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ハピネスブレイク  作者: 鵲三笠
独裁国家編

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第7話 吸血鬼狩り

刃先を向けられたミスミは、ため息を吐きながらダイゴを見つめる。


吸血鬼狩り(ヴァンパイアハンター)クリボリオ王国(この国)に何の用だ」

「決まってるだろ。お前らを狩りに来た」


ダイゴは深呼吸すると、ミスミに告げる。


「質問はそれだけか?ならいくぞ」


目の前からダイゴが消える。


(どこに消えた?)


周囲を見渡すが気配がない。


(強気なこと言って逃げたか……弱い奴……)


そう思っていると、背後から殺気がする。


「!!!」

「遅い」


ダイゴが素早くミスミの首を切断すると、二撃目を心臓にぶつける。

大量に血を吹きながら胴体が倒れ、顔がドサッと落ちた。


「貴……様……」

「死ぬ前にさっさと答えろ。お前らのボスは誰だ?」

「……」


肉体の腐敗が進む。もうじき消滅するだろう。


「ハハ……お前らには勝てないよ……ラビル様は血誓いの眷属(ブラアリス)の一人なのだから……」


そう言い残し、消滅した。


(ラビル……そいつがクリボリオ王国(この国)を裏で牛耳っている……じゃあ王はなんだ?ラビルの操り人形なのか?)

「うぅ……」

(やべ……おっさんのこと忘れてた)


ロイズの元に駆け寄る。


「大丈夫かおっさん?」

「俺よりも妻と娘を……」

「でも……」

「頼む」


ロイズの目を見て、ダイゴは馬車が走り去った方を見る。


「わかった。仲間をここに呼ぶからおっさんはもう少し我慢してくれ」


ダイゴは全速力で向かう。


(あの男が何者かはわからないが……頼む……助けてくれ……)



