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入学式編:1 桜の季節にこんにちは

俺は、この春、桟陵高等学校に入学する、朝倉(あさくら 知樹(ともき

まあ、一応言っておくが、性別は男。

見た目は・・・稀にカッコイイと言ってくれる人がいるくらいで、自分では普通だと思っている。

ちなみに体系は・・・若干痩せ方?身長は178cmと長身だと言えるだろう。

まあ、そんな所で至って健全な高校一年生だ。


そんでもって、今何をしているかというと、現在入学式へ向かう途中。

つまり今日が入学式当日。

今、淡々と新しい学校へと歩を進めている所だ。


春ならではの美しい桜、新しい学校へ心躍らせ友達と共に談笑しながら歩いてゆく学生達。

うむ、素晴らしい!正に春の朝に相応しい光景だ。


そして正面に目をやると、俺の目の前一m程に一人の美男子がこちらを向いて立っている・・・。


「・・・・って、オイッ!!」


「グッドモーニングだ諸君、俺の顔を見て朝っぱらから叫ぶなど、流石アホ(知樹)はやる事が違うな」


「うるさいっ!大体入学式当日の朝からお前の顔を見たら叫びたくもなるわっ!

 折角春の朝を一人で満喫してたと言うのに・・・ああ、クールな俺さらばっ!」


「元々知樹はクールでもなんでもないだろう。

 あと、俺と桜がそんなにもマッチしなかったか?」


と、まあ紹介が遅れたが、このように自信満々に聞いてくるのは

俺の小学校時代からの幼馴染の滝野たきの 俊一しゅんいち

俊一は憎たらしい性格の癖に顔は整っていて、スタイルも○、その上勉強も運動も出来る。

正に外見だけはパーフェクトマンなのだ。

コイツを世に送った神を憎むぜ、畜生!!


「いいや、マッチしない事は無い、が、俺の心の中では今、枯葉が舞い散っている所だ。

何故だか分かるかね?俊一君?」


と、俺は逆に聞き返す。


「ふむ・・・・・分かったぞ、朝から俺の美しさを目の当たりにして己に自信を無くしたか。

そうなんだな、おお!!可愛そうなマイフレンドよ!!」


と、少し考えた素振りをした後に訳の分からない事を言いやがった。

まあ、コイツが格好良いのは認める。

だけど、すみません神様、マジで一人そちらへ送ってもいいですか?


「出来るものならやってみろ、一般庶民よ!」


「心を勝手に読むなっての!しかも一般庶民て何だよ!」


「言うなれば人間の価値と言うものを一発で知らしめる言葉だ」


「ハァ・・・」


もう、いちいちコイツの言葉にツッコミ入れるのも疲れたよ、パトラッシュ・・・

と、俺はどっかの犬の名前を思い浮かべながら頭を抱える。



すると、一人の女子生徒が右の曲がり角から現れた。


「あ、おはよう」


何とも普通の挨拶。

普通で良いんだけどね。


さて見覚えある整った顔、また厄介なのが現れたぞ。

ふむ、どう切り抜けるか・・・。


たたかう

どうぐ

とくぎ

にげる


・・・よし決めた!


「おい、俊一!バトルフォーメーションを組め!」


「む!了解だ!知樹中佐!!」


俺らが戦闘体制に入った瞬間。

(バシィィィィン!!)と何かが俺とアホ(俊一)の頭にクリーンヒットすると共に痛烈な音が春の朝に響き渡る。

「「っっ〜〜〜〜!!」」と苦痛の声を上げている俺とアホ。

いや、マジで痛い、泣いちゃうくらい。

でも泣かないっ!だって男の子だもん!!


頭が朦朧としていて何考えているか自分でも分からない俺の正面に一人の女子生徒が立っている。


「アンタ達、入学式当日の朝早々から何私に向かって戦闘体制組んでるのよ!?」


ふんっ、中学時代散々酷い目(色々な意味で)に合ったと言うのに構えられずにいられるかっての!

