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ハピネスブレイク  作者: 鵲三笠
独裁国家編

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10/10

第10話 それぞれの動き

「んっ……」


眩しい光が差し込み、ジュリエッタは目を覚ました。

起き上がると、ベッドの上で眠っていたことに気づく。


(ここはどこだろう……それにどれくらい時間が経ったんだろう……)


周りを見渡すと本棚や机、椅子などが置かれている。誰かの部屋だろうか?


(ロメオ……)


いつも大事に身に付けていた首飾の宝石(ペンダント)がない……

どこにあるのか……ロメオは無事なのか……

心配しているとガチャっとドアが開く。


「目が覚めましたか。大丈夫ですか?」


白衣を着たイケメンが声をかける。


「はい……大丈夫です」

「それはよかった。昨日は大変でしたね。吸血鬼ヴァンパイアの襲撃……」


それを聞いて思い出したのか、男に詰め寄る。


「お父さんとお母さんは⁉」

「大丈夫です。親父さんの方は治療が必要だから病棟にいるけど」

「病棟……」


そう呟いた瞬間、ジュリエッタのお腹からぐ~っと音が鳴った。


「お腹空きましたか?何か持ってきますね」

「すみません……」


ジュリエッタは恥ずかしそうに俯いた。



天候が荒れた土地にレインコートを被った二人の人影が歩いていた。


「まさかこのタイミングで呼び出されるとはね……大丈夫?」

「あぁ。スカルドが捕まえてくれたおかげだよ」


―――ジュリエッタ達を逃がしたあの日の夜。

スカルドはレンズを捕らえて、レオナールのところに蹴り倒す。


「レオナール。こいつの血を飲め」

「な、何を言ってるんだ!この国の王だぞ!」

「へぇ~そうなんだ。で?どう?」

「無視するな!」


レオナールはスカルドの方を見つめる。


「……僕を奴の首元に」

「わかった」

「お、おい……」


スカルドがレオナールの顔を掴み、レンズの首元に近づける。


「や、やめろ……」


レオナールが牙を生やすと、首にかぶりつく。


「やめろぉぉぉぉぉ!」


―――「胴体再生できてよかったね」

「殺してまで吸血したからな」

「おっ。見えてきたよ」


進む道の奥に巨大な館が見える。


「久しぶりだね。ここに来るのは」

「あぁ」


二人は館に向かって再び歩き始めた。



病棟の一室でクルミはお見舞いに来ていたダイゴが持ってきたりんごを食べていた。


「ありがとね。わざわざ」

「あの状況で助かってよかったよ」

「あの人達には申し訳ないことをしてしまったわね」

「今回は仕方ないだろ。状況が状況だったから」

「そうだけど……あの時は私の力不足だったから……」


自分の不甲斐なさが悔しくて、手をギュッとする。


「力不足を感じた奴は強くなるか支えるか……そのどちらかしかねぇよ」


そう言い残し、ダイゴは病室を去った。



同じ頃。ジュリエッタとミナはロイズの病室にやって来ていた。


「お父さん大丈夫?」

「入院してだいぶ体が良くなった気がするよ」

「あなた……三人で話したいことがあるんだけど……」

「なんだ?」

「……これからどうする?」

「……そうだな」


ロイズは水を飲むと、二人の顔を見つめる。


「さっき吸血鬼狩り(ヴァンパイアハンター)の人達が来ていたんだが、この周辺は安全だから住むことをすすめているらしい。仕事も用意すると」

「ここなら……大丈夫なの?」

「あぁ。吸血鬼ヴァンパイアが攻めたことは一度もないらしい」

「じゃあこの街に住むの?」

「そのつもりだが……いいか?」

「私は構わないわ。ジュリエッタは?」

「うん。私も安全に暮らせるなら」

「わかった。今度来たら言っておくよ」


ロイズは窓の景色を見つめながら、呟く。


「……色々あったな」

「そうね」

「……」


本当に色々あった。結婚相手に殺されかけて……引っ越した国もひどくて……

首飾の宝石(ペンダント)をなくして……


(あの首飾の宝石(ペンダント)……ダイゴさん達に言ったら探してもらえるかな?)


一体どこにあるのだろうか?



館に着いたレオナールとスカルドが部屋に入ると、奥に誰かが椅子に座って本を読んでいた。背中だけが見えていて顔がフードで隠れて見えない。


「遅刻だよ。レオナール。スカルド」


変声機で声を変えており、男か女かが分からない。


「申し訳ございません」

「……まぁいい」


本を閉じると、二人の方を向かずにそのまま話す。


「……既に他の血誓いの眷属(ブラアリス)には伝えたが、ある物を探してほしい」

「ある物?」

「持ち主に危機が訪れた時に中心の宝石が輝く加護の装飾……月光首飾の宝石(ルナペンダント)だよ」



体中のあちこちに包帯を巻かれた少女がベッドの上でぐっすりと眠っていた。

コツッ……コツッ……と足音が聞こえる。

足音が少女が眠っている部屋にどんどん大きく響く。

ガチャッとドアが開き、老人が部屋に入る。


「ここにあるのか……この子が持っていた高そうな首飾の宝石(ペンダント)が……」


机の引き出しを開けると、首飾の宝石があった。


「これを売れば今の生活から脱出できる……」


手を伸ばしかけると、首飾の宝石が輝く。


「なっ……!」


部屋に魔法陣が出現し、ロメオが現れる。


「……お前は何者だ」


睨みつけると、杖を老人に向けた。



―――Goodbye. I’ll be waiting for the day we meet again.




[あとがき]

突然ですがこの10話をもちまして、『ハピネスブレイク』を打ち切りとさせていただきます。

読んでいただきありがとうございました。


鵲三笠

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