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46 王都決戦〜伝説の武闘家

ギルドマスター・ゼロス

職業: 武闘家 Lv. 75

HP: 3100 MP: 1080


攻撃力: 670(気功 +420)

防御力: 520(武闘家の鎧 +250、身体強化 +270)

俊敏性: 330(縮地 +150、集中 +80)


スキル:

【乱撃】: 高速の連続攻撃で、敵に一度に4連続ダメージを与える。

気功砲キ・ブラスト】: 体内の気を集中させ、一点に放つことで、強力なエネルギー波を放出する。エネルギー波は直線上にいる敵全てを貫通し、魔法防御を無視してダメージを与える。

天破脚ストライクイーグル】:空中に飛び上がり、高速で回転しながら強力な蹴りを繰り出す。蹴りの一撃で地面を割り、衝撃波を地面に沿って前方に放つ。広範囲攻撃と地形破壊を同時に行えるスキル。

拳撃無双オーバーウェルム】:拳撃に衝撃波を伴せる範囲対集団用の拳闘技で馬上での戦闘にも使える。

鉄壁根塊メタルソウル】: 全身を硬化させ、防御力を大幅に強化する。発動中は被ダメージが半減する。

闘気解放オーラバトル】: 自身の闘気を解放し、攻撃力と防御力を一時的に大幅強化する。発動中はHPが徐々に減少する。

烈震拳スタンクエイク】: ゼロスが地面に拳を叩きつけ、広範囲に震動を引き起こす。震動は地下にまで及び、地下からも敵を攻撃する。敵のバランスを崩し、スタン状態にすることも可能。

真・鉄拳烈風(アイアン・ストーム)】: 闘気を全身に纏い、猛烈なスピードで連続攻撃を繰り出す。連撃の数が増えるたびに威力が上昇し最終的な一撃は巨大な衝撃波を伴う攻撃範囲になる。


ユニークスキル:【発勁衝(ディープインパクト)】: 発動すると敵の装備による防御を無視して貫通ダメージを与える。追加効果として、敵をノックバックすことができる。ゼロスは主に【真・鉄拳烈風(アイアン・ストーム)】のラストショットに用いる。




 ゼロスの猛烈な速度と体術によって繰り出される拳が、不死王カーロンの身体に直撃するたびに、空気が振動し、黒いローブが激しく揺れ、粉塵が舞い上がる。その威力は、まるで丸太かハンマーを高速で振り下ろすかのようで、およそ人間の拳から繰り出される攻撃とは思えない。


「【無垢の界域(イノセントワールド)】だかなんだか知らんが、形あるものが壊せぬはずがない!——【乱撃】」


 勢いを保ったままの連続攻撃。少しずつだが、不死王の身体が確かにダメージを受けている。ゼロスの拳は、まるで岩を砕くような重さと鋭さを持っており、武器では決して傷つけることができない【無垢の界域(イノセントワールド)】を貫通しているのがわかる。


「その名前のとおり『無垢な肉体』の強さでしかお前を傷つけられないならば、鍛えられた拳はさぞ痛かろう!」


 ゼロスは力強く言葉を放ちながら、さらに一撃を加えた。


 カーロンは変わらず不敵な笑みを浮かべたままだが、邪悪な赤い目が一瞬だけ揺らぎ、その身体がわずかに後退する。ゼロスはその瞬間を逃さず、重心を低く構えると、闘気のような光を拳に纏わせた。


「これでも笑っていられるかな……【真・鉄拳烈風(アイアン・ストーム)】!」


 ゼロスが左右の拳を振るい続ける。その動きに合わせて大気が震え、猛々しい風が巻き起こった。高速で重い拳の連撃が風圧と共にカーロンの身体に直撃する。その力は凄まじく、周囲の大地を砕き、近くにいたアンデッド兵士たちをも吹き飛ばすほどの威力を持っていた。


 カーロンの身体が大きく後ろに吹き飛ばされ、その骨の一部が砕け散った。彼の身体は一瞬にして土埃に包まれた。しかし、その顔にはまだ笑みが浮かんでいた。


「【屍の糧(ネクロエッセンス)】」


 カーロンがスキルを発動すると、ゼロスの【真・鉄拳烈風(アイアン・ストーム)】に巻き込まれたアンデッド兵たちが復活せず灰になって崩れ、カーロンの傷が塞がり、体力が回復していく。


「無駄だ。どれほど鍛えた技であろうと、所詮は生者の人間の攻撃。この不死王の前では無力なのだよ」


 カーロンの声が戦場に響き、彼の冷笑が美月とゼロスを包み込んだ。しかし、美月は諦めることなく、カーロンに立ち向かう。


「ゼロス、私が攻撃を引き受けるから、その隙に奴を攻撃し続けて!」


 美月は聖剣を掲げ、カーロンに向かって突撃した。彼女の動きは素早く、その攻撃がカーロンの防御を突破しようと試みた。しかし、カーロンのスキルはそのすべてを無効化し、美月の攻撃は届かなかった。


「愚かな……全て無駄だ!——【復讐の黒炎(ヴェンジャンス)】」


 カーロンの声と共に、これまでカーロンが蓄積したダメージが反射し、漆黒の炎となって美月に襲いかかる。その瞬間、ニコルが周囲に【深淵のファランクス】を展開し美月を守った。


「美月、無敵など存在せぬぞよ。それが世界の理じゃ!あいつとて例外ではないぞよ」


 ニコルの言葉に、美月は再び力を振り絞った。美月が攻撃を引き受ける代わりに、ゼロスがカーロンの周囲を回り込みながら激しく攻撃を続ける。ニコルはその間も、カーロンの攻撃を受け止め続け、美月は攻略法を模索していた。


