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H)練習


 昂一が入部してから10日ほどが経過した。

いつものように部活の練習を熟している昂一。


『アイツ、本当に何者なんだろう?』

昂一の練習風景を見てこれまでにない実力の差を感じていた。


大輔

『だから翔太が連れてきたクラスメート。でも、あの身のこなしとか見ているとやる気なくなるよな〜……。』


『実は翔太より、上手いとか。』

と、大輔と紘が笑いながら話していると。


翔太

『何、しょうもない冗談言ってるのかな〜?』

二人が座って話をしている後ろから腕を回して話しかける。


大輔

『よう。翔太……。』

いつもの雰囲気と違う翔太に少しビビる大輔。


翔太

『昂一は確かに上手いけど、俺も負けてないから。』

かなり、ヤキモチを焼いている翔太。


『はいはい。お前も上手いよ。』

この話題を早く終わらせたい紘。

その訳は野球の話しで翔太より上手いと言うと翔太の機嫌が悪くなるので、本人の前では絶対にしたくない。


翔太

『紘クン、今、めんどくさいとか思ってるでしょう?』

睨みつけて言う。


大輔

『翔太。その辺にしとけ。さぁ、練習練習。』

紘の手を引いてそのままキャッチボールを始めた。





 しばらく各々で練習をしていた。

そして、徹が集合をかけた。

徹の周りに全員がかけよる。


慎太郎

『集合かけるなんて珍しいですね。』

ニヤニヤしながら言う。


純平

『大切な練習時間に集合かけるんだから、練習試合でもするとか寝言でも言うんですか?』

笑いながら言う。

そして、2年生部員は一緒になって笑う。

今まで人数が足りず、練習試合ができていないからだ。


『そうだよ。その寝言を言うんだよ。』

その言葉に笑っていた部員達の表情がキョトンとする。

昨年の夏の大会で試合をしたのを最後に、まともな試合を練習試合ですらしていないからだ。


悠一

『で、どこがこんな弱小チームと試合をしてくれるんだ?』


広南(こうなん)。』

広南とは、広島県広島市安佐南区にある私立広南高校。

前年、夏の甲子園大会出場、今年の春の甲子園大会出場の強豪校だ。


『コウ、ナン??』

名前を一度聞いただけでは理解できていない。


慎太郎

『キャプテン、まさか……広島の……。』

顔つきが変わる。


『広島の甲子園出場常連校だ。』


大輔

『……冗談だよな?』

半笑いしなが聞く。


『いや、本当だ。』


『なんで、そんな学校がウチと試合してくれるんですか?』

ようやくどこの高校か把握した紘が言う。


『実は1、2年生中心の控え選手なら承諾してくれたらしい。』


悠一

『らしいって……。』


『監督が電話番号を間違えて電話したんだよ。』


翔太

『試合ができるならどこでもいいじゃん。』


『あ〜、まぁ、来週の金曜日の晩に出発して、土曜の朝に広島に着くように行くから、早めに準備はしとけよ。以上。』


『広島でするんですか?』


『詳しい事は明後日にプリントにして渡すから楽しみにしとけ。』

と、部室へと歩いて行った。



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