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魔女戦記  作者: 好きな言葉はタナボタ
第4章

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第29話 こうして... ②

会議が一段落した午後3時。 皆でチーズケーキに舌鼓を打っているとき、ディアマンテ女王国から使者が来た。 ハズキはナンド連合の諸将を貴賓室に残し、1人で使者に接見した。


        ✩˖°⌖.꙳✩˖°⌖.꙳✩


接見を終えた貴賓室に戻ってきたハズキに、一同を代表してクルチアが尋ねる。


「フジワラノ殿、使者の用件は何でした?」


「ダナウェイ女王国の攻略に協力せよとの仰せでした。 ディアマンテは既にダナウェイの死を知っておりました」


怒りの声が貴賓室に渦巻く。


「またもやディアマンテに利用されるっての!?」「くそッ、ディアマンテめ!」


シドウ・サヤカが勇ましい意見を口にする。


「断るにしかず! それで(いくさ)になっても我が陣営にはマキハタヤ殿がいる。 ディアマンテに互角の戦いを挑める。 よもや反対すまいよねイナギリ殿?」


魔女武将の多くは、気持ちが高揚すると武士の口調が混じる。


クルチアは武士口調にならないタイプだ。


「しないわ。 今こそディアマンテの桎梏しっこくを逃れる時。 ディアマンテの要求など()ね付けてやりましょう。 戦になるなら、それもやむなし」


ディアマンテ女王国はセガワ王国を併呑し3州を領有。 ソ連合は1州だけ。 この局面でディアマンテ女王国の言いなりになると、国力差は絶望的となる。 それにこれまでとは話が違う。 ソ連合にはあのマキハタヤ・マリカがいるのだ。


知勇兼備の勇将イナギリ・クルチアが賛成に回ったことで、貴賓室が戦意に染まる。


「開戦だ!」「今こそ積年の恨みを晴らすとき!」「やってやりましょう!」


ソ連合の実質的な領袖りょうしゅうガブリエラ・ハニーゴールドも、白い頬を上気させている。 静かに燃えている。 かつて "猛虎" と恐れられた血を騒がせている。


        ✩˖°⌖.꙳✩˖°⌖.꙳✩


騒然となった貴賓室でハズキは声を張り上げ、懸命に皆を落ち着かせる。


「待ってください! 戦う必要はないのです!」


どういうこと? 困惑の表情を浮かべる一同に、ハズキは説明する。


「ディアマンテ女王国の使者殿は約束してくれました。 今回のいくさで手に入れた領土の半分を我らソ連合に分けてくれると」


ナタリー・ディアマンテの誠意と真意を疑う声が、諸将の口から漏れる。


「なぜ今さら?」「とても怪しい」「あの女狐めは何かを企んでいるのでは?」


ハズキは微笑みながら説明する。


「ディアマンテはマキハタヤ殿を恐れたのでしょう。 使者殿はテツナンドがマキハタヤ殿と傭兵契約を結んだことも既に知っておりました」


こうして、単独侵攻は取りやめディアマンテ王国と共同でダナウェイ女王国に攻め込むことになった。 ハズキにとっては嬉しい限りだった。 ディアマンテ女王国に奪われた親友ハルカゼ・ド・レミーと戦わずに済むから。

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