文化祭編:4 二日目〜in the morning〜
「おっはよ〜、トモッ!」
「・・・・・ども」
うむ、ニーナは早起きだな。
いい事だと思うよ。
早起きは3文の得って言うし。
「で、なんで俺の上に乗ってる?」
「バレた?」
「気が付かないほうが可笑しいかと」
「御用でござるっ!」
「何で御用されるんだよ!?」
そう、ベッドで寝てたら急に違和感を感じたから目を開けてみたら上に乗ってたんだよコイツが。
俺の顔30センチ位の所でニッコリ笑ってさ、もう眩しすぎて目が痛いよ。
この間のベッド侵入事件から、俺のポケットマネーを使って鍵を二重にしたはずなんだけど。
何で入ってこられたのか疑問だ。
「その首もらったぁ!」
「・・・・で、どいてくれ」
「・・・・ボケを無視したからヤダ」
「断らんでくれ」
「じゃあ、キスして」
「っ!?訳分からんぞ?」
なんで朝っぱらから・・・日中でも厳しいけど。
一見スーパーモデル顔負けの外人に、キスできるような男に見えますか?
「じゃあ・・・ムリヤリ・・・」
「ギャァァァ〜〜〜!!!たっ、助けて〜〜」
「え?何?もしかしてファーストキスだったりする?」
「・・・・・悪かったな。。。」
「ふ〜〜ん」
う・・・なんかニヤついてる。
怖いんですけど。
「それじゃ、キスは止めといてあげるから、30分抱きつかせてちょ〜だいっ!」
「さ、30分!?
ウルトラマン10試合分!?
・・・ってマジで止めてくれぇぇ!!!」
「覚悟〜〜〜!!」
そのとき、不意にベランダの窓が開いた。
「ふっ・・・隣の隣の家の屋根に上るのに苦労したが無事侵入成功・・・」
・・・・。
「あっ、シュンイチおっはよ〜〜」
「・・・・・この際、どうやって二階の窓から侵入したのか、とかは聞かないから助けてくれ!!」
「む?」
そう言った後、俊一はこちらを見た。
「ふむふむ」
「何納得してるんだよ!?」
・・・・シーーーン。
そして暫くの沈黙の後。
「知樹迎えに来てやったぞ・・・と言う予定だったが、お楽しみの途中だったとは。
知樹、終わったら電話してくれ、学校で出席だけとりに行くぞ」
「なっ・・ちょ・・・まっ・・・・まて!!」
「さらばっ!」
ああ、入ってきたベランダから飛び降りてしまった。
どんな身体能力してんだアイツ?
それに、文化祭はサボるのは確定なんかい。
って今はそれどころじゃないって!
「ふふ〜ん、、、暖か〜い」
このまま30分間耐えるのか・・・・。
男なら本来喜ぶべきシュチュエーションなんだろうなぁ。
それなら今の俺は男としてどうなんだ。
何か、男としての何かが抜けてるような・・・・。
「すぅ・・・すぅ・・・」
「あ?」
自分で抱きついておきながら、寝てる。。。。
「まぁ、いいか・・・この隙に・・・・・」
って言っても約束は約束・・・か。
「30分位いいかな、このまんまで」
「すぅ・・・すぅ・・・」
俺って結構人に優しかったりする?
ふぅ〜〜〜30分経ってちょうどニーナも起きたのはいいけど、まだ朝飯食ってないし、歯も磨いてなけりゃ、顔も洗ってない。
何もやってないといった方が早い状況だ。
「トモ〜〜、お腹すいた〜」
「お前があんなことしなけりゃもっと早く食えただろうが!」
「三度の飯よりトモが好きだもん」
「へいへい、そりゃど〜も、うれしゅう御座います」
「ご飯っ!!!」
「分かったって!」
あ〜〜、もう8時だ。
まあ二日目は仕事ないし、出席さえとれば何時学校行ってもいいんだけど。
つ〜か半分休みみたいなもんだ。
高校生活最初の文化祭がこんなに適当でいいのか??
まあいいか、メシだ、メシ。
――――――・・・・。
「ご馳走様っと」
さて飯を済ませたらっと・・・・。
俊一に電話掛けなければ。
その他の身支度は電話掛けてからで良いか。
机の上に置いてある携帯電話を手に取り、俊一に電話を掛ける。
「もしもし」
「知樹、終わったか」
何か勘違いしてないか?
