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ポテトチップス

作者: 蝶屋 綺羅

リンロン、リンローン。

「いらっしゃいませ。」

コンビニの入店音が鳴ると同時に、店員のお姉さんの軽やかな挨拶が店内に響く。


今日は新年パーティ。

お菓子を食べたり、ジュースを飲んだり、カードゲームで遊んだり、雑談したりする。

皆はこの日を心待ちにしていたので、なんだかんだ言って今日は皆テンションが高い。


「今日は何買う?」

と、零奈ちゃん。

皆がいっせいに零奈ちゃんの質問に答えた。

「私アレがいいな、あの、昨日入荷したチーズケーキ。」

と由美は目を輝かせながら答える。

「ウチはカップラーメン!」

と雪乃は元気よく答える。

「ゆき、お菓子買うのにカップラーメンってww」

お菓子を買うはずが、カップラーメンを買おうとするゆきを見て、思わず吹いてしまった。

「なんか悪い?」

ゆきがギロッとこちらに目を向けた。

ちょっと言い過ぎたかな。

「ごめん、ごめん。」

ちょっと笑いながら軽く謝る。

「夏子ちゃんは何買いたい?」

零奈ちゃんが声を弾ませながら私に質問をする。

「じゃあ、私はじゃがっこかな。」

私は、お菓子の中ではじゃがっこが好き。

要するに、じゃがいものお菓子みたいなもの。

特に期間限定の焼き明太子味が、1番。

カリッと食感が良くて、特に焼き明太子味は、明太子の味が程よく出てて、美味しいの。

「夏子ちゃん、ついでにポテチも買っておいて。」

由美ちゃんの請求にOKし、お菓子売り場のスナック菓子コーナーに行った。


「お、新商品出てる。」

へぇ、梅味かぁ…

私はじゃがっこの梅味がどんな味か気になり、商品をカゴに入れた。

「ん?」

ポテチを買おうとして、ポテチが売ってある棚に移動したが、一つ気になる商品が目に入った。


淡雪     〜濃いソース味〜


初めて見る商品で気になるのでそれもカゴに入れた。



「ねね、何買ったか見せ合おうよ!」

とゆき。

パーティの準備がととのったゆきの部屋の机を囲んでそれぞれのお菓子を見せ合った。

チーズケーキやカップラーメン、チョコレート菓子。それに私が買ったじゃがっこが机の上に並んだ。

ついでにポテチも出しておいた。

「あ、なっちゃんポテチも買ってくれたんだ。ありがとう。」

どういたしまして。

「ん?」

由美が呟く。

どうしたんだろ。

「どうしたの」

私が聞くと由美はこう答えた。

「いや、このポテチ、淡雪って商品名なのに濃いソース味ってなんかおかしくない?

淡いのか濃いのか、どっちなんだろ。って思って…」

そう言われてみればそうだ。

「確かに…」

思わず3人とも口を揃えてしまう。

「淡いのか濃いのか分かんないよね。」

と、零奈ちゃん。

「なんか気になる…早く食べよ‼︎」

と涎を垂らしたゆき。なんだか犬みたい。

私は皆をまとめるようにして言った。

「じゃ、パーティを始めよっか。」

その瞬間、開封されたポテトチップスの袋に皆が一斉に飛びついた。

もちろん私も。

「せーの!」

皆で同時に食べ、そして皆でこう言った。

「うーん、淡いのか濃いのか分からない味…」

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