っと、また紹介が遅れたがこの女子生徒、紫城しじょう 零奈れいな

小学生時代からの幼馴染。

当然俊一も、零奈とは幼馴染だ。

つまり俺ら3人共ガキの頃からの長い付き合いと言うわけだ。


零奈の性格は、俊一と比べ単純で分かりやすく、

付き合いやすいが少々手荒い所もあるので注意が必要だ。


ついでに言っておくと、零奈は祖母さんがイタリア人、つまりはクォーターだ。

コイツの祖母さんの若い時の写真を見してもらった事があるが、

かなり美人だった覚えがある。

当然、その娘の彼女の母さんも美人だ。


零奈の容姿はそれも合ってか、かなり整っていて、白人譲りの少し高い鼻がイタリア系美人を思わせる。

見た目は思いっきり日本人だけどな。

スタイルも女性にしては背が高いので、外見は完璧だ。


コイツ等と一緒にいると、俺がいつも以上に冴えなく見える気がする。

だけど、この二人がいない生活も考えられないし。

まぁ、なんだかんだで悪くないよ、うん。


「いや、俺の中にある信号が一斉に黄色になって注意しろと命令を出してだな・・・」


「いっそ、そのままブラックアウトしてみる??」


「いえ結構です」


うん、やっぱり物騒な所は変化無しだな。

怖い怖い。


「しっかし、アンタ達よく入学式当日の朝から馬鹿やってられるわね」


「む、紫城はこの行為を馬鹿というのか?

 ・・・危険だな・・・」


と、俊一が反応した。


「何が危険だって言うのよ」


「俺達とこれだけ長く付き合ってきたら、これを馬鹿と言わず、普通だと思ってしまうのが普通であろう。大丈夫か?紫城よ」


・・・・何気に言ってて悲しくならないか?それ。

結局自分で馬鹿と言っている様な物だろ。


そう言えば俊一は零奈と会った時から名前じゃ無くて、苗字で呼んでるよな。

深い意味は無さそうだから、聞いた事無いけど。


「あのなぁ・・・それって結局自分を馬鹿といっているような物だろ??」


「フッ、この違いが分からないか・・・まだまだだな」


何が、まだまだなんですか?センセー。


「それと[俺だけ]ではない、知樹もだ」


「チッ・・・」


・・・俺もコイツとこんな事を朝からやってるから、馬鹿だと言われて首を横に振れないのが悔しいな。


「ハァ・・・何でこの二人とこう長く付き合ってられるのか自分でも不思議よ・・・」


と、ため息混じりに話す零奈。


「詰まらなくは無い、からだろう?」


「まあ、確かに飽きはしてないからな」


「悔しいけど、そうかもね」


それなりに、充実してるのかもな、俺の人生は。


と、その後、くだらない会話をしている内に目的地に到着。

今日から三年間お世話になるであろう高校の正門だ。


うむ、桜の木が栄える校門だ。

こういうのを待ってたんだよ、俺は。


「やっぱいいよな。

 桜満開の入学式って」


「そうね」


「桜か。

 桜の語源は確か、”咲く”に複数形の”ら”を付けたと言うのが有力だ。

 因みに花言葉は、精神美、純潔、高尚、優れた美人。

 桜の日は3月27日」







いや、聞いてないし。






さて、気を取り直して門をくぐる。

すると、去年改装工事を行ったと聞いている、真新しい校舎が見える。

校舎が綺麗ってのも、この学校を選らんだ理由の一つだな。


門から3、40m辺りの所に人だかりが出来ている。

恐らくあそこにクラス等の情報が貼ってあるのだろう。


「多分あそこにクラスなんかの事が貼ってあるんだろうな・・・って、あれ?俊一は?」


俺が人だかりに指を指して話し終えると、側には零奈と他の生徒しかいない。

ふむ、何処へ行ったんだ?


「ん??俊一ならさっき「俺は、この学校での初の大仕事の準備に向かう!」とか言って向こうへ走っていったけど?

 どうせ馬鹿なことやるんでしょ?」


やれやれ、と首を横に振る零奈。


俊一は行動が早いな、今日は何やらかすつもりだ?