「いや、何か変な想像してるだろ」
「まあ照れるな。
誰だってそう言う時期が来るもんだ」
「何処の年寄りだよお前は・・・。
まぁいいや、とりあえず今から俺の家へ来てくれ」
「ふむ、先程俺が訪問した事を忘れてはいないか?」
「・・・・こちらから行かせて頂きます。。。」
うむ、確かに俊一のいう事がもっともだ。
・・・でも、好きでああやってた訳じゃないんだけど。
「分かればよろしい。
それじゃ切るぞ」
「おう。
あ、それとまだ顔も洗ってないからもう少し時間掛かるぞ」
「了解」
ブツッ。
電話が切れたので、俺は電話を机の上に置いた。
ニーナは・・・っと・・・居ないな。
多分、メイクかなんかしてるんだろうかな?
化粧しなくても十分だと思うんだけど。
まぁ何にせよニーナと一緒には登校できないんだけど。
何で一緒に登校してんの?とか聞かれたら困るし。
「おっと・・・いけね。
俺も準備しなきゃ」
ピンポーン。
インターホンを押すと何時ものあの音が耳に入ってきた。
・・・・・・・中々反応が無いな。
もう一回インターホンを押そうと俺が手を伸ばした瞬間、ガチャとドアが開いた。
「あっ、知樹君おはよう」
って、あれ?
何で聖奈さんが出てきてるんだ?
「あ、おはようございます。
俊一呼んでくれます?」
「うん、ちょっと待ってってね。
俊一〜〜、知樹君来たよ〜〜」
・・・・・・・。
返事がない只のしかばねのようだ。
じゃ、無くてっ!
「あれ?
どうしたのかな?
さっき二階の自分の部屋に入って行ったんだけど・・・。
ちょっとごめんなさい」
聖奈さんは家に入っていった。
そして、それを待っていたかのように二階の窓が開く。
・・・・まさかとは思うが。。。
「とうっ!!!」
やっぱり飛んでキターーーーーー。
そして、スタッと軽く着地をすると、何事も無かったかのようにこう言った。
「ごきげんよう」
「・・・・そっちもご機嫌がいいようで」
「あ、俊一っ!また飛び降りたの?」
あ、聖奈さん再登場だ。
つーか俊一はこんな事何時もやってるのかよ。
世話の焼ける弟を持つと大変だ。
俺も似たようなのが家に居るからよく分かる。
「うむ、それでは行って来る」
「あ、そういえば私も行かなきゃいけないんだっけ。
・・・・・もうこんな時間!?
急いで準備しなきゃ!!!」
バタンとドアを勢いよく閉め、再び聖奈さんは家の中へと入っていってしまった。
そういえば、聖奈さんもうちの学校の生徒だったっけ。
それどころか生徒会長じゃん?
・・・抜けてんな。
「知樹、行くぞ」
ありゃ、俊一何時の間にそんな前に。
行くなら行くと声掛けてくれりゃいいのに。
「あいよ〜」
俺は本音を出さず、駆け足で俊一の方へ向った。
「・・・・・よしっと、出席とったし、何すっか・・・」
学校についた俺達は速攻で出席をとりに行った。
時間帯的にも人が少ないのでスムーズに出来たのはいいが何をすればいいのやら。
「ふむ、別に俺は何処でも良いが」
お前は何か予定があるから俺を呼んだ訳じゃないんかい。
「なら、折角の文化祭だしさ。
少し回ってくか」
「うむ」
そして歩き出した俺達の目に最初に留まったものは・・・・・
「・・・・"二人一組で入ってね♪"だとよ」
うん、確かに最初に目に留まったのはこの文字が書かれた看板だ。
これが名前なのか??
謎の名前効果か、誰も入ろうとはしない。
「よし、入ってやろうではないか」
何かも分からないのに、隣の方はやる気満々だ。
俊一は訳の分からない物には興味を示すからな・・・。
ホント、変わってるよ。
てなわけで、とりあえず入ってみることにした。
「うわ、暗いな」
「いらっしゃいませ。
って、何だ、野郎が二人か。
てっきりカワイイ女子が来てくれるかと・・・」
まてまて、いきなり客になにいってるんすか。
入った先にあったのは、暗い受付にいるやる気のなさそうな男子生徒が一人だ。
他に特徴を挙げるとすると・・・顔は整っている、それ位か?
