第一話 人口一人
side ???
失敗だ、失敗だ、こんなんじゃ駄目だ。
何が悪かった?
計画も、問題への対処法も、経過もすべて完璧だったはず。
そうだ、ここだ、この場所が悪い。
行こう、成功させるために、完全無欠な成功のために。
だが怖い、とても怖い、失敗するのが怖い。
次にまた失敗したらワタシは耐えられないだろう。
まずはアレで実験だ。
side 名無し
ちくちくと頬にかすかな痛みを感じたので目を開けると緑があった。
起き上がってみると木に囲まれていた。
まあ、つまり森だな。
「ここはどこなのだ?」
思わず声に出してしまったがまるで見覚えのない森だ。
何故オレはこんなとこで寝ていたんだ?
「まずは現状の把握だな。」
オレの名前は………
「…わからん。」
ここからかっ!?
記憶喪失ってやつか!?
まあいい……、よくないけど後回しだ。
どうしようもないしな。
「それにしてもここはどこなのだ?」
見渡してもそこにあるのは葉の生い茂った木が乱立する様子しかなく少し途方に暮れる。
「ん?何だこれは?」
あたりを見回してみると一本の木に一枚の紙切れがナイフで止められていた。
そこには一言こう書いてあった。
【国作れ】
「無理だっっ!!!」
どうやって作れと?
こんな木しかないとこで。
国といっても民が必要になるだろう?
近くに人はいるのか?
と、いくつもの疑問が頭に浮かび、結論としては不可能というのが妥当だろう。
主人公の名前は第3話ぐらいで出てくる予定です。