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魔女ぷりっ!?  作者: usa
6/30

6jewelry


可憐は目を覚ました。


しかし、すぐに閉じてしまった。


今日はなんだか、変な夢を見ていた。


朝は遅刻しそうになって、近道を通っていたら、いきなり変な女の子に会うし、いきなり学校まで瞬間移動しちゃうし、おまけに学校にまで女の子が現れて、理香子と体が入れ換わって、挙句の果てに「私は魔女なの」だよ?


ありえないし。


可憐は笑って、寝返りを打った。


「むにゃっ?」


…ん?


今、変な声が聞こえなかった?


可憐は恐る恐る、目を開いた。


その途端、悲鳴をあげた。


「あ、あ、あ、あんた…」

「…むにゅ?」


可憐は周りを見た。


間違いなく、可憐の部屋だ。


可憐は枕を握ると…隣で眠っていたマリンに向かって振りおろした。


しかし、マリンにあたる寸前、見えない壁が枕を押し戻した。


「きゃっ?」


可憐は驚いて枕から手を離した。


「びっくりした?」


マリンは起き上がると、伸びをした。


「た、狸寝入り…」

「失礼ね!可憐が起きる前はちゃーんと眠ってたよ」


それもなんだかおかしいような気もするが、可憐はとにかくマリンと距離を取った。


「…何してるの?」

「わ、私は怪しい人間と親しくしようと思うほど、馬鹿じゃないのよ!」


マリンは悲しそうな目をした。


「そりゃマリンは、魔女だけど…」

「そうやっていってる時点で、あんたは十分に怪しいんだってば!」


可憐が怒鳴ると、マリンは目を丸くした。


「マリン、別に怪しくないもん」

「信用できない」

「…じゃ、証拠を見せよっか?」

「何の?」


可憐が聞き返すと、マリンはにんまりした。


ワンピースのポケットから、何やら取り出した。


水色の小さな石は、部屋に差し込む光でキラキラ輝いていた。


「これ、さっきと同じ…」


可憐は目を近づけた。


「アクアマリン。マリンの守護石」

「守護石…?」


マリンは石を軽くころがした。


「マリンはね、魔界のお姫様なの。そんで、昔からの習わしで、次期王位継承者は、一五歳になったら人間の世界にいって、ある試練を成功させなきゃいけないわけ」


可憐はごくっと唾を呑んだ。


「その試練っていうのが、人間界で初めて会った人間の願いを、七つ叶えろっていうものなの。それも、この石を使ってね」

「どうやって?」

「それは…」


マリンは腕を組んだ。


「…よくわかんない」


可憐はガクッとした。


「それじゃ、今までどうしてたの…?」

「普通に魔法を使う時は、守護石なんて使わないもん。ただ杖を振ればいいだけ。例えば…」


マリンは懐から細長い棒を取り出した。


そしてそれを、宙に向かってくるくるとまわした。


すると、渦の中心から何かが出てきた。


可憐はポカンと口を開けてしまった。


やがてポンと落ちてきたのは、水色のワンピースだ。


それも、マリンのような派手なものではなく、至って普通の、落ち着いたものだ。


「よかった。人間界でこれだと、なんか目立つみたいでさ。さ、着替えよ」

「え?ちょっと…」


可憐は慌ててうしろを向こうとしたが、そんな必要もなかった。


マリンはさっと杖を振り、魔女の服から水色のワンピースへと着替えた。


「うん、意外と似合う!さっすがマリン」


マリンは満足げに鏡の前でターンした。


「どう?これでもまだマリンがおかしいっていえる?」


鏡越しに、マリンは可憐に笑いかけた。


可憐は驚きのあまり、声が出ない。


マリンもわかったのか、振り返ると、手を差し出してきた。


「とりあえず、これからよろしくね、可憐」

「よ…よろしく…」


可憐は戸惑いつつ、マリンの手を握った。


そしてここから、人間と魔女の共同生活が始まったのだった。



久しぶりの更新♪


最近リアルなマリン像が頭に浮かぶww

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