「まぁいい、それじゃ、かったるいから、説明は簡単に済ますぞ〜〜〜」
「・・・はい」
マジでやる気なさそうだ。
「勝て!、ハイ終了」
「えぇぇぇ!?それじゃ分からな――――」
「だぁいじょうぶだって、とりあえず先へ進め」
クイクイッと親指で部屋の奥の方を指差す。
一体何があるのやら。
「・・・」
とりあえず、先へ進むべく暖簾らしき物をくぐる。
と、その先にあったのは・・・。
明るい部屋に四角い机と、椅子が二つ。
そして片方の椅子には暗めの女子生徒が一人座っている。
「ようこそ・・・・。
ここは風の間。
今からどちらかお一方とトランプでスピードの勝負をしてもらいます」
ああ、だから"勝て"なのか。
簡単なルールだ。
ゲームか何かで勝負して勝てば進める、そんな感じだろうな。
多分この先もこんなのが続くんだろう。
「それじゃ俊一頼むわ」
「ふっ、任せろ。
秒殺してくれる」
「ふふっ・・・言いますね。
これでも私は――――」
数秒後。。。。
「ふっ・・・」
「ま、負けた・・・。
この私が・・・・」
俊一が宣言どおり秒殺した。
うん、早かった。
今日は俊一が千手観音越えをしたかもしれない。
トランプはジョーカー二枚合わせても54枚しかないから千本も手いらないだろ、と言うツッコミは禁止だ。
「それじゃ、先行くぞ」
「お、おう」
いいんだろうか、さっきの人相当ショック受けてたみたいだけど。
さっきと同じように暖簾のようなものを潜ると、またさっきと同じような部屋に同じセット。
違うのは、座っている人物がごっつい体格の男子生徒だということだ。
次は見た目からして力比べか?
「おう、よくきたな。
第二の部屋、炎の間だ。
ここでは俺と将棋で勝負してもらう」
「しょ、将棋!?」
・・・・予想外だ。
「何か可笑しいか?
これでも俺は将棋部の部長なんだ」
・・・人は見かけに寄らないとはよく言ったもんだ。。。。
「いや、なんでもない・・・っす」
でも、どうするんだ俺は将棋なんてルール位しか・・・。
「さて、それではここも俺がやることにしようではないか」
ホント何でもできるのね・・・この人は。
「出来の悪い知樹君の代わりにな」
「大きなお世話だ」
「さぁて、そろそろ始めるぞ!」
て、な訳で。
「ま、負けただと!?
この俺が???
オイ、君!
是非とも将棋部に入部してくれ!!」
俊一、完勝。
そして、俊一はこの将棋部部長の言葉を聞いて・・・
「・・・部長がここまで弱くて入る気が起こるとお思いで?」
と、一発、とんでもない精神的ダメージをこの部長に食らわした。
さすが、俊一、先輩でも容赦無し。
「先行くぞ」
ある意味一人ずつノックアウトしながら現在進行形な俺達。
次の部屋は・・・っと。
セットは同じだが、今度は整った顔に眼鏡を掛けた細めの男子生徒がにやけながら座っている。
「ようこそ、ここは第三の部屋、緑の間。
今から俺としりとりで勝負をしてもらう。
まあルールはそのまんま、最後に『ん』が付くもの以外ならOK」
しりとりって・・・・長引きそうだな。。。
「ただし、普通にやっては長くなりすぎるから、そっちで何かお題を言ってくれ。
遠慮するな、いわばハンデみたいなものだ」
ふむふむ、それならいいかもな。
「・・・国名。
正式名称でなくても良い、というルールで」
またまた俊一がやるみたいだ。
まあいいけど。
何故ならこのルール、100%勝つ方法があるからだ。
俺も以前引っかかったよ、国名なんて多くありそうで、あるもんじゃない。
「よし、では始めよう。
制限時間は一つにつき1分だ。
そっちから始めてくれ」
「・・・ベトナム」
「ム・・・ム・・・・」
「終了」
「まだ3分も経ってないぞ・・・」
「言えなくなったら、終了と言うルールもある。
世の中何処を探しても『ム』で始まる国名は無い」
そう、俊一の言うとおり、ムで始まる国名は何処を探しても無いんだ。
そんなルールも存在してないし俊一の勝ちは決定していた。
つまり、仕組まれた勝負と言う訳。
勿論仕組んだのは俊一の方だけど。
「そうか・・・やられたよ・・・」
黙れた本人は顔がニヤついているのは変わらないが、やられた、と言う表情をしてそう言った。
「それじゃ、先へ進むとしよう」
恐るべき頭脳の持ち主の友は3人を撃墜し、現在もなお爆進中だ。
「さてと、次の部屋は―――」
「あら、いらっしゃ〜い」
「どうも・・・」
今度は、やけに露出度が高い美人のお姉さんが長い足を組んで、キラキラのソファーに座っている。
そして手にはワイングラスが握られている。
まるで、女王様だ。
つーか、水着じゃんそれ?しかも、かなり派手な奴だ。
校内で着るようなものじゃ無いだろ。。。
「2年の九条 咲来よ。
まあ、呼び捨てでも構わないけど、一応先輩だから咲来さまでお願い」
「何故に一年違うだけでさま付け!?」
「ふふっ、細かい事は気にしないの」
・・・普通は気にする。
「・・・ふ〜〜ん」
「何見てるんスか」
「二人とも格好いいなぁと思ってね。
どう?隣に座る?
