第四十五章 愛美、いじめっ子を撃退する
パソコントラブルで遅くなりましたが、なんとか間に合いました。
ある日愛美が、「学校でいじめっ子の中村啓太君が皆をいじめているので皆で注意したけれども、いっこうにやめないのよ。男の子が止めようとしても、“俺の親父はやくざだぞ。あとでお前の家に親父がおしかけるぞ。先生にチクッても同じだぞ。“と脅迫するのよ。どうしたらいいの?」と広美に相談した。
広美は、「そうね。注意しても無駄だったら先生に相談しなさい。」と助言した。
愛美が、「チクッたら、やくざがくるかもしれないのよ。」と怯えていた。
広美は、「やくざがくるならくればいいでしょう。」と気にしてない様子でした。
隆が、「母さんは、京都府警捜査一課の主任刑事で、世間から鬼軍曹と恐れられている。やくざがきても大丈夫だ。」と助言した。
愛美は、「それもそうね。」と納得して、翌日先生に相談する事にした。
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愛美が先生に相談して、啓太が先生から注意されていた。
その後啓太は、「誰だ!先生にチクッたのは!お前か!」と、いじめが更に酷くなった。
愛美が、「私よ。何か文句ある?」と啓太を睨んだ。
啓太は、「高木!お前か。今晩、親父が挨拶にいくから覚悟しとけよ!」と怒っていた。
愛美は、「ええ、母さんと待っているわね。」と平気でした。
啓太は脅しが通用しなかった為に、机を叩いて、愛美を睨んで帰った。
同級生が、「愛美ちゃん、大丈夫なの?警察に通報したほうがいいわよ。」と愛美を心配していた。
愛美は、「大丈夫よ。」と簡単に返事して、母の事は、特に説明しなかった。
啓太は帰宅後、親父に愛美の事を相談した。
親父は、ガキの母親だとまだ若そうだな。ちょっと遊ばせてもらおうか。と啓太と愛美のマンションに押し掛けた。
愛美が、「母ちゃん、やくざが来たわよ。」と広美に助けを求めた。
広美は、「脅しじゃなかったのね。」と玄関に向かい、「あら、竜神会の中村さん、何か用ですか?まさか、子どもの喧嘩に親が口出しするような、みっともない真似はしないわよね。」と中村を睨んだ。
中村は、愛美の母親に驚いて、「これはこれは姉さん、勿論そんな事はしませんよ。おい、啓太、帰るぞ。」と啓太を連れ帰った。
翌日啓太が、「高木!お前の母さんは何者だ!やくざの親父が、お前の母さんの事を姉さんと呼んで、お前達には手を出すなと、怖がっていたぞ。どこかの大物やくざの情婦か娘か!」と愛美に迫った。
愛美は、「そんな怖い顔すると、やくざの親父に怒られるわよ。私に手出しするなと忠告されたのでしょう?」と啓太には何も教えなかった。
啓太は、「覚えていろよ。」と机を叩いて不機嫌そうにその場から立ち去った。
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愛美の同級生達は、「やくざも手を出せない高木さんのお母さんて、どんな人なの?」と少し怖がっている様子でした。
愛美は、「母さんは、京都府警捜査一課の主任刑事よ。殺人事件を担当している母は、凶悪な殺人犯と何度もピストルで撃ち合いしているわよ。母さんが一声かければ京都の警察官は全員動くわよ。啓太の親父の兄貴分を逮捕したのは私の母ちゃんよ。」と説明した。
同級生達は、「ピストルで撃ち合いだなんてドラマでの話だと思っていたけれども実際にあるのね。刑事ドラマの主役みたいでカッコいいな。今度紹介してよ。」と安心した様子でした。
それ以降、啓太がいじめをしていると、「高木さんのお母さんに言うわよ。」と同級生達はいじめを止めていた。
愛美の母親の事を知った啓太は、「親父、あの愛美のガキ、なんとかならないか?母親は銃で撃ち合いしていただなんて脅しだろう。」と愛美をなんとかしようとしていた。
親父は腕をめくり、「脅しじゃない。本当に発砲するぞ。それも威嚇射撃じゃない。これは高木主任に撃たれた傷跡だ。俺の兄貴分も、高木主任に逮捕された。その娘に手出しすれば、ただでは済まないぞ。」と脅しではないと説明した。
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腹の虫がおさまらない啓太は、事情を知らない他のクラスの不良仲間に、「うちのクラスの高木愛美は生意気なのでリンチしようぜ。」と呼び掛けた。
不良仲間数人で愛美を取り囲んでいると、巡回中の後藤刑事が気付いて、「何しているの!」と駆け寄ってきた。
