4 逆ハー……無理がありませんか?
なんとなく……男性向きと呼ばれるものへのツッコミが多いですね、今まで書いてきたものは。
まあ私自身が女で、男性向きに書かれた作品を、実感持って理解出来ないからついつい、考察が多くなるのでしょうが。
じゃあ女性向きと呼ばれる作品について、すべて『わかるわかる』と思えるかと言えば、そんなことはありません。
この辺は個人の好みも大きいでしょうし、男性向け作品を読むすべての男性が『わかるわかる』と思えないのと同じだろうと思います。
私が個人的に、BL以上に『無理がありそうだなー』と思ってイマイチ作品世界にノれない概念が、『逆ハー』。
つまり、ヒロイン一人に多くの男性(それぞれ違うタイプのイケメンで、特権階級で、スパダリ)が傅くお話です。
私が読んだ限りでは、ヒロインの女性(大抵、現実世界では平凡な女子大生やOLさん設定)が極端に女性の少ない異世界へ転移し、特権階級の男性(複数)と出会って、あれよあれよという間に彼らの妻になってしまう……というタイプのお話が多い印象です。
なにせ女性の絶対数が少ないので、妊娠可能な若い女性というだけで、男たちは目の色を変えて迫ってきます。
人類存亡の危機でもありますから(笑)、女性の囲い込みに必死、という社会情勢でもあるようです。
いえその、たくさんのいい男がひたすら自分を愛して大事にしてくれる、という状況、ヒロインに感情移入しながら読むと気分がいいのは確かです。
恋愛してイチャイチャ、だけなら、こういう状況もいいでしょう。
でもナー、生殖としては効率がナー。
ミツバチの女王様ならともかく(笑)、一人の人間の女性が産める子供の数って、頑張っても多分、一生に10~15人が限度だと思うんですよね。
それにぶっちゃけ、妊娠したからといって必ずしも無事に産めるとは限りませんしネ。
第一、産んですぐ妊娠、産んですぐ妊娠……って、はっきり言ってメチャ大変です。
多産系といいますか、妊娠中比較的健やかに過ごせる女性であったとしても、毎年のように妊娠はキツイでしょう。
愛する旦那様たちの子とはいえ、悪阻に苦しみ、大きなおなかを抱えて足腰を痛め、『鼻からりんごを出す』思いで出産し(魔法等で無痛分娩が可能な世界観であったとしても、そんなの大事の前の小事ですww)……というのを毎年連続で行うなど、どう言い繕ってもキツイです。
そもそも、育児をしてくれる使用人がいくらいても夫たちが献身的に尽くしてくれたとしても、妊娠して出産するのはヒロインひとり。
更年期前に、疲れ切ってぽっくり逝きそう(笑)。
この辺は、自分が妊娠出産を経験したからついつい、そう思ってしまうのでしょうが。
未経験であっても妊娠出産が大変なことくらい、思春期なりたての女の子でも察しているものです。
それに。
この手の異世界転移の先は、ナーロッパ風異世界であることが多いので、特権階級の男は高位貴族だったり王族だったりするのですけど。
逆ハーの世界観で、こういうのどうなっているのでしょう?
高貴な血筋の保持……つまり、確実に○○家(公爵家とか侯爵家)の跡取りたる子が生まれるとは言えませんよね?
王家なんかもっとそう。
確実に王の子とはいえないですよね?逆ハーの妻から生まれた子。
(まあ、王様の場合は特別待遇として、極上の娘を王妃として迎えることが可能でしょうが)
そりゃあまあ、一年毎に一人の夫が妻を独占して子作りに励めば、かなり確実にその夫の子を身籠りますけど。
抜け駆けする奴がいないとも限らない(笑)し、妊娠というのは人間の思惑通りになりません。
ヒロインがすべての夫の子を平等に産みたいと思っても、妊娠に関して相性のいい夫・悪い夫がいる可能性、濃厚です。
その場合、同じ夫の子ばかり妊娠することに。
夫たちが頭では『生まれた子は誰の子であっても、俺たちみんなの子』と思っていても、『何故アイツの子ばかり産まれるのだ?』と、もやもやするに決まっています。
まあ、そんなことまで大抵の作品では(必要ないので)描かれないでしょうけど。
思っただけでストレスが溜まりそうな状況ですね~。
いやいや、だからこれはファンタジーなんだってば(笑)。
女性が極端に少ない→女性がいないのだから、つまり夫たちに浮気の心配がほぼない(BL的な浮気や遊び場はあるでしょうが)→その夫たち(当然ハイスペック)は、必然的に妻たる自分だけを愛してくれる
ここだけ見るとパラダイスですし、この手のお話も夫たちとのいちゃいちゃラブラブの描写が連続した後、『そして私たちは幸せに暮しましたとさ』でオシマイ、となっていそうです。
でも、ひねくれ者の私は
「逆ハー……これはある意味、絶望的な地獄だ」
と思ってしまい、心から楽しめません(笑)。
私が『難儀な女』なだけなのですけど。




