3jewelry
どうしてもやっぱり納得がいかない!
可憐は腕組みをして考えた。
突然降ってきた(?)アクアマリンと名乗る少女。
真っ白な光。
それから数秒後には、すでに学校の中…。
「う~…む」
「何?考え事?頭でも打った?」
唸る可憐の顔をひょいと覗き込むのは、クラスメイトで可憐の親友の理香子。
「あんたが何か考えてるとか珍しいじゃん」
「うるさいな。私だって思考を働かせる時ぐらいあります!」
可憐は拗ねたようにいった。
理香子はけらけらと笑った。
可憐は時に、理香子が羨ましくなる。
常に明るくてはきはきした理香子は、女子だけでなく、男子からも相当な人気だ。
いつもクラスの中心にいて、しっかり者で、心優しい。
それだけじゃなく、容姿だってずば抜けている。
サラサラで少し茶色っぽい髪はサイドで束ねられている。
目も大きいし、鼻は高いし、唇とかピンク色で…。
正直、親友をコンプレックスに思ったこともある。
ルックス、性格、成績、スポーツ、なんでも完璧な理香子。
反対に可憐は?
名前は可愛らしく、これはじまんだ。
しかし他は?と聞かれると、可憐には何も答えられない。
小学校の頃にいわれたいいところといえば、「優しい」だけだった。
裏を返せば、他に何も褒めるところがないのだ。
うぅ、がっくりしてきた…。
「どうした?可憐」
「な…何でもない」
急に落ち込みだした可憐を、理香子は心配そうに見つめた。
「何かあったの?」
「ううん…。何もないよ」
「ほんとに?」
理香子の目が疑り深そうに光る。
「ほんとだってば」
可憐はそういうと、机から教科書を取り出した。
俯きつつ、ため息が漏れる。
その瞬間、机の中に入っていた教科書やノートがばらばらと落ちてきた。
「あっ」
「ヤバッ。大丈夫?」
可憐より先に、理香子が反応して拾ってくれた。
「あ、ありがと…」
どうして親友なのに、こんなに辛いんだろう。
私も一度でいいから、理香子みたいになりたいよ…。
『その願い、叶えてあげよっか?』
「…ほぇ?」