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何でこの電話に出ちゃったんだろう。当時はそう思ったな。
「突然ですが、翔稀と別れてくれませんか。」
呼び出されたのは、彼の事務所の社長だった。
突然のことに、頭が真っ白になった。
「、、、どういう、事ですか。」
「あなた、未成年ですよね。21歳の成人を迎えた翔稀が、未成年と付き合ってると問題が起きる可能性があります。」
「ちゃんと気をつけます、、、ですから、、、」
「この間も、他の事務所の売り出し中の子が、未成年との飲酒で芸能界を干されました。翔稀は本気でこの世界で頑張りたいって言っている。危険な芽は無くしておきたい。」
「それは、私と翔稀が決める事です。」
「、、、翔稀は、あなたとの交際をどうするか迷ってると言いました。情があって別れられない、けど別れたい、とも。」
その言葉は、私にとって衝撃の一言だった。
昨日、初めて翔稀と一晩を過ごした。
出会って1年半、付き合って1年とちょっと。私たちは初めて結ばれた。昨日はわたしの17歳の誕生日だった。
翔稀が、そんな事言うわけない、自信を持ってそう言えなかった。
だって私は、つまらない人間だから。
テレビで見る彼は、見たこともない笑顔で、いつもそこにいる女優さんやタレントさんが羨ましかった。
私にもこんなふうに笑いかけてほしい。
でも彼は、私もいるとそんな笑顔は見せてくれない。笑ってくれる。けど、テレビの中ほど笑わない。




