第6章:伝説のマフィン家族との再会
物語のロケーション解説
1. 星の学舎
~雲海の上に浮かぶ、知恵と魔法の学院~
特徴
•雲の上に浮かぶ、星々の知識を学ぶ学院。
•夜になると、学院の屋根が透き通り、満天の星が見える。
•星のエネルギー によって浮かび、大地とは魔法の橋でつながっている。
主な場所
大図書館(知恵の書が眠る場所)
•学院の中央 にある巨大な図書館。
•本の文字がふわふわと宙に浮かび、読む人によって形が変わる魔法がかけられている。
•「知恵の大書」 という特別な本には、学院の歴史と未知の魔法が記されている。
星の泉(学院の中央にある神秘の水)
•未来を映し出す魔法の泉。
•触れると、その人が「知るべきこと」が水面に映し出されるという。
•ただし、「今はまだ知るべきでないこと」は曇って見えない。
夜空の展望台(Sayoとヒポリウスの語らいの場所)
•学院の最上部にある、星々を見渡せる場所。
•Sayoとヒポリウスが語り合う、お気に入りのスポット。
•「星はすべてを知っているが、語るのはほんの少しだけ。」
◆ 光の中から現れた、小さな家族
Sayoとヒポリウスが「想い」を込めて焼いたマフィン。
古びたオーブンの中から、やさしい光がふわりと溢れた。
そして――
「ふわぁ…なんだか、あったかいなぁ!」
「お父さん、お母さん、みんな、また目を覚ましたよ!」
そこには、ふんわりしたマフィンたちが並んでいた。
小さなクマのチャーリーがぴょんと跳ね、バーニーが元気よく手を振る。
お母さんのメイベルがにこにこと微笑み、お父さんのハンクがじんわりと目を細める。
Sayoは目を輝かせながら、そっと手を伸ばす。
「本当に…マフィン家族だ!」
ヒポリウスは静かに微笑み、紅茶を一口すすった。
「ふむ…これは、実に興味深い。おぬしらは、どうやって生まれ、どうして消えたのじゃ?」
◆ 伝説になった理由を聞く
マフィン家族は、お互いに顔を見合わせながら、ゆっくりと語り始めた。
「僕たちはね…ずっと昔、このオーブンから生まれたんだ。」
お父さんマフィンのハンクが、懐かしそうに言う。
「手作りのぬくもりが詰まったお菓子には、とても強い『想い』が宿るんだよ。」
「だから、誰かが本当に心を込めてマフィンを焼くと、僕たちは生まれることができるの。」
Sayoはうんうんと頷く。
「やっぱり、手作りって魔法なんだ!」
しかし、お母さんマフィンのメイベルは少し寂しそうに言った。
「でもね…だんだん、人々は『想いを込める』ことを忘れてしまったの。」
「マフィンはただの食べ物になって、作ることが『作業』になってしまったんだ。」
「そうしたら、私たちは少しずつ、姿が消えてしまったの。」
ヒポリウスは目を閉じ、静かに頷いた。
「ふむ…つまり、『手作りの想い』が失われたとき、おぬしらは『伝説』になったのじゃな。」
Sayoは、ぎゅっと拳を握る。
「でも、また戻ってきた! きっと、みんなが『想いを込めること』を思い