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魔女ぷりっ!?  作者: usa
19/30

19jewelry


「ヤバい、もう一時過ぎたっ!」


可憐は腕時計を見ると、最終チェックをしてから、家を飛び出した。


マリンがつくってくれたワンピースは、やはり最高だった。


可憐にぴったりのサイズだし、よそ行きにも普段着にも見える。


これなら魔法も悪くないよね。


鼻歌を唄いながら、可憐は悠也から受け取った地図を確認しようとした。


しかし…。


可憐はさあっと青ざめた。


「ない…!?」


家に忘れてきたのかな。


でも戻ってる暇ないし…。


可憐は一人おろおろしながら、バッグをごそごそと漁った。


やはりない。


間違いなかった。


通学用のリュックに入れっぱなしだ…!


「あーもうっ!私のバカバカバカっ!」


自分で自分の頭をぽかぽか殴りつけた。


けれども、そんなことをしていたら、余計に時間がかかる。


可憐ははっとして時計を確認した。


一時二五分。


約束の時間は二時。


「どうしよう…」


その時、頭上から…確かに頭上から、声が聞こえてきた。


「かれーんっ!」

「うわっ!?」


どしん!


「あいたたたたた…」


マリンはお尻をおさえて立ち上がった。


「また失敗しちゃったぁ。可憐って、よくマリンの下にいるよね」

「あんたが私の上に乗っかってくるの!」


可憐は訂正すると、両手を腰にあてた。


「で、何?やっぱりついてくる気じゃ…」

「違うってば。無事に可憐が南君の家まで辿り着けるかどうかを見守ってただけ。そしたらこんなとこで立ち止まってるから、なんかあったんだろーなぁって思っておりてきたの!」


可憐はぐっと唇を噛んだ。


道がわからないなんて、あまり口に出したくない。


「ねー?何があったの?」

「…紙を忘れてきちゃったの」

「紙?なんの?」

「だから…南君からもらった、あの地図…」


渋々答えると、マリンは「なーんだ」といった。


「そんなことか。だったらマリンが魔法で連れてってあげるってば」

「で、でも、どこらへんかわかんないし…。そうだ!箒に乗せてよ。今乗ってたじゃん」


マリンは困ったように眉を寄せた。


「マリンの箒、定員は一名なんだよね。それに魔力に反応して動く仕組みになってるから、人間は乗れない」

「そ、そう…」


可憐ははあっとため息をついた。


一時四〇分…。


「せっかくだけど、間に合いそうにないし…。今回は諦めるよ。協力してくれたのに悪いけど」


マリンは顔をあげた。


「ダ、ダメだよ!次はいつかわかんないのに」

「そうだけど…」


しばらくの間、マリンは考えるように視線を宙にさまよわせた。


そして、指をパチンと鳴らした。


「そっか!マリンてば、何でこんな事に気付かなかったんだろ!」

「え?」


マリンは右手に、水色の宝石を乗せていた。


「場所もわからないのに、魔法使えるの!?」

「もちろん。いい方を間違えなければね!」


そういうと、マリンはにんまりした。


「可憐。頭の中で、南君の家のことを考えて」

「へっ?な、なんで?」

「早く!」


可憐は慌てて目を閉じると、悠也の家を想い浮かべた。


たずねたこともないから、適当だったが。


けれども、すでにマリンは呪文を唱えはじめていた。


「五つ目の願い。この者が思い浮かべている場所へ連れてゆけ!」


閉じている目の奥で、アクアマリンが強烈な光を放つのを感じた。


その直後、体がふわりとふくような感覚がして、可憐は目を開けた。


そこは、可憐にも見覚えのある、隣町の小さな住宅街の中だった。


すぐ前には、古いアパートがある。


可憐は慌てて周りを見渡した。


マリンがいない。


それに先ほどまで可憐がいた場所とは、結構はなれている。


魔法が成功したんだろうか。


でも、本当にここであってるのかな…?


可憐が不安に思っていると、向かいのアパートから、誰か人が出てきた。


「…野原?」

「あ…」


悠也は地面にぺたんと座りこむ可憐を、不思議そうに見た。


「何してんの?」

「な、何でもないっ!気にしないで」


可憐はぶんぶん首を振った。


悠也はそれを見て吹き出した。


そして可憐に手を伸ばすと、いった。


「いこう。母さんが楽しみにしてるんだ」

「う、うん…」


可憐は戸惑いつつ、その手を掴んで立ちあがった。


そのまま二人は、アパートに向かって歩きだした。



一か月ぶりの更新!


このところは別の連載に力を入れすぎてました(^_^;)


そっちは完結したので、これからはこっちも少しずつ更新していきたいです!

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