 しかし、人間である限り体力には限界がある。ゼロスの強力な拳や俊敏な動きにも徐々に翳りが見えてきた。


「ゼロス……」


「お前たちの努力はすべて無駄だ……人間ごときが我が前に抗うことなど、不可能なのだよ!」


 その言葉と共に、カーロンは闇の魔力を纏った手を天にかざした。彼の魔力が渦巻き、周囲のアンデッドの大軍を自分の元へと呼び寄せる。その勢いはまるで悪夢が現実となったかのように、絶望的な力を戦場に広げた。


「このままでは……」


 その時、ニコルが最大範囲で【深淵のファランクス】を円弧状に展開し、周囲から襲いかかってくる膨大な数のアンデッド兵たちを押し留める。


「やはり貴様は、英雄スルバの守護獣だな!その防壁の弱点はわかっておるぞ!——【破滅の暗黒波動エクスティンクションブーム】」


 カーロンが呟くと同時に、黒いオーラが広範囲に広がり、ニコルの【深淵のファランクス】と、それに守られている冒険者たちに襲いかかった。その波動は物理・魔法防御を無視して敵を貫き、HPの10%を即座に奪い、士気を低下させる。防護壁に内側と外側から同時に攻撃が加わり、強烈な衝撃がニコルを襲った。


「ニコル!」


 美月は叫び、肩の上で苦しそうなニコルに手を当てる。ニコルは痛みに顔を歪めながらも、懸命に踏ん張っていた。


「わちきが美月を、おまいたちを守る……まだ戦える……!」


 しかし、カーロンの波動の力とアンデッド兵の猛攻に挟まれた攻撃は凄まじく、ニコルの体力がどんどん消耗していくのがわかる。【深淵のファランクス】の陣形が乱れたところへアンデッドの軍勢が雪崩れ込み、冒険者たちへと攻撃を仕掛けてくる。


 美月は胸に押し寄せる無力感に耐えながら歯を食いしばり、懸命に周囲を見渡した。アンデッドの軍勢は押し寄せる波のように次々と攻撃を仕掛けてきており、【深淵のファランクス】の防御壁は徐々に崩れ始めていた。ニコルの顔は苦痛に歪んでいたが、その瞳にはまだ闘志の光が宿っていた。


 それを見た美月の心に強烈な感情が湧き上がった。彼女の心の声が溢れ出すように、アンデッドたちに向かって叫んだ。


「ニコルから離れろ!近づくな!」


 その言葉がまるで魔法のように、ニコルの耳に届いた瞬間、美月とニコルの精神が同調し、ニコルの体が再び紅いオーラに包まれ【深淵のファランクス】が一層力強く輝き始めた。


 防御壁に鋭い棘が発生し、その棘は迫りくるアンデッドたちに向かって勢いよく飛び出した。


 棘は長く鋭い槍のごとく、アンデッドたちの体を次々と貫いていく。刺されたアンデッドたちは一瞬で動きを止め、その場に崩れ落ちた。まるで怒りの具現化のようなその棘の嵐に、敵軍は一瞬で撃退される。


「援護射撃だ!美月とニコルを守れ!」


 ディオーネの号令と共に、レンジャーたちは一斉に矢を放った。放たれた矢は、まるで雨のように降り注ぎ、アンデッド兵士たちの進軍を一時的に止めた。そこへディオーネの放つ超高速の矢が一撃ごとに戦場を切り裂くようにアンデッドの群れを貫通していく。ディオーネの見事な弓のスキルで、アンデッドたちは次々と貫かれ、美月たちに迫りくる勢いを確実に削いでいった。


 その間に、ニコルは体力を回復し【深淵のファランクス】を再び立て直すことに成功した。再び紅いオーラの堅固な防御壁が形成されていく。


 カーロンがその邪悪な目で美月を睨みつける。しかし、美月はそれに怯むことなく、聖剣を構えた。


「王都の精鋭を揃えたのだろうな。我を相手に怯まぬことは褒めてやろう……では、褒美に絶望というものを教えてやろうではないか」


 カーロンは静かに手を上げると、暗黒のエネルギーがその周囲に渦巻き始めた。そしてその口から低い声が響き渡る。


「愚かな生者どもよ……我が前にひれ伏せ。我こそが死の支配者、不死王カーロンである!」


 その声が戦場に響いた瞬間、さらに数万のアンデッド兵が美月たちの後方、王都の防壁の近くに召喚された。そして一斉に王都の城壁へと攻撃を開始した。


 城壁の上からは弓兵や魔法使いが、壁へと迫り来るアンデッド兵に必死に攻撃を加えていくが、圧倒的な数のアンデッドが土台となって次々と壁をよじ登り城壁を越えようと進み続ける。下からもディオーネたちが弓で次々と射落としてはいるが、いかんせん数が多すぎる。


 倒された自分たちの骸を足場に際限なく登ってくるアンデッド兵の群れに、右だ左だと必死に指揮する上官たちの叫び声が、テーベスの城壁を震わせた。


 大量のアンデッド兵を召喚し、復活させるには術者が魔力を消費する必要がある。しかし、大地から延々と魔力を吸い続けるカーロンには際限がない。つまり、不死王カーロンを倒さない限り、この悪夢は終わらない。


「このままでは……」戦場に再び絶望感が漂う。


 その時、上空に巨大なドラゴンの影が現れた。白龍王フレイと、火龍王ムスターファだ。その背中には拓海とアルティナ、そして金色の鎧を纏った戦士が乗っている。


 絶望的と思われた戦場に、大きな変化が訪れようとしていた——。



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