愛美は、「正子おばさん、助けて。」と後藤刑事の後ろに隠れた。
啓太は、「お前のおばさんか?一緒にいてまえ!」と後藤刑事に襲いかかった。
足を蹴っ飛ばされた後藤刑事は、「痛!最近の子どもはませているわね。」と全員倒して少年課に連絡して全員補導された。
署に戻った後藤刑事から報告を受けた広美は中村に電話して、「私の娘を襲うとはいい度胸しているわね。娘を人質にして何かをしようとしているのね。何をしようとしているの?」と脅しておいた。
竜神会の中村は、「誤解ですよ。息子が勝手にやった事で俺達には関係ない。」と説明した。
広美は、「政治家みたいな答えに私が納得すると思うの?隠すのだったら、こちらで調べるわ。」と私達の目が光っているので余計な事をしないように忠告した。
啓太達は少年課の刑事から、「今回は充分反省しているようなので大目にみますが、次回はそうはいきません。少年院も視野に入れて検討します。」と迎えにきた親が厳重注意されて、啓太達は親と帰宅した。
帰宅後啓太は親父から、「あの娘には手出しするなと言っただろうが!おかげで鬼軍曹に睨まれて、今後仕事がやりにくいだろうが!仲間からも散々文句言われたじゃないか!」と数発頭を殴られた。
その後啓太は、「今度あの娘に手を出したら、半殺しにするぞ!」と脅されて、しばらく学校では大人しくしていた。
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同級生達はいじめを解決したとして、不良に絡まれたなどの相談を愛美にしていた。
ある日、愛美が下校していると、同級生が数名の不良高校生に絡まれていた。
「高木さん、助けて!」と助けを求めると、愛美は母に電話して助けを求めた。
不良高校生達はその電話を聞いて、「何が母ちゃんだ。お前の母親もいてまうぞ。」と愛美に襲いかかって来た。
広美は丁度近くを巡回していたので、愛美が絡まれている場所に向かった。
愛美のもとへ到着した広美は、「あなた方、高校生のくせに小学生を襲って何しているの?」と声を掛けた。
不良高校生達は、「子供の喧嘩に親が口出しするな!」と広美に襲いかかって来た。
広美が、「高校生が小学生を襲って何が子どもの喧嘩よ。」と全員倒して署に連絡して全員連行した。
不良高校生達は手錠で固定されて、広美が無線で、捜査一課の高木と連絡しているのを聞いて、このガキの母親は刑事だったのか。無線で連絡したのは、この車は覆面パトカーかと諦めた。
不良高校生達は警察署で、「お前ら、よりによって京都府警の鬼軍曹に喧嘩売ったらしいな。主任が手加減してくれてよかったな。主任が本気だせば、お前ら数か所骨折していたぞ。」と襲う相手を考えろと指摘された。
不良高校生達は学校に通達されて、しばらく停学処分になった。
翌日、学校で同級生達は、「昨日、高校生らしき人に襲われて、近くにいた愛美ちゃんに助けを求めると、愛美ちゃんのお母さんが偶然近くにいて助けに来てくれました。その時、車の中を覗くと、パトカーの屋根で赤い光をだすのがあったわよ。あれきっと覆面パトカーだよ。」などと噂していた。
それ以来、何かもめごとがあれば、同級生達は愛美に相談していた。
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そんなある日、愛美が同級生の家に遊びに行くと、隣の頑固親父が、「お宅の猫が庭に入ってきて花瓶割った!どうしてくれる!」と苦情を訴えてきた。
母親が、「うちの猫は、今日は外に出ていませんよ。」と反論した。
頑固親父が、「認めないのか!俺の知り合いに警察官がいるのだぞ!」と強気でした。
友達が愛美を連れてきて、「この子の母親は、京都府警捜査一課の刑事よ。」と睨んだ。
それを聞いて、頑固親父も、「そ、捜査一課?」と大人しくなり諦めて帰った。
その夜、夕食を食べながら愛美は今日の話をして、「知り合いに警察官がいるとかいないとか関係あるの?」と不思議そうでした。
広美は、「関係ないわ。でも、そう思っていない人もいるようなので、私が警察官である事は人に知られないようにしているのよ。」と説明した。
愛美は、「そうか。水戸黄門の世直し旅のように秘密にして、必要な時に印篭じゃなかった警察手帳を出すのね。私と隆一兄さんは助さんと格さんね。」と納得していた。
隆一が、「そんないいものか。悪人と戦うのはいつも母さんで、僕達は役立たずの助さんと格さんじゃないか。そういうのだったら、次回は愛美の柔道の腕前を見せてもらうよ。」と笑っていた。
次回投稿予定日は、12月1日を予定しています。