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予告 You love me!




これは予告編ではありません(笑)





しっかし、まあ何だ、俺ってやっぱり不幸を呼び寄せる才能でもあるんだろうか。

え、何でかって??

それは今に分かると思うよ。


「・・・・聞きたいことがあるんだが」


「なぁに??」


ここは、学校の屋上だ。

時間帯は放課後なので人がいる事は滅多に無い。


んで、今、目の前にいるのは端正な顔立ちの白人女性。

名をニーナと言う訳だが。


「何で、学校で働く事になってるんディスカ??」


「だって、ただで住まわしてもらうのも、何か悪いような気がしたからディス」


むぅ、この緊迫した空気で、俺の微妙な語尾の変化に着いてくるとは・・・こやつ、、、出来る!!

いや、そうじゃないだろ!俺!


「働くのはいいとは思うけど・・・わざわざ俺の学校来なくても良かったんじゃないのか?」


「だって、ココならトモと一日中同じ所にいられる訳だし。

 一番良いかなぁ〜、と思って」


「それにしたって―――」


ムスっとした表情をするニーナ。


へいへい、分かったよ・・・。


「分かった、その気持ちには大いに感謝しよう。

 でもな、折角薄れてきた俺の噂がまた舞い戻ってくると考えると・・・」


そう、俊一の広報部廃部作戦が失敗した後、俊一の姉である生徒会長、聖奈さんの裏の手によって

結局広報部は潰された。

誰だっていきなり理由も分からず潰れた部は信用しない。

だから、俺の噂は徐々に消えつつあったんだ。


「ああ、前話してくれた、潰れた部の話??」


でも、コイツがココに来る事により・・・・。


「そうだ」


「本当の事なんだから気にしない、気にしない♪」


・・・・・・また噂が流れ始めるんだろう。


それを防ぐ為にはどうするか・・・。


「・・・校内で無意味な行動には出ないでくれよ。 

 勘違いされる事は特に、な。

 今日だって、7時間目は冷や汗ダラダラだったんだ」


「いやだ〜、ちゃんと汗拭いた??」


「いや、そこを聞くな!!

 要は普通に授業やってくれって言いたいの!

 今日の七時間目思い出してみろ。


本当に、、、コイツには自覚あるんだろうか・・・・。







時間は遡って、今日の7時間目・・・・。


俺は何時もどおりに着席して授業の準備も万端だった。

何時もどおりに授業が始まり、そして終わると思っていた。


唐突にドアが開く、何時もの英語の先生・・・・・の後ろに何時もはいない人影が・・・・。


「え〜と、皆さんに紹介します。

 今日からこの学校にAET(アシスタント イングリッシュ ティーチャー)として来られた

 ニーナ=マクスウェル先生です」


「Hellow everyone.

My name is Nina Maxwell nice to meet you.」


マジで先生っぽく登場したのは、俺の家に無理やり居座っているニーナだった。

・・・実は日本語ペラペラなんだけど、日本語を話せないフリをするのはマニュアルどおりなのか。


その時はそんな事考えてる余裕は無かった。。。


「うわぁ〜〜。

 キレイ人だね〜〜〜、まるで女優さんみたい。。。」


近くの席の女子が女友達に話しかける。


「そうだね〜。

 でも、あの人何処かで見たような気がしない??」


「え??う〜ん何処かで見たような・・・」


ばれるかどうかマジで冷や汗ダラダラだったからな。



しかも、授業中は授業中で普通にやってくれるかと思ってたら、余計な事ばかりしやがったんだ。


例えば・・・・。





「じゃあ、誰かにこの文章を和訳してもらいましょう。

 え〜〜、では、朝倉君」


俺が運悪く先生の目に留まって、先生に当てられた時。

授業どころじゃ無かった俺は焦って、反射的に先生の方向を見たわけだ。


そこでニーナと目が合ってしまったんだ。


それだけなら、まだ良かった。


だけど、あいつは俺にウィンクしてきやがった。

色気たっぷりのオマケ付きだ。


「ちょ・・・バッ・・・・何やって―――――」


俺としたことが、そのウィンクに思いっきり動揺してしまった。

口から本音が出そうになったが・・・。


「どうかしましたか??」


先生の一声で我に帰る。


「い、いえ、何でもありません」


幸い、皆、名前を呼ばれた俺の方向に注意が向いていたので、気付かれなかったけど・・・。


まったく、今日の7時間目だけで一体何年寿命が縮まったことやら。。。




「はいはい、分かった、分かった。

 気をつけるから〜」


「・・・本当だな?」


「ホントアル、ワタシウソツカナイアルヨ」


「何故にエセ中国人風!?」


絶対信じられん。


「何となくナリ〜」


「その喋り方何処で覚えたナリか??」


「何か、宇宙から・・・」


「宇宙ってお前何者だ??ブラックホールか?スーパーノヴァか?いや、ビックバンか!?」


「Dのコロ助で」


ミリ○ネア!?


