出口
迷走するように出口を探している
頭の奥の深みにはまってもうどこにも行かれない
瞑想するように出口を思い続けている
あなたから見た私はやすらかな顔のまま
子どものころ非常口が好きだった
悪さをする気分でドアをあければ
しずかな肺が殺風景な音を立てはじめ
心と体がひしと寄り添いたかめあう
縁起が悪いぐらいが気持ちよかった
今 健康的なプランは心に狂わされている
ソトヅラのいい悩みを飼い慣らすのは難しく
学校に行けばますます知恵がつき
このいらだちは私を切らないと証明できない
断面はアリの巣のように圧倒的なのだろう
昼間ときどき裏切る覚悟でねむってみる
隣人を自分を少し失望させた夢の中
ずっと遠くで非常口マークを思い出す
お札になった言葉に息を止められる
本当のヒントは歯といっしょに飲んでしまった
迷走するように出口を探している
布団の裏地は知っていた 出口は真後ろにあると
迷うかぎり道は生まれ 私はとことん進み
後ろを振り返ることをまだ知らない