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やらかしは連鎖する

勢いしかないですが、よろしくお願いします。

「ミディちゃん、もうお昼近いよ!」

ソニアさんの声に飛び起きる。

(やらかしたぁぁ、寝坊で遅刻とか前のやらかしより酷い!)

別にアポイントも予約もしていません。


無表情な顔は、寝坊と、前夜の興奮による寝不足も相まって、青くなっている。

「ちょ、ちょっと顔が真っ青よ、大丈夫かい!?」

「は、はい、朝は弱いので……」

「それならいいけど、無理しちゃだめよ?」

「ありがとうございます、支度ができたら、ギルドへ行ってきます」

「ごはん食べてからじゃないと駄目よ!」

「は、はい……」

(これ以上、ソニアさんに無様は晒せない!)

弱々しい決意と共に、ご飯をもぐもぐ食べる。


一波乱を終え、ギルドに到着する。

道中、記憶より武装した強面の人が増えた印象がある。

(賑やかな街なのは一緒だけど、怖そうな人が増えてる。以前より物騒になってる?)

冒険者ギルドに入ると、人は少なく受付カウンターらしき場所では、男性が暇そうにしていた。

「おや、いらっしゃい、護衛依頼でもしにきたのかい?」

「いえ、(冒険者)ギルドの登録を希望します」

胸元に熱い視線を送りながら確認してくる。

「お嬢ちゃんが(傭兵)ギルドに登録?まだ若いが年はいくつだ?」

「十四歳です」

「……一応問題ない年齢だな。ほれ登録用紙だちゃっちゃと記入してくれ」

「わかりました、それとこれは紹介状です」

師匠の紹介状を取り出す。


「紹介状?」

「はい、私の師匠から頂いたものです」

うなずくミディに、男は紹介状を確認しながらため息をつく。

「はぁ、たまに居るんだけど、貴族の印でも入ってないと受け付けないぞ?」

「……そうなのですか?」

「ああ、どこぞの誰かもわからん紹介状を持ってきて自分に配慮しろって輩が多くてなぁ」

疲れた顔で男は答える。

「そんなやつに限って、なんの実力もないんだよ、嫌になっちまう」

「まぁ、紹介状を受け取ってほしいなら、まずは仕事の1つでもして、実績を上げてくれや」

「わ、わかりました、頑張ります」

登録用紙を書き上げ、男に渡す。

「お、素直だな。書類は……確認した。ようこそミディ、傭兵ギルドへ!」

「……え?」

(……今、傭兵って言った? 冒険者じゃなくて?)


「あ、あの、あの! 今、何と言いました?」

「あ?傭兵ギルドって言ったぞ」

(なんでーー??ここ冒険者ギルドだったじゃん!)

「こ、ここって冒険者ギルドじゃ……?」

フードの下で、顔がさらに青ざめる


「冒険者ギルドって……。おいおい5年前に冒険者ギルドは傭兵ギルドと統合して、今じゃ傭兵ギルドの一部門になったんだぞ。知らなかったのか?」

「は、はい」

(け、経営統合なのかな!?)

「戦乱が続きすぎてな、冒険者より傭兵の需要が多くなってな。冒険者の数が極端に減って運営できなくなったらしいぞ」

「じゃ、じゃあ、素材採集の依頼とかどうしてるんですか?」

「今は、商人ギルドと錬金ギルドが担ってるぞ、素材を専門にしてた奴らは、その二つのギルドのお抱えになってるぞ」

「ああ、魔獣の素材は、討伐扱いだから、うちの管轄だな」

(これは、業種間違えて入社した感じになるのか?今やめたら経歴に傷がつく!?)


固まるミディを見て、男は頭を掻く。

「登録しちまったからなぁ、ほれ傭兵用のプレートだ、身分証にもなるから、首にかけておけよ。」

震える手でプレートを受け取る。


「これだけは言っておく、単独行動はやめておけ、死ぬぞ」

男は真剣な表情で言う。

ミディは無言で頷く。

「あと、変なチームにも参加するなよ?いろんな意味で食い物にされるからな!」

(終わった。もう森へ返ろう……)

心が折れかけているミディに、見かねた男が続けて言う。

「今日はもう帰りな、明日まともなチームを紹介してやる。このまま見捨てたら寝覚めが悪いからな」

「……はい、ありがとうございました」

礼を言い、とぼとぼとミディは帰路につく。


店に戻り、ソニアに今日の出来事を話すと、大変だったねと、抱きしめ、頭をなでてくれる。

(あぁぁぁぁ、ソニアママの沼に嵌っていくよぉぉぉ)

「そういえば、アゼル様のことは私以外にも話をしたのかい?」

「いいえ、ソニアさん以外、付き合いを知らないので話をしていません」

抱きしめられながら、ミディは、もごもごと答える。

「それなら、錬金ギルドには私から言っておくわ。あそこも、アゼル様には世話になっていたからね」

「ありがとうございます」

最初から最後までやらかした一日であった。


ミディの徒然日記

〇月※日

朝から特大のやらかしの連続だった。

興奮してたとはいえ、寝坊するとか……目覚ましが欲しい。

冒険者ギルドが無くなってたなんて知らなかったよ!

ブラックな派遣会社に就職したような気分だ、耐えられるかな?

ソニアママがいなかったら、もう森に帰ってた、間違いなく!

明日紹介してくれるチームが良い人でありますように


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