異譚11 謎解きゲーム
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詩、餡子、真昼とうさぎの四人は絶叫系のアトラクションでは無く、少し異色なアトラクションを楽しんでいた。
「こっちの数字ありました!」
「こっちもあったわ! せーので行きましょう!」
「「せーの!」」
二人が同時に数字が上に書かれたボタンを押す。
そうすれば、ステージクリアの文字がディスプレイに映し出される。
四人が挑戦しているのは、謎解き型のアトラクション。
今は、三人がはいはいをしながら上部に数字の書かれたボタンを押している。
ディスプレイに表示された二つの数字。その数字の書かれたボタンを同時に押す。もしくは、全て押すだけ。
ただ、ある一定の高さまで身体を上げてしまうとセンサーに引っ掛かって減点となり、ゲームクリアまでの所要時間が減る。
詩、餡子、真昼、の三人がアトラクションに参加しており、うさぎはその様子を楽しそうに見ている。
最初のアトラクションをクリアしたさんにんはいぇ~いとハイタッチをする。
「やりました~!」
「……赤ちゃんの、気持ちになりゃ、余裕……」
「慣れない体勢で首を攣ったけど、なんとかなったわね!」
きゃっきゃっと楽しそうにファーストステージのクリアを喜ぶ少女達。
この謎解き型アトラクションは、複数の謎解きをクリアしてファイナルステージを目指すものとなっている。
ファーストステージは二つの謎解きをクリアする。各ゲーム最高百ポイント獲得でき、ファーストステージは二つのゲームを突破する必要があるのだけれど、二つのゲームで合計百ポイント獲得すればファーストステージはクリアという事になる。
だが、三人は最初のゲームで百ポイントを獲得したので、この時点でファーストステージはクリアという事になるのだけれど、アトラクションの都合上次のゲームも行う必要がある。
「あ、次のゲームの指示が出たみたいね」
「では向かいましょう!」
「……私の頭脳が、火を噴くぜ……」
「ふふふっ、皆楽しそうやねぇ」
画面に次のゲームへ向かうように指示が出ていたので、四人は次のゲームへと向かう。
次のゲームはパズルゲーム。正方形が幾つかくっ付いて様々な形を形成しているパズルのピースが複数あり、そのピースを穴埋めするように枠の中にはめていくというゲームだ。
枠の中には既に埋まっている部分があり、空いている部分に様々な形をしたピースを埋めていく必要がある。制限時間が決まっており、制限時間内にパズルのピースを埋められなければゲームオーバーだ。
なお、四人は先程のゲームで既に百ポイントを取っているので、此処でゲームオーバーになっても次のステージには進む事が出来る。
だが、やるからには全力だ。
「これそっちじゃない!?」
「こっちはそっちです!」
「……そっちどっち……?」
「こっちそっち!!」
「そっちそっちです!!」
「……どっちそっち……?」
わちゃわちゃきゃーきゃーと楽しそうにパズルをはめていく三人を、うさぎは後ろから眺める。
このゲームであればうさぎも参加出来るだろうけれど、うさぎは皆が楽しんでいるのを眺めている方が好きだ。勿論、別のアトラクションであればうさぎも一緒に楽しむ。ジェットコースターだとか、コーヒーカップだとか、皆で乗れるアトラクションはうさぎも楽しみである。
うさぎには妹が三人、弟が一人居る。うさぎは長女で、いつも四人の面倒を見ていた。家で四人がゲームをしているのを、うさぎはソファに座って眺めるのが好きだった。別段家族思いだというつもりは無いのだけれど、四人が楽しそうに遊んでいるのを見るのが好きだったのだ。
ゲームは自分でするよりも他の三人がしているのを見ている方が楽しい。こうして一歩引いたところで三人がわちゃわちゃしているのを見るのが、うさぎ流の楽しみ方でもあったりする。
「っしゃぁクリア~! いぇ~い!!」
「やりました~!!」
「……ふっ、余裕のよっちゃん、よ……」
パズルゲームをクリアした三人は嬉しそうにハイタッチをする。
「これでファーストステージクリアですね!!」
「楽勝だったわね!」
「……あ、次の案内、出た……」
「ほな、次のとこ行こかぁ」
次のステージの案内が出て、四人はそちらへ向かう。
「ねぇ、やっぱせりりんもゲームしない?」
「うん~? ええよぉ、うちは。まーぴー達が楽しんでるとこ見んの楽しいし~」
「せりりんはそれで良いかもしれないけど……」
うさぎの言葉にむすっと不満そうな顔をする真昼。
「……あたし、せりりんとも遊びたい」
照れたように、おねだりするように、真昼はうさぎに言う。
真昼はチームの最年少。チーム内では妹的ポジションである。そして、うさぎはチームの最年長。下に妹弟がいる事もあり、チームを見守るお姉さん的なポジション。
つまり、二人の相性はある意味では抜群なのだ。
甘えるようなうさぎの仕草にきゅ~んっとしてしまううさぎ。
「んふふ~。そやねぇ。ほな、次はうちも混ざろかぁ」
真昼の頭をよしよしと撫でるうさぎ。
「ちょっと、止めてよっ。……もう」
止めてと言いながらも満更でも無い様子の真昼。
「……んふふ、こっちも、負けないぞ……」
二人の様子を見ていた詩は、うねうねと触手を思わせるような指使いで餡子の頭をなでなでする。
「にゅふ~」
頭を撫でられ、嬉しそうに声を漏らす餡子。
他のグループとは違ったふんわりとした雰囲気を醸し出しながら、四人は謎解きゲームに挑戦する。
惜しくもセカンドステージでゲームオーバーになってしまったけれど、四人は楽しそうに笑顔でアトラクションを後にした。
ゲーム内容はあんまり喋るもんでもないので、セカンドステージ以降は書きませんでした。




