この前の山での雨で、ニーナは風邪を拗らせたようだ。

熱もそこそこ上がっていて、かなり辛そうだ。


俺もさ、鬼じゃないから、この状況を見て、何もしないで離れようとしている訳じゃない。

氷枕やら食べやすいご飯を用意して、完璧な看護をしているつもりなのだが・・・・。


どうしてか、コイツ俺が部屋から出る事を許してくれない。


最後に部屋を出たのは、正午に昼飯を作るときだったかな・・・今、もう4時なんですけど・・・。


「婚約ならとっくに・・・コホッ・・・コホッ・・・・」


「おいおい無理して喋らなくてもいいって。

 ほら俺なんかいると辛いだろ?

 それじゃ行くぞ」


「だめぇ、、、もっと辛くなるもん・・・・」


「はぁ・・・・」


そう、朝からずっとこんな感じだ。


むむむ・・・どうするか。


「そうだ・・・・誰か呼ぼう!!!」


俺はすぐさま携帯電話を取り出し、俊一へと電話を掛ける。



「もしもし」


「何だ・・・?」


「今から家こないか?」


「風邪をひいたようなので無理だ」


(ピッ)


(プープープー・・・・)


鼻声だった、嘘をついてるとは思えん。



ならば零奈だ!!!


「ごめん、風邪ひいちゃったから・・・・」




鼻声だった、嘘をt(ry




涼は・・・・大丈夫だろ。

馬鹿は何とやら・・・・あ、それって俺も入るのか?


いやそんな事はどうでも良い!!


「すまん!!知樹!!

 急に祖父が倒れちまったみたいで、病院行かなきゃなんねぇんだ!!」


「・・・あぁ、悪かった」


ついでにニーナもつれてってくれねぇか、なんて頼める状況じゃなさそうだった。





何故・・・誰も来れないんだ!!!





「二人っきりぃ〜〜」


「寄るなっ!!風邪がうつる!!!」


「もう、遅い〜〜〜」


「分かってんなら、最初から俺を部屋に監禁するな!!」


「だって、暇なんだもん」


「いや、そこは寝とけ、病人として」


「やだ」


くっ・・・・仕方ない・・・・。


そうだなぁ・・・・・・なら色々聞いてみようじゃないか。

家族の事とか、あんまり詳しくないし。



「ニーナってさ、兄弟とかいるの?」


「うん、兄がひとり。

 リックは今25歳かな」


リック?・・・・ああ、そのお兄さんの名前か。


「仲良いのか?」


「悪くは無いけどね。

 でも、ちょっと・・・・苦手かなぁ・・・」


苦手?

ニーナがか?


「嫌いなのか?」


「別に嫌いってわけじゃないけど・・・」


「・・・まぁ、お前にも苦手な人がいるってことか。

 ずっと人懐っこい猫みたいなもんだと思ってたんだけど・・・」


「にゃ〜ん・・・」


「猫の真似しても、くっ付くのはダメだっ!」


しかも、猫の真似似てないし。。。


「・・・ちぇ・・・」


「ったく・・・・・で、どうして?」


「良く言えば妹思い、悪く言えば過保護。

 要は心配しすぎなの、私の事」


「ふ〜ん・・・・」


まぁ、コイツの心配するなら何となく、分からんでもない。


・・・・・・・待てよ・・・・・だったら俺の状況まずくないか!?


その兄貴に見つかったら殺されるぞ。

どうせコイツの兄の事だ、話が分かる奴の訳が無い。。。


一刻も早くニーナを・・・・・・追い出すわけにもいかないか・・・・。




「はぁ・・・・・」


で、でも大丈夫だよな、きっと。

日本に来ることなんて滅多にないもんな。





「あ、それで、たしか今度・・・サマーバケーション中だから遊びに来るって言ってたような・・・」





「へぇ、そうなのか・・・」


・・・・・・・・・ん?


「って、何ぃぃぃ!!!

 や、ヤバイだろ!!それ!!」


「・・・何が?」


コイツ、分かってねぇ・・・・・と頭を抱え込む俺であった。


「あ・・・そうかぁ!

 リックの事なら大丈夫!!」


エッヘン、と胸を張るニーナ。


「私と同じで、日本語ペラペラだから」


「そこじゃねぇよ・・・・。

 てか、『私と同じ』ってむしろ心配要素じゃねぇか・・・・・」






『カァーーーーカァーーーー』




外では、夕日をバックに俺の悩みなんかこれっぽちも気に掛けてない、呑気なカラスが鳴いていた。





どうしようか・・・・・と、ふと外を見る。






夕日が良く見える。





「ニーナの部屋ってさ」


「ん?」


「結構、景色いいのな」


「うん。

 私も好き、この景色」


窓際に置かれたベッドからは、美しいオレンジ色の空が一望できる。


環境汚染って問題が無ければ、夜には星も良く見えそうだ。


夕日のオレンジに照らされたニーナは、とても輝いて見えた。





・・・まぁ、いいか。

そん時はそん時でどうにかなるだろ。





「さてと、じゃ、俺夕食作りに行くわ」


と俺は椅子から立ち上がる。


「・・・・うん・・・・あ、そうだ」


ニーナは寂しそうに返事をすると、何かに気がついたようだ。


「どうした?」


「リックが来るの、たしか明日だったような・・・・」


「へぇ〜〜そうなのか」


と、俺は部屋を立ち去ろうと――――――






「なんですとぉぉぉぉ!!!!!」






や、ヤバイ、どうしよう・・・・そうだ、防空壕だ、防空壕へ非難しよう!!


い、いや待て。

少なくとも今は戦争中じゃないし、つーか防空壕なんて付近に無いし、日本にあるのか分からないし。



・・・どぉでもいいわっ!!!!



くそ、何時から俺はノリツッコミと一人ボケツッコミなんて技を使えるようになったんだ!!!


あ、大分前から使えたか・・・・。



・・・どぉでもいいわっ!!!!





「あのなぁ・・・そういうことは、もっと早く言ってくれないと・・・・」


「大丈夫だよ?

 日本語上手いから、迷わずにここまで来れるよ」


だから、そこじゃないって!

迷っても、迎えになんか行くかっ!!


「そうじゃねぇよ・・・・。

 迎え撃つ為にも何かと準備が必要なんだって」


「迎え撃つって・・・・トモはあまり心配しなくていいと思うけど・・・」


「・・・そうだといいんだけどな」




「すこし妹思いなだけだから」





「そこが危ないっつってんだろうがぁぁ〜〜〜〜〜!!!」




すみません。


皆さん。


明日が俺の命日かもしれません、悪しからず。




次話、ニーナの兄が登場!


どんな人物なのか。

ニーナを溺愛する理由とは?


お楽しみに!

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