表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/13

D)翔太の勧誘2


 翌日の昼休み。


翔太

『佐藤クン。』

昂一のところに翔太が行き、話しかける。

ちなみに場所は屋上。


昂一

『何?』

翔太の目をチラッと見て答える。


翔太

『お願いがあるんだけど……。』


昂一

『断る。』

即答で答える。


翔太

『そんなこと言わずに野球部に入ってくんない。』

両手を合わせてお願いをする。


昂一

『他をあたってくれ。オレみたいなヤツを数合わせにするのはやめた方がいい。』

そして、昂一は仰向けに寝転んだ。


翔太

『数合わせなんかで誘ってないよ。即戦力としてオファーしてるんだから。』

真剣に話す翔太。


昂一

『なら、なおさら他の人に頼みな。』


翔太

『オレはここに予言する。今年の夏、キミは夏の大会に1番バッターとして、出場する。』

大声で言ったので、数人しかいない回りの人達の的となった。

昂一は恥ずかしくなり、起き上がって建物の中に入って行った。

翔太もその後を追うように入って行った。





 放課後。

昂一は翔太に捕まるのがイヤで、すぐに学校からでた。

昼休み以降の休み時間全部に、近くに寄ってきては野球部に入ってくれといわれ続けたからだ。

内心、さっさと帰らなければ家にまで押しかけてくるのではないかと思ったからだ。

そして、家に無事に着いた。


翔太

『ここに住んでんだ。俺ん家から割りと近いね。』

突然の翔太の声に驚く。


昂一

『何しにきた。』

若干、イラっとしている昂一。


翔太

『ん~、遊びに。』

昂一と翔太の間にはかなりの温度差がある。


昂一

『帰れ。』


翔太

『冷たいな~。せっかくクラスメートが遊びにきたのに………。』


昂一

『悪いな。純粋に遊びに来ならともかく、不純な動機が分かるから遊べないな。』

翔太の勧誘が目に見えているので必死に断る。


翔太

『なら、なおさら帰れないな。』

強気にでる。


昂一

『オレは野球はしない。』


翔太

『全日本ジュニア選抜の人間が目の前にいるのに諦めろと……。』

翔太が真剣な目をして言った一言に昂一は驚いた。


昂一

『とりあえず、家に入れ。お前の声、うるさいから近所迷惑になる。』

他の人に知られたくないので翔太を家に入れた。





 昂一の家の中


翔太

『結構、キレイにしてるじゃん。』

家の中を見渡し言う。


昂一

『絶対に部屋のモノに触るなよ。』

人に自分のものを触られたくない昂一。


翔太

『分かってるよ。ん。』

テレビの横に置いてあるモノに目が行く。

そこにあったのは野球のサインボールだった。


翔太

『テレビの横にあるサインボール誰の?』


昂一

『秋山幸二だよ。』

秋山幸二とは、現福岡ソフトバンクホークスの監督で、西武時代は西武黄金時代を支え、ダイエー時代はダイエーの初優勝・初日本一を支えた、メジャーに一番近い男と言われていた選手。

この物語りの年代設定では引退の二年後。まだ、監督をしていない。


翔太

『へー。なに、秋山選手好きなの?』


昂一

『尊敬している選手だよ。』


翔太

『て、ことはホークスファン?』


昂一

『今、その話し、どうでもいいだろう。なんで、オレのこと知ってんの?』

さっさと帰ってもらうため、必要以上の話しをしたくない昂一。


翔太

『ん〜、試合を生で観たからかな。』


昂一

『試合って、アメリカまで来たのか?』


翔太

『そう。実はオレも一応最終候補まで残ってたんだっけど、落ちちゃって、それで、悔しかったからどんなヤツがオレの代わりにショート守ってるのか見たくてアメリカまで観戦に行っただけ。』


昂一

『ショートねぇ……。』

意味深な一言。

この二人は紙一重のところで出会っていなかったようだ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