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1話:月光を喰らう鋼

これは私が高校生のころに実際に夢で見た内容となっております。

ところどころ書き直しはしていますがなにぶん荒削りですので体裁などが少しおかしい個所もございます。


できる限り抑えますがある程度の流血、グロなどがございますので閲覧には十分にお気をつけてください。

夢を見た。その夢はとても恐ろしくそして現実味を帯びていていた…。


 その世界では昔、日本は二つの国に分離していた。

片方は現代科学が発展した近未来の国、そしてもう一つは…







小さな電球が灯る一室、そこにワタシは一人でいた。

目の前にはやりかけの折り紙などが無造作に散らばっておりもう何時間もワタシがそこにいたことを物語っているようだった。

この部屋にどうやって入ったのか、いつからこの部屋にいるのか、そんなことは分からなかったがふとワタシは急に外の様子が気になった。

ゆっくりとした動作で立ち上がり、私は目の前にある扉をゆっくり押し開き外へ足を進める。

ざわざわざわ、胸騒ぎのする胸を押さえつつ廊下へと足を踏み入れる。

廊下へと出れば目の前には闇が広がっていた。ワタシは足元を確かめるようにゆっくりと歩を進めた。


 どのくらい歩いたのだろうか、果てしないのではないかとさえ思わせる長い廊下を進んでいれば突然“ガタンッ”と大きめの音が聞こえた。

音の正体が気になったワタシは音のする方へ足早に歩を進めた。

少し歩くと不自然なほどに月明かりが差し込んでいる一角が見えた。

そこには男性…だろうか、二人ほどの人物が存在しワタシはとっさに物陰に身を隠し様子をうかがった。

片方は髪に少し癖のついた男で片手に鋼のようなものを持っているのが見えた。

鋼は月明かりを受けてか妖しい輝きを放っていた。

もう片方の人物は床に倒れこんでおり、その周りには水たまりのようなものができていた。


呆然と倒れている人物を見つめていれば鋼を持った男はワタシの気配に気が付いたのかカチャリ、と鋼を動かしワタシの隠れている方へと視線を向けた。

『まだ生き残りがいたのか』ぽつり、と小さく空間にかき消されるのではないかというほどの小さな音で男がそう呟いた。


(殺される!)

ワタシの頭にそんな言葉が浮かぶ。それからワタシの行動は早かった、震える体に無理矢理に力を入れ逃れるように来た道を走り出す。

走っている途中に先ほどまでは気づかなかったが階段を見つけ、一階また一階と

助けを求めるかのように下って行った。


 階段を下っているうちにワタシはようやく異変に気が付く。

ここまで下りてくるのに人一人にも合わず、気配さえ感じられなかった。

(まさか…)

ふと思い下るスピードを緩めちらり、と前の方に視線を向ければ非常用なのか鉄の扉が見えた。

ワタシはそこに身を滑り込ませ内側から鍵をしめ一息をつく。

「はぁ、はぁ…」

荒い息をどうにか正しながら扉に身を寄せる。

すると反対側からカツ、カツ…と足音が聞こえた。

あいつだ。背筋が凍るのを感じた。身体がガタガタと震える。

ワタシは自分の体を抱きしめ震えを押さえようとした。

それからしばらく経ったのだろうか、聞こえていた足音が離れるのを確認してから床にへたり込んだ。

とりあえず現状を整理して逃げないければ…捕まったら殺される、その恐怖で体が再び震え始めた。

「…大丈夫」

自分自身に語りかける、大丈夫だまだ大丈夫。

それにしても何故ここには私たち以外に人がいない、あの倒れていた人物はどうなったのか、あいつは何者なのか…たくさんの言葉が頭の中をグルグルと回る。

これだけうろうろしていれば一人くらいに会ってもよさそうなのに、とそこまで考えたところでくらり、と視界が歪んだ。

やばい、そう思った時には遅くワタシは意識を飛ばした。






「…ぇ、--ちゃん?」

はっとし、声のする方を見れば友人が不思議そうに私を見つめていた。

「あ…何」

いけない、と思い返せば友人は困ったように笑い私の背中を叩いた。

「もう、急にぼーっとするんだもんびっくりしちゃった。」

また何か考え事?

その友人の言葉に私は自分の頭を片手で抑えた。

考え事。私は今まで何を考えていたのだろうか…?


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