1jewelry
prrrrrrrrrrr
「ん~…」
静かな朝に響き渡る、最も苦手な音楽。
布団からもぞもぞと腕だけを出し、その音をバンと止めた。
そのまま再び、眠りの世界へ…。
しかし、幸せな二度寝タイムは長くは続かなかった。
「可憐!さっさと起きなさいっ」
お母さんの怒鳴り声と共に、可憐はパチッと目を覚ました。
それから、恐る恐る自分がとめた目覚まし時計を見た。
七時…三六分!?
「きゃあぁぁ!遅刻っ」
慌ててベッドから這い出ると、顔を洗いはじめた。
「全く、いつもいつもこうなんだから!」
お母さんはプリプリしながら、可憐の朝食を並べている。
お父さんは知らん顔して新聞を読んでいる。
可憐は猛スピードで制服に着替えると、トーストを頬張った。
ものの四口でそれを完食すると、慌てて牛乳で飲み込もうとした。
だが、今日の牛乳はホットミルク。
一気に飲もうとして、熱さにむせた。
「あつっ!ゲホゲホッ」
「馬鹿ね。落ち着いて食べないからよ」
お母さんが冷静にいうと、自分も仕事の支度をするために部屋に戻っていった。
お父さんは時計を眺め、「時間だ」といって家を出た。
可憐は一人あたふたしながら、髪をとかし、前髪にお気に入りのピンをとめた。
最後に鏡の前で服装チェック。
一度にこっと笑ったあと、「いってきまーす!」といって家を飛び出した。
「ひぃ~ヤバいヤバい!」
誕生日にもらった腕時計は、既に八時を指していた。
こうなったら近道だ!
可憐は時々利用する、あまり人のいない細い裏道を通ることにした。
暗いことをのぞけば、ここは最高の近道なのだ。
普段は学校まで歩いて三〇分。
しかし、この道を通れば二〇分で着く。
可憐は少し余裕を持って歩き出した。
それから一〇分も経過した頃。
学校まで残り半分。
この道のおかげで、ずいぶん時間にゆとりができた。
可憐は立ち止って、携帯を取り出した。
こんな静かすぎる道を一人で通るのはやっぱりさびしい。
音楽でも聞こうと思ったのだ。
イヤホンを取り出そうと背中のリュックに手をかけた、その矢先。
「きゃあぁぁぁっ」
可憐は思わずびくりとした。
誰もいないはずの場所から、悲鳴が聞こえてきたのだから。
だが、すぐに聞こえるわけがないと思いなおし、頭を振った。
ところが、また聞こえてきた。
「キャーっ!どいてぇ!」
なんだかさっきよりも近いような…。
それに今確か、どいて…って。
嫌な予感がして、そっと頭上を見上げた。
「いやあぁぁぁっ!!」
「うわっ!?」
空から女の子が降ってくる!?
オリジナルの連載は二度目です。
ああ、なんだか駄文の予感…(汗)
でもでも!次回もよろしくです♪