馬車は王宮に向かって走って行く。


「ミスミ様は大丈夫だろうか?」

「おいおい。ミスミ様を心配しているのか?あの方はラビル様の側近で、クリボリオ王国(この国)で二番目に強いだぞ?」

「でも遅くないか?」

「いたぶってるんだろう……ってなんだ?」


後ろを振り向くと、ダイゴが追いかけていた。


「……!誰か来た!」

「ミスミ様じゃないのか?」

「違う!あれは……」


ダイゴは高く飛び上がると、斬撃を放つ。


斜狩しゃがり


斬撃が馬と人箱キャビンの繋ぎ目を切断する。


「……っ!止まれ!」


馬を止めると、フードを被った御者の二人が降り立つ。


「貴様……何者だ!」

「さっき言ったからもう言わねぇよ」


ナイフを構えると、二人に立ち向かった。



人箱キャビンに閉じ込められたミナとジュリエッタは、突然馬車が止まったことに戸惑っていた。


「着いたのかしら?」

「でも外から大きな音がするけど……」


何が起きているかは分からないが脱出のチャンスだ。

ジュリエッタは首飾の宝石(ペンダント)を包み込むと、語りかける。


「ロメオ……私達をここから出して」


しかし、宝石は光らず、ロメオが出てくる気配がない。


「あれ?どうして……」

「何か条件があるのかしら?」

「お願いロメオ!助けて!」


もう一度語りかけても何も起きない。


「そんな……」

「どうしましょう……このままじゃ……」


争いのような音が聞こえなくなるのと同時に、ガチャッとドアが開く。


「おい!無事……」

「来ないで!」


ジュリエッタがダイゴを押し倒し、動きを抑える。


「ちょっ!何するんだよ!」

「お母さん!今の内に逃げて!」

「おい聞けって!俺は吸血鬼ヴァンパイアじゃねぇ!」


それを聞いて、ジュリエッタの動きが止まる。


「えっ……」

「拉致した奴は全員俺が狩った!見ろ!」


見てみると、吸血鬼ヴァンパイアが腐敗していた。


「ご、ごめんなさい……」

「とりあえず離れろ」


ダイゴが起き上がると、二人に説明する。


「とりあえずあんたたちの大黒柱は俺の仲間が保護している。二人も保護するから俺についてきてくれ」

「わかりました。ありがとうございます」

「あ、ありがとうございます……」


二人は頭を下げる。


「さてと……これからどうしようか……」


ダイゴは遠くにある王宮を見つめていた。



ダイゴは二人を連れて、とある一軒家に入る。


「帰ったぞ」

「ダイゴ!勝手に離れないでって何度言ったらわかるの⁉」


可愛らしい女性がダイゴを怒鳴る。


吸血鬼ヴァンパイアが出たんだよ。仕方ないだろ」

「なら一言声をかけてから行きなさいっていつも言ってるでしょ!」

「……善処するよ」


女性が二人をチラッと見る。


「初めまして。私はクルミ・ラナンダラ。ダイゴと同じ吸血鬼狩り(ヴァンパイアハンター)よ。よろしく」

「よろしくお願いします」

「あの……主人は……」

「大丈夫。傷は深いけど命に別状はない」


それを聞いて二人はホッとする。


「で?何か情報は掴んだ?」

「あぁ。ボスはラビルっていう奴らしい」

「ラビル……情報部隊によると確か血誓いの眷属(ブラアリス)の一人……」

「これ俺達二人じゃ厳しいぞ」

「そうね。一度、本部に帰還して戦力を揃えて……」


クルミが二人を見る。


「ごめんなさい。こんな話しちゃって……」

「いえ……それより血誓いの眷属(ブラアリス)って何ですか?」

「それは……」


ジュリエッタの質問にクルミが口ごもっていると、ダイゴが話し始める。


血誓いの眷属(ブラアリス)っていうのは始まりの吸血鬼―――『真祖』直属の配下……吸血鬼ヴァンパイアの中で別次元の強さを持つ」

「ちょっとダイゴ……」

「知りたがってるんだ。別にいいだろ」

「よくない!機密情報なんだから!」


クルミはジュリエッタの方を向くと、優しい口調で話しかける。


「とりあえず明日、本部に戻るので同行してください。全力でお守りしますので」

「わかりました」

「では今日はゆっくり休んでください。二階の部屋を使ってくれて構いませんので」



夜。ラビルは王宮に吸血鬼ヴァンパイアの部下達を招集した。


「ミスミはどこだ」


その質問に答える吸血鬼ヴァンパイアはいない。


「……やられたか」


誰にやられた?順当に考えれば吸血鬼狩り(ヴァンパイアハンター)か?


「よし……総員。ミスミを殺した奴を捜索しろ。店や一軒家の隅々まで。門の警備も強化しろ。殺せた奴にはレンズ王に差し出す予定だった女をくれてやる」


それを聞いて、吸血鬼ヴァンパイア達はゴクリと唾を飲む。


「武器の使用も許可する。疑わしい奴は殺しても構わない。探せ」

「「はっ!!!」」


一方、ジュリエッタは寝室で首飾の宝石(ペンダント)を見つめていた。


(ロメオ……どうして助けてくれなかったんだろう……)


今なら大丈夫かな?そう思い、語りかける。


「ロメオ。聞こえる?」


宝石が輝くと、部屋に魔法陣が出現する。

魔法陣からロメオが現れる。


「呼んだか?」

「ロメオ……!」


ジュリエッタがロメオをギュッと抱きしめる。


「どうして……どうして助けてくれなかったの?」

「……私が助けられるのは夜だけだ。日の明かりが出ているうちは助けられない」

「夜だけ……なんで?」

「そのように封印されているからだ」

「どうして?」

「……お前が知る必要はない。それより離せ」


ジュリエッタはしゅんとしながら、抱きしめるのをやめる。


「私……怖かったんだよ?」

「……すまない」

「でもよかった。ロメオに何かあったのかなって思ったから」

「お前がその首飾の宝石(ペンダント)を持っている限り、私が離れることはない」

「本当?」

「あぁ」


それを聞いて安心する。


「……っていうか私をお前って呼ばないで!私はジュリエッタ!」

「お前の名前なんかどうだっていい」

「なんでよ!」


ジュリエッタがわぁわぁ文句を言っていると、ロメオが窓を見つめる。


「……まずい」


杖から放射した光で窓を破壊すると、外に飛び出す。


「ロメオ⁉」

吸血鬼ヴァンパイアが出た。命の危険があれば私を呼べ」


そう言い残すと、夜空に消えた。

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