表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハーレム・ゲーム  作者: 松戸京
5日目
54/82

犯人の不都合

 俺は、その有栖川の言葉を聞いても納得いかなかった。


 京極が犯人であるに決まっている。


 俺が今まで苦労してきたのは、コイツのせいだ。


 そんな性悪女のことだ。二階堂を殺したのだってコイツに決まっている。


 そうでなければならないのだ。


「北村君? それとも、京極さんが犯人じゃないと、不都合でもあるのかしら?」


「……は?」


 有栖川は俺のことを鋭く睨みつけてきた。


 その視線はまるで鋭い刃物のようだった。


「仮に京極さんが犯人である可能性をゼロとした場合、アナタと折原さん、どちらかが犯人という可能性が高くなってくるからよ」


「なっ……お前……自分だって、犯人かもしれないって言っていたじゃないか」


 俺がそう指摘しても、有栖川は動揺することなく、長い髪を指先で弄くってから、俺のことを見た。


「ええ、もちろん、わかっているわ。でも、誰かを疑うときには、自分が犯人ではないということも仮定しているでしょ?」


「そ、それは、そうだが……」


 俺が言いよどむと、場は静まり返ってしまった。


 ちらと、芽衣のほうに視線を向ける。


 困り顔で俺を見ている。


 芽衣にはどうすることもできないだろう。かといって、俺にだって……


「……ま、ここで誰が犯人だって断定することはできないわ。まだゲームは終わっていないわけだし」


 と、有栖川が唐突に口を開いた。


「とりあえず、明日、何も起きないことを祈りましょう」


 そういってそのまま勝手に一人で大部屋を出て行ったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