もちろん私を挟んで」
「遠慮しておきます」
「え〜・・・・それで、、、あなた達名前は?」
何か、本当に偉そうだ。
「え〜と、俺は1年B組の朝倉 知樹。
んで、こっちは同じクラスで幼馴染の滝野 俊一っす」
「知樹君に俊一君か・・・。
一年生にしては大人びてるわね」
・・・二年で大人フェロモンだらけのあんたに言われたくは無い。
「それに、テンション低いわよ。
どうしたの?2人とも格好良いお顔が台無しよ?」
いや、俺らが普通であんたがテンション高いだけだろ。
それに俺が格好良い訳ない、うん、きっと社交辞令だ。
案外良くできた人なんだこの人は。
「もしかして和幸に何か言われた?
あ、和幸って、受付の奴の事よ。
鳴海 和幸。
あいつ、格好良い子を見ると機嫌悪くなるって事で有名でね」
「お構いなく、何も言われてないっす」
そりゃあもう、説明すらまともに聞かされてないよこっちは。
「いいのよ、あいつなんか庇う必要ないわ。
見た目だけならあいつも格好いいと思うんだけど、相当な女好きだからねぇ。
女好きならなんで私の所に来ないのかしらね、全く・・・・。
私程の美女はそうは居ないはずなのにねぇ」
どれだけ自分に自信持ってるんだこの人は・・・・。
まあ確かに美人ではあるけど、その性格じゃあな・・・。
でも、結構お似合いかもな、あの受付とこの女王様は。
「それじゃいくわよ」
・・・え。
「ちょっと待って下さい。
まだ何も聞いてない・・・・」
「え?そうだったかしら???
なら説明してア・ゲ・ル(はぁと)」
余計な所で色気使わんでください。
それに説明するのはそちらの義務だから。
「ちょっと地味だけど、ストップウォッチを10秒により近い方で止められたほうが勝ち。
まあ単純にそういうゲーム」
へ?なんか案外――――
「を、やるつもりだったんだけど・・・・。
まあイケメン二人が居るという事でルール変更!
今から私が選ぶ方に抱きつくから、それで5分間じっとしていられたらそっちの勝ち。
そういうゲームにしまーす」
単純・・・・・じゃないぞ??
いや、単純じゃなくなっちゃったよ?
というか一筋縄じゃいかなくなったヨ。
「「・・・・・・」」
あ、あの・・・。
「本気・・・ですか?」
「ええ、いたって本気。
勿論そっちに拒否権は無しよ?
ここの部屋の女王は私だから」
・・・・マジで・・・・。
ん?待てよ。
隣に居るのは校内一、いや全国でもトップを狙える程の超美男子俊一君ではないか!
なら、俺が選ばれるはずは無い!!
オマケに俊一は超ポーカーフェイス、この勝負もらったぁ!!
「じゃあキミッ!」
・・・・指が俺の方向向いてるのは・・・気のせい?
じゃないよな。。。。
「―――――って、えぇぇぇ!!!!????」
「何驚いてるの??
私はあくまでも勝ちを取りに行こうとしてるのよ?
どっちも食べちゃいたいくらいだけど、あなたの方が簡単そうだから・・・ね?
反応も面白そうだし」
そ、そうか。
これは勝負だった!!!
何を勘違いしてたんだ俺は。
にしても、今日はよく抱きつかれるな。
「じゃ、始めるわよ?」
「へ?まだ心の準備が・・・」
「スタートッ!」
(ムギュ)
・・・・・あれ、何か普通。
どうやら、ニーナお陰で男としては最悪の耐性が着いてしまったようだ。
「どう?」
「いや、聞かれても困るんですけど。。。
それに胸当たってますよ?」
「当ててるのよ。
でも、それにしては普通ね?