「もういいや・・・俺は疲れた。

 一足先に帰ることにする!」


「あ、実は私も帰るところなんだ〜〜」


「何?!その、後から取って付けた様な今からの行動報告はっ!」


ダメだって言っても聞かないんだろうなぁ、きっと。


「まあ、ダメって言っても聞かないだろうから、今日はいいけど・・・。

 怪しまれるとマズイから、校門から出て左へ歩いた所で待ち合わせで良いな?」


「分かった〜。

 それじゃ、後でね」


と、言ってニーナは行ってしまった。。。












俺が待ち合わせ場所に付いた時には、もうすでにニーナが待っていた。


「ん?やっと来た〜〜。

 それじゃ家にLet`s go〜〜♪」


「あいよ」


「あれ??知樹君とニーナ先生?」


うわ、早速ピ〜〜ンチ。

遭遇したのは、俺の担任の小坂先生。

入学式の時に分かってるとは思うが、根っからの天然で校内では超有名人物だ。


「どうもです」


「こんにちは〜、小坂先生」


・・・ニーナって職員室でも普段どおりなのか??

だとしたら、結構な問題にならないか??


「知樹君はニーナ先生とはお知り合い??」


「ええ、まあ、一応。

 父親の仕事の関係で小さい頃にニーナ・・・先生のお宅によくお邪魔してたんですよ」


ちっ、隣で笑いを堪えてるニーナを、先生と言わなければならないのがすっごい苦痛。。。

 

「あぁ、そうだったんですか。

 良かったですね〜、運命的な再会じゃないですか」

 

「え・・・えぇ、、、まあ」


ちっとも良くありません。


「あ、それでは、電車に乗り遅れてしまうので、これで失礼しますね」


「あっ、はい、さようなら」


「さようなら〜」


っと、こんな感じで行けば、この先もどうにかなるか?







「あはははっ、ニーナ先生って・・・。

 まさか先生って呼ばれる時が来るとは思わなかったぁ」


家までの道中ニーナは笑いっぱなしだった。


「へいへい・・・。

 もう、好きなだけ笑って下さいませ」


「もうっ、トモってすぐ拗ねるよね」


「別に拗ねて無いって、俺は何時もどおり」


「なら、いいんだけど」


ありゃ・・・・・会話が続かない。。。

コイツと喋っててこんな事あったっけ。

何か気持ち悪いな、ニーナは喋ってないと死んじゃう生き物なんだと思ってたからな。

なんか適当に話きりだすか。


「なあ、今日の晩飯なにが―――」


「ねぇ、知樹」


「―――――あ??」


コイツ今、知樹って言わなかったか??


「知樹はさ、私の事どう思ってるの??」


は???ど、どう思ってる??


「何だよ、いきなり・・・。

 ニーナはニーナだろ?

 いきなり家に住む様になって、いきなり学校で働く事になってる、ある意味凄い奴だよ」


「私の事キライなの??」


キライ??


「別に嫌いじゃない。

 嫌ってたら、とっくの昔に家から追い出してるって」


そう、別に嫌いじゃない。

ただ、もう少し抑えてくれたら嬉しいけど。


「そう、なら良かった〜。

 何か、さっき本当に嫌そうだったから、どうしようかと思っちゃった〜」


「ああ、あれは―――」


「じゃあ、私の事好きなの??」


表情は、何時もとそんな変わらない。

でも他の何かが、何時ものニーナとは違う。

その雰囲気を察した俺の心は混乱していた。


「・・・あ〜それは、、、likeの方か?それとも・・・」





・・・・Love??







「――――Do you love me?」











―――――私を愛してるの??










俺は――――――・・・・・・。





「分からない」



俺の口から出てきたのは、世界一便利で曖昧な言葉。。。












「・・・・そう・・・・、じゃあトモッ!!!」


「何だ??」


知樹からトモへの変化。

聞くだけならば、分らない程の小さな変化。

ただ、雰囲気がガラリと変わった事だけは確か。


「絶対に、トモが一年生の内にトモの口からハッキリと言わせてみせるからね!」


「あぁ、何て言わすんだ??」


「あ、、、やっぱり高校卒業までに・・・・」


「おいおい、消極的だな。

 で、何て言わさせるんだよ、俺に」


















「I love you」


















「ふ〜ん、まあ、せいぜい頑張ってみて下さい。

 ニーナ大先生」


「よ〜し、頑張ろっ!!」





頑張るって、何を???


俺は、三年後どうなってるか心配でならなかった。





どうも、今回は何時にも無くシリアスにいってみましたが、どうなんでしょ?


ニーナの決意、知樹の曖昧な考え、まあ色々ありますが、これからも面白可笑しく、時々シリアスといった感じで進行していきたいと思います。


それでは。

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