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ハーレム・ゲーム  作者: 松戸京
3日目
37/82

自業自得

「……おい、京極」


「な、なんですの?」


「ここ、お前の屋敷なんだよな?」


 俺がそう訊ねると、京極は静かに頷いた。


「……そうですわ。京極家の別荘の一つですわ」


「だよな? それなのに、どうしてこの家から、俺達はおろか、お前まで出ることが出来ないんだ?」


 俺が訊ねると京極は俺から顔を反らした。


 どうやら言いにくい事情があるらしい。


「京極」


 俺はもう一度京極の名前を呼ぶ。


 京極は苦々しげな顔で俺を見た。


「……8日目までは迎えに来るなと、言ってしまったからですわ」


「はぁ? なんじゃそりゃ」


「だ、だから……ワタクシ達の邪魔をしないように8日目までは誰であってもこの屋敷に近付くなと、家の者には申しておきましたの……だから、この屋敷から、例えワタクシであっても8日目……つまり、5日後の朝までは出ることができませんわ」


 恥ずかしそうな顔で京極は俺を見る。


 なるほど。この状況は京極自身の自業自得の結果、というわけか。


「……それで、なんでこんなことをしたんだ?」


「……で、ですから、それは犯人に騙されて……」


「だから、どうしてこんな大がかりな馬鹿みたいなことやったんだ、って聞いているんだよ。俺をイジメたいってのはわかるよ。だけど、いくらなんでもやりすぎだろ」


 俺がそういうと京極は悔しそうに下唇をかんだ。


 そして、いきなり立ちあがる。


「あ、アナタなんかに何がわかるんですの!?」


 それだけ言うと、京極もそのまま扉を乱暴に開け、大部屋を出て行ってしまったのだった。

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