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ハーレム・ゲーム  作者: 松戸京
1日目
7/82

疑惑

 声が衝撃の発言をした瞬間、部屋の中はシーンとなった。


 そして、少ししてから、俺の頭に、ヤバイ、という感情が走った。


「……どういうことですの?」


 まずはやはり、京極の、言葉からして既に俺を責めるオーラがにじみ出ている声が聞こえてきた。


「……北村君? まさか、アナタが私達をこうしてここに集めたということですの? そうなんですの?」


「ち、違う! そ、そんなわけないだろ!」


 もちろん、スピーカーがそういった時点で俺は否定する純準備ができていた。


 大体、どうして先ほどまで部屋で寝ていた人間が、こうして女の子を一つの場所に、しかも四人も集めることができるのか。そんなことできるはずもない。


「でも! 今確かにスピーカーからそういう旨の言葉が出ましたわよ?」


「で、出鱈目に決まっているだろ! そんなの!」


「だが、スピーカーの声の主は、君のことを知っているようだな。北村君」


 黄色い声の京極とは違い、至極落ち着いた声で二階堂が俺にそういう。


 見れば、二階堂もその凛とした瞳を、疑わしそうに俺に向けている。


「そ、そんな……」


 俺は困ったように目を反らす。


 しかし、芽衣も同じように心配そうな瞳で俺を見ている。


 ……いや、心配しているんじゃない。


 俺が犯人じゃないか、と疑っている目だ。


「ち、違う! そんな……お、俺はやっていない!」


「そうね。やっていないことは確かね」


 と、俺は驚いて振り返った。


 見れば、有栖川だけがいつもの狡猾そうな瞳で俺を見ていた。


「まだスピーカー、続きがあるみたいよ」


 と、有栖川の言うとおり、スピーカーからはまだ音が続いていた。


『えー……ですから、皆さんはこれから7日間、北村君のためのゲームに付き合ってください。7日間経てば、ゲームは終了です』


 7日間……


 ちょうど一週間か。


 つまり……一週間ここにいろっていうのか? 意味がわからない。


 なんのために? ゲームってなんだ? 


 そもそも、なんでこのスピーカーの主は俺のことを知って……


『3日目になったら、また連絡します。それまでゲームを楽しんでくださいね。それでは~』


 最後まで軽い調子でスピーカーはブチッと音を立てた。


 どうやら、全ての放送が終わったようだった。

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