表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハピネスブレイク  作者: 鵲三笠
独裁国家編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/10

第5話 クリボリオ王国

明るい空の下を歩いていたジュリエッタたちが、真っ直ぐ歩いていると大きな壁が見えた。


「お父さん!あれ……」

「あぁ……近くに来たな。あれが『クリボリオ王国』の王都だ」


クリボリオ王国……エルダリア王国と友好協定を結んでいて貿易も盛んだ。


「長くはいられないかもしれないが少しの間は安全だろう」

「ごめんねお父さん……お母さん……」

「気にするな!とりあえず向かうぞ!」


入国手続きを終え、ジュリエッタたちはホテルに入る。


「ロビーで待ってなさい。俺が手続きしてくる」

「わかった」


ロイズが受付に向かう。


「すみません。3人で宿泊したいのですが……」

「かしこまりました。お客様は他国出身の方たちですか?」

「えぇ。エルダリアから」


受付の女性が動揺してペンを落とす。


「そ、そうですか……」

「……何か問題でもありましたか?」

「いえ……そういうわけではないのですが……」


女性は少し怯えた表情でロイズを見つめる。


「あの……二人は奥様とお嬢様ですか?」

「えぇ」

「忠告です。王都ここから離れてください」

「離れてって……」


ロイズが詳しく尋ねようとすると、眼鏡をかけた男が受付にやってくる。


「対応遅いぞ」


男に気づくと、女性は慌ててカギを渡す。


「214号室です。ごゆっくりお過ごしください」

「ありがとう……」


ロイズは疑問を感じながら、ジュリエッタとミナを連れて部屋に向かった。


「……何も話してないだろうな?」

「は、はい!」


男がギロッと睨みつけると、女性の震えが止まらなくなる。


「余計なことは喋るなよ。()()()()()()()()()()()()()()()

「……っ!」


そう言い残し、男は受付を離れた。



部屋に着いたジュリエッタはベッドに寝転がりながら、ロイズに尋ねる。


「お父さん。これからどうするの?」

「……」

「お父さん?」

「あ、あぁ……なんだ?」

「大丈夫?さっきから顔悪いよ?」

「朝からずっと歩いたからかな?ハハ……」


ロイズは女性の言葉が頭から離れなかった。


『忠告です。王都ここから離れてください』


ジュリエッタは心配そうにロイズを見つめる。


「お父さん?」

「……とりあえず俺は明日から働けるところを探す。金が貯まったらすぐに王都ここを出るつもりだ」

「なら私も探すわ」

「私も!」

「いや……ここは俺に任せて……」


そう言いかけたが、あの言葉を信じるならこの部屋にいた方が危ないかもしれない。


「……わかった。俺は仕事紹介所ハローワークに行って家族3人で働けるところを探してくる。二人は休んでなさい」


ロイズは支度をして、ドアを開ける。


「閉じまりはしっかりしておいてくれ。頼んだぞ」

「わかったわ」


ロイズは受付に向かうが、さっきの女性の姿はなかった。


(さっきのこと聞きたかったが……明日聞いてみるか……)


疑問を解消できず、モヤモヤを抱えたまま仕事紹介所ハローワークに向かった。


「~~~~~!」


業務員室で女性は口をテープで塞がれ、両手を拘束されていた。


「やはりさっきの男……尋ねるつもりだったな」


男は眼鏡を胸ポケットに直すと、女性を見下ろす。


「さてと……お前の母親と妹は無事に王に献上された」

「!!!」

「これはお前が招いたことだ。折角生かしておいたのにな」


女性は男に向かって泣き叫ぶ。


「今ごろどうなってるかな?王の性処理に使われているか……吸血されているか……」

「~~~~~!」

「……うるさいな」


男は親指を嚙みちぎると、血を弾いて女性の脳を貫いた。

後ろに倒れ、死亡したことを確認すると傷を再生させた。


「この遺体を処理しておいてくれ」


一緒にいたポニーテールの女性に命令する。


「王に献上しないのですか?」

「死んだ人間の血をか?失礼だぞ」

「そうですね……失礼致しましたラビル様」


ラビルが眼鏡をかけると、続けて命令する。


「あと今日宿泊したあの3人……動向を監視しろ」

「連行しないのですか?」

「その気になればいつでも実行できる。特にあの若い女……王が気に入りそうだな」


宿泊手続き(チェックイン)の時に見たジュリエッタの顔を思い浮かべる。


「……ラビル様?」

吸血鬼ヴァンパイアを2体……監視につけろ。ミスミ」

「かしこまりました」


ミスミは遺体を抱えると奥の部屋に消えた。


「さてと……」


ラビルはロイズの情報が書かれた書類を持つ。


(エルダリア王国……レオナールのところか……)


書類を机に戻すと、冷蔵庫のワインを取り出し、コルクを開けた。


「いい代物がやってきた……これは王も喜ぶぞ」


グラスに入ったワインで反射した自分の顔を見てニヤリと笑った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