疑惑
声が衝撃の発言をした瞬間、部屋の中はシーンとなった。
そして、少ししてから、俺の頭に、ヤバイ、という感情が走った。
「……どういうことですの?」
まずはやはり、京極の、言葉からして既に俺を責めるオーラがにじみ出ている声が聞こえてきた。
「……北村君? まさか、アナタが私達をこうしてここに集めたということですの? そうなんですの?」
「ち、違う! そ、そんなわけないだろ!」
もちろん、スピーカーがそういった時点で俺は否定する純準備ができていた。
大体、どうして先ほどまで部屋で寝ていた人間が、こうして女の子を一つの場所に、しかも四人も集めることができるのか。そんなことできるはずもない。
「でも! 今確かにスピーカーからそういう旨の言葉が出ましたわよ?」
「で、出鱈目に決まっているだろ! そんなの!」
「だが、スピーカーの声の主は、君のことを知っているようだな。北村君」
黄色い声の京極とは違い、至極落ち着いた声で二階堂が俺にそういう。
見れば、二階堂もその凛とした瞳を、疑わしそうに俺に向けている。
「そ、そんな……」
俺は困ったように目を反らす。
しかし、芽衣も同じように心配そうな瞳で俺を見ている。
……いや、心配しているんじゃない。
俺が犯人じゃないか、と疑っている目だ。
「ち、違う! そんな……お、俺はやっていない!」
「そうね。やっていないことは確かね」
と、俺は驚いて振り返った。
見れば、有栖川だけがいつもの狡猾そうな瞳で俺を見ていた。
「まだスピーカー、続きがあるみたいよ」
と、有栖川の言うとおり、スピーカーからはまだ音が続いていた。
『えー……ですから、皆さんはこれから7日間、北村君のためのゲームに付き合ってください。7日間経てば、ゲームは終了です』
7日間……
ちょうど一週間か。
つまり……一週間ここにいろっていうのか? 意味がわからない。
なんのために? ゲームってなんだ?
そもそも、なんでこのスピーカーの主は俺のことを知って……
『3日目になったら、また連絡します。それまでゲームを楽しんでくださいね。それでは~』
最後まで軽い調子でスピーカーはブチッと音を立てた。
どうやら、全ての放送が終わったようだった。