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愛して、私の生き人形(マイドール)  作者: せんのあすむ
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通信販売

璃音りおんが来て四日目。麗亜れいあの方も璃音との<二人暮らし>に慣れてきていた。自分が仕事中に一人きりにしていることを申し訳なく感じていたけれど、やはり人間の子供に一人で留守番をさせているのとは違うということが実感できてきた。


ただその代わり、家にいる時には璃音と並んでネットゲームに興じた。


とは言え、人形である璃音と違って食事も摂らないといけないし風呂にも入らないといけない。


「ごめんね~」


と、食事や風呂やトイレで中断するたびに、麗亜はそう言って詫びた。


「ほんっと、人間て不便よね」


そう言って辛辣な言葉を投げかける璃音だったものの、麗亜がゲームを中断している間は自分もゲームを退室して、他のページを覗いたりしていた。


すると、風呂から上がってやはり全裸になった麗亜が璃音の見ていたページを覗きこんだ。それは、人形用の服を扱うショップのページだった。可愛らしい感じのワンピースが表示されてた。


「それが欲しいの?」


不意に話し掛けられて、璃音が慌てる。


「べ、別にそういう訳じゃないわよ!。ただ見てただけよ!!」


そう言いながらページを閉じて、またゲームを始める。


そんな様子に、麗亜はふっと柔らかい笑顔を受かべていた。




麗亜が璃音がいることに慣れてきたように、璃音の方も麗亜の普段の様子に慣れてはきたようだった。基本、風呂の後は全裸で過ごすという様子に。


『あんたさあ、人間だったらもうちょっとそういうの気にしたりしない?』


と問い掛けてもみたが、


『他の誰も見てないし自分の部屋だからいいでしょ』


と取り付く島もない。


『私が見てるっての!』


と言ってみても、


『あなたが勝手に転がり込んできただけだからな~』


とはぐらかされてしまう。


なので、相手にするだけ無駄だと諦めてしまったというのもあった。


そんな感じで更に三日が経った土曜日。なぜかその日はいつもと違って麗亜が部屋着を着ていた。その上で二人してやはりゲームをしていたところに「ピンポーン」とインターホンが鳴らされた。


「あ、取りに行きます」


そう言いながら麗亜が部屋を出ていって、数分で戻ってきた時、その手には段ボール箱が抱えられていた。宅配で荷物が届いたのだ。


興味なさげにゲームの画面を見ている璃音の横で、麗亜が箱を開けて、


「あ、可愛い~!」


と声を上げた。思わず視線を向けると、そこには麗亜が手にしていた小さなワンピースがあった。


「…あ!」


と璃音も声を上げてしまう。それは、彼女が先日見ていた人形用のワンピースであった。



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