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哨戒任務(2)

僕の名前は御影 真。

日本自衛軍宇宙作戦群、通信士兼電測員、階級は2等宙士だ。


<SKIP>


この「彩雲改」は──


<SKIP>


操艇区画と居住区画は──


<SKIP>


「よく眠れたのか? 2士」

機関長で砲術長の十三 武先任1等宙曹が声をかけてきた。

「またその話から始めなきゃいけませんか? 十三先任。」

「できるだけ前回と同じシナリオで進めて正確な差異を検証しなければならないのよ。」と本山艇長。

「アイアイ、マァム!! でもまったく同じセリフというのは無理ですよ?」

「構わないわ。」


──前回? シナリオ? セリフ? 何のことだ? 彼らは何を言ってるんだ?──


先任1等宙曹は軍歴17年の叩き上げの下士官で、群では珍しい髭面の寡黙な宙曹だ。

「いいえ! 明日からの休みが待ち遠しくてあまりよく眠れませんでした!」

「おいおい、居眠りしてレーダー画面から目を離すなよぉ? 一瞬見逃すだけで宇宙じゃ命取りだからな!」

今のは航宙士で副操縦士、2年先輩の伊丹 峽3等宙曹だ。

彼もまた群では珍しいロン毛の自称イケメン。やたらめったら女性に声をかけているけど相手にされた試しがない。そのチャラさがダメなんだと僕は思ってるわけで・・・

「どうせ彼女もいないんだし浮かれてもしかたねぇだろ?」

“大きなお世話だ! あんたに言われたかねーよ!” と心の中で返す・・・

「いや、でも、休みは休みなので──」と言いかけたところで艇長が

「3曹、2士、そこまでにしておけ! これから本艇は僚艇<彩雲改0255号>と会合ののち任務を交代し、ペガサスへ向け帰投する! 準備急げ!」

「アイアイ、マァム!!」


午後5時30分。

僚艇<彩雲改0255号>との会合地点に着いた。もうレーダーかIRSTシステム(赤外線捜索追尾システム)に映ってるはずだが── やっぱり見当たらない・・・

「2士、0255の反応は無いか? 無線で呼びかけてみろ!」と艇長。

「狭域探査レーダー及びIRSTに感なし。」

──彩雲改0255号、こちら彩雲改0318号。応答願う。

まあ返答は無いよな。救難信号も無い。僕は敵を捉えるため緊急時以外使ってはいけない高出力の広域探査レーダーに切り替え──

“切り替えて大丈夫か? この操作で前回敵を発見してそれから── まあ、いいや”

するとまたしても広域レーダーの範囲ギリギリに点がひとつ。

「艇長、広域探査レーダー範囲ギリギリに感あり! 識別はイエロー! ボギーです!!」

“ボギー・・・ IFFに反応しない所属不明機だから目視で確認しないといけない。”

「これより本艇は戦闘態勢に入り目視のため接近する。2士、月司令部にボギーとの遭遇を報告。それからボギーに呼びかけを開始しろ!」

「アイアイ、マァム!!」

僕はボギーに無線で呼びかけたが案の定反応が無い。そして、

「艇長、ボギーがこちらへ向かって来ます!! 速度は時速約300,000km!! こちらの3倍です!!」

「5分でぶつかるぞ!!」伊丹3曹が叫んだ。

「艇長、進路変更を進言します!」十三先任も叫ぶ。

「進路変更する! 全員耐衝撃態勢!!」

「うぉおおおお・・・」スラスターによる急激な進路変更の強烈なGで声がもれる・・・

「2士──!! ボギーの進路は?」と艇長。ボギーは・・・

「ボギーも進路変更!! なおもこちらに向かってきます!!」

「先任! レーザー砲戦用意!!」

「艇長! 広域探査レーダー使用でレーザー砲チャージに5分を要します!!」

「何だと? 間に合わん!!」

“やっぱりか、このままじゃ・・・”

「艇長、ボギーから高熱源反応!!」僕は叫んだ。

「ボギー、レーザー発し・・・」

その瞬間、またしても僕は光と爆音ののち暗闇に包まれた。


──やっぱり? そして何故彼らは敵の存在を知ってるんだ?──

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