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ハーレム・ゲーム  作者: 松戸京
3日目
32/82

可能性の整理

「さて……じゃあ、今一度整理するわよ」


 大部屋にて俺達はようやく落ち着きを取り戻した。


 俺と有栖川は立ったままで、芽衣と京極がソファに座り、今一度状況を確認することにした。


「さっき、二階堂さんは彼女の寝室に運んでおいたわ。さすがにここで死んだままにしておくのは可愛そうだから」


 二階堂の死体は、俺が運んでおいた。


 その重さは余り感じなかった。


 なんというか……やはり死んでしまっているからだろうか。


 とにかく俺は、二階堂が死んだということを改めてそれで実感させられてしまった。


「で、さっきの話に戻るけど……どういうこと?」


 そういって有栖川は鋭い目つきで芽衣を見た。


「この家……というか、屋敷に私達が集められたのは、折原さんの仕業なの?」


「そんな……わ、私、そんなことしてないよ!」


 芽衣は必死にそう否定する。


 しかし、京極は怪訝そうな顔で芽衣を見ている。


「まったく……往生際が悪いですわ。こんなことすぐにバレるに決まっていることですわよ。それなのに……」


「京極さん。そもそもどうして、アナタは折原さんがこんなことをした、って言っているのかしら?」


「もちろん、それは、折原さん自身からそういう話を持ちかけられたからですわ」


 京極がそう言うと俺達は黙ってしまった。


 芽衣が、もちかけた?


「へぇ。それは意外ね。折原さんと京極さんが学校で話しているところなんて見たこともないけど」


「ええ、もちろん、ワタクシも折原さんなんかとは一度も学校でそんな話をしていませんわ。電話があったんですの。ワタクシにこんなゲームをやらないか、っていう」


「電話? 芽衣、お前……」


 思わず俺は芽衣の方を見てしまう。


「ち、違うよ! コウちゃん! 信じてよ! 私そんな電話してない!」


 芽衣は目にうっすらと涙さえ貯めながらそう言った。


「ちょっと待って」


 と、そこで有栖川が口を開いた。


「何ですの? 有栖川さん」


「京極さん。アナタ、折原さんと直接話してこういうことをしようとしたわけじゃないのね」


「え……ええ。そうですわ。折原さんがしたいっていうから、じゃあ協力するってことに……」


「なるほど。じゃあ、電話の先で喋っていたのが折原さんだって、確実に言えるわけじゃないわけね」

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