中学の時も、色々不可解な事が起こる事が多々あったが、その殆どが俊一による物ある事は俺と零奈しか知らないだろう。

たまに俺も手伝わされる事もあったから良く知っている。


「まあ、いいか、五月蝿い奴が消えたことだし、俺達もあっちに向かうか」


「そうね」


あいつが消える事には多くのメリットがある。


例えば・・・いちいち奴のいう事にツッコまなくて良い事や

顔も良くスタイルも良い俊一に対し、周りの女子生徒が騒ぎ始め、行動し難くなる事が無い事等、だな。


まあ、いい加減なれた事だし、零奈の容姿に対して男子生徒の反応は、俊一に対する女子の反応とあまり変わらないので結局同じ事だけど。

でも、巻き添えになるのはやはり面倒だな。

見知らぬ男子生徒に「お前彼女の何??」とか聞かれたりして、絡まれるのは面倒だし・・・。

よし!他人の振りして歩こう。


「何でそんなに私と距離とって歩くのよ?!」


「身の危険の回避だ、勘弁してくれ」


と、零奈の問いにそっぽ向きながら返す。

これで良いのだ、許せ零奈よ・・・。


「???まあ、良いけどさ・・・」


ふむ、零奈は物分かり(?)がいいな。

流石ですぜ!姉貴!!


「っと、近くに来てみて分かったけど結構人がいるな・・・」


遠くから見てても人が多いことは分かったがこれ程とは思わなかった。

ふむ・・・ここはこうするか・・・。


「ふむ、じゃあ零奈の名前も探してくるから、あそこで待ってろよ。二人で移動するの難しそうだし」


俺が指した場所は人が少ない所にあるベンチ。

こんな所で二人で行動するのが困難なのもそうだが、人ごみの中で痴漢なんかに狙われたりするかもしれないからな。

もっとも、下手な男子生徒なら、軽く捻ってしまう程の強さを零奈は持っている為、

心配は要らないとは思うが、一応、な?


「え?ええ、ありがとう」


と、零奈は返事をしてベンチへ向かった。


うし、それじゃあ行くか。


「っと、よっと、う・・・」


ちっ、俺とした事が途中まではスイスイ来れたものの

前へ来れば来る程、人口密度が上がると言う事を考慮していなかった。


『諦めるなポール!!お前ならこの状況を切り抜けられると信じているぞ』


(だ、誰だお前はっ!!)


俺の脳裏に現れた一人の軍人。

何故か俺はポールと呼ばれている。


『私の名はジョンソン、さぁ前へ!力強い一歩を踏み出してくれっ!!!」


おお、ジョンソン!そう言ってくれて、自身が沸いてきたぞ!!





「ウォォォォ、ジョンソーーーーン!!」





・・・・・はっ!!まずい!またマイワールドに入り込んで訳の分からないことを叫んでしまった。

俺はポールじゃねぇし!?

しかも誰だ、ジョンソンて!?


おお!しかし、この人だかりの中に俺を中心としたクレーターが出来ている。

ありがとうジョンソン!!さあ!一緒に前へ進もうでは無いか!!


周りの生徒に変な目で見られつつも、楽々張り出してある紙が見える位置までやってきた。


え〜とまず、1年A組から見ていくか。


〜〜〜〜〜ふむ、俺と零奈ついでに俊一の名も無いな。


次はB組っと。


――――――――――あ・・・・・。


そこで見た物は俺の創造を絶するものであった。


1年B組


出席番号2番  朝倉 知樹


出席番号11番 滝野 俊一


出席番号36番 紫城 零奈



・・・・・・ジョンソン、俺もう駄目かもしれない。










どうも。

初投稿で物書き初心者の結城 祐と申します。

勢い&フィーリングで書いてしまいましたが

如何でしょうか??


出来ればご感想などをお聞かせ下されば幸いです。


*2011年8月9日 作者が気に入らなかった為、サブタイトルを変更いたしました。

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