何か気に入らないわ」
俺を選んだのあんたでしょう。
「これは普段からこんな事やってる証拠ね」
「・・・・・・」
やばい、案外図星で何も言えん。
受動的・・・いや、一方的とはいえ、真実だ。
「フッ・・・・」
俊一、今日の朝何を見たか知らんが、意味あり気な笑いは止めてくれ。
「ふふっ・・・・お友達の反応を見ると図星みたいね。
この、女たらし〜〜〜!!!」
なんか、腕の力が強まってるような・・・。
いや、強まってるよね?
「や、やめて・・・く、苦しい・・・。
別の意味で・・・・じ、、死ぬ・・・・」
「少し、刺激が強すぎたかしら?
終わりにする?
あと3分あるけど?」
いや、刺激とかじゃないだろ。
「負けになりますよね?」
「ええ、でも苦しいのよね」
分かってるんかい。
「ええ、そりゃあもう」
「なら、どうしようかしら???
な〜ら〜〜」
なら??
「メルアド教えて!」
は?
「関係ないような・・・」
「いいのよ、私が欲しいだけだから!
勿論、お友達のあなたも・・・・ね?」
あ、俊一の顔が引きつってる。
「いいから、いいから♪
早く教えなさいっ」
あ、携帯とられた。
同じく俊一も。
開放されたから良いか。
お、携帯帰ってきた。
「ふふっ・・・・
イケメンのメルアド二つ同時ゲットなんて。。。。
ありがとね〜、因みに着信拒否したら・・・半殺しよ?」
「「・・・・チッ」」
「ははっ♪
面白いわね、アンタ達。
それじゃ、またね〜〜」
ふぅ、ようやく開放された。
あ、ここは受付か?
つ〜とさっきのが最後か。
あ、相変わらず暇そうだなぁ、この人。
あれから客一人も入って無いんだ。
よしよし、被害者は俺達2人で十分だ。
「お、さっきの野郎二人組か。
ここから来たって事は最後の部屋の九条を抜けてきたか。
・・・やるな」
おおっ!!なんか、褒められたぞ?
「いや、苦戦を強いられたっす」
「だろ?アイツの男好きさは異常だったろ。
お前らみたいな男なら、どんな事されたか想像ついてる。
九条も見た目だけなら、超美女なんだけどな。
男好きなら、何で俺の方へ来ないのやら。
俺ほど格好良い男子も世の中そうはいないだろうに」
・・・二人して、同じ事言ってるよ。
本当に意外と合ってるんじゃないの?二人とも。
「はは・・・、それじゃそろそろ・・・・」
「待て、俺には見えるぞ・・・お前らは俺と同じオーラがある。
隣の君も喋らなくても俺には分かる」
・・・何だ?とうとう脳内回路がショートでも起こしたか?
「お、おーら??」
「ああ、そうだ。
よし、携帯貸せ」
そこまで、同じ行動するんかい。
まあ、取られるのは目に見えているので俺と俊一は素直に差し出した。
「うしっ!ほら、返すわ」
ぽいっと俺達の方向へ携帯を投げ捨てた。
・・・一応、俺達の私物なんだけどこれ。
「あ、着信拒否だけはするなよ?
着信拒否したら―――」
「「半殺し」」
「お・・・何で分かったんだ?」
似たような人についさっきまで抱きつかれていたとは言えない。
「何となく」
「ふ〜ん、ま、いいか。
じゃ、また今度ゆっくり話そうや」
「あい」
「うあ〜、ようやく脱出!!!
さて、何処へ行くか」
「知樹、時計をよく見てみろ」
「時計??あぁ!もう昼じゃねぇか!」
・・・どんだけ長くあそこに居たかが分かる。
「それでは、先程の知樹の質問に俺はどう答えたと思う」
「昼飯」
「知樹君久しぶりに正解。
それでは適当に探すぞ」
「あいよ」
2日目の二人の微妙な旅はin the afternoon編へ続く!!!
いや、どうも。
文化祭編の二日目はちょっと長めになります。
何せ午前中でこれだけですから。
さて、初登場のキャラが濃い、似た者同士のお二人。
これから知樹や俊一と絡んで、どういう方向へ行くのか!乞うご期待。
ここから、午後のin the afternoon編へ続く訳ですが、何をやるかは候補が幾つかあるのでじっくり考えていきたいと思います。
そろそろ夏休み編も考えていかないと。
いや、夏といえばアレでしょう!あれですよア・レ。
ふっ・・・・・(俊一風)
・・・・・それじゃあ、怪しいまんま
終わりましょうか。(笑)
また会う日まで!さようなら〜。