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予想外
『ごめんなさーい! 皆びっくりしてるよね?』
「あ……当たり前ですわ! 一体どういうつもりなんですの!?」
『えっとね……そう。北村幸一君! きちんと選択肢してくれたみたいだね』
スピーカーの声は異様に元気良くそう言った。
「……ああ。確かに一度俺は二階堂を殺そうとしていた」
「なっ……なんですって? どういうことですの!? 北村君!」
「だまりなさい、京極さん!」
と、有栖川が一喝すると、京極は驚いて黙ってしまった。
「まだ、放送の続きがあるでしょ」
「放送って言ったってこんな……いい加減にしなさい! 折原さん!」
と、京極がいきなりそう言ったので俺は目を丸くした。
それはもちろん、意味がわからなかったからだ。
「ちょ……なんで芽衣に怒鳴るんだよ」
俺は戸惑いながらも京極にそう言う。
すると京極は不機嫌そうに鼻を鳴らして俺を見た。
「アナタ、幼馴染のこと、知らないんですわね。いいこと? このワタクシのこの屋敷でこんな下らないまねをしようと提案してきたのは、そこにいるアナタの幼馴染折原芽衣さんなのですわよ!」
そういって京極は芽衣を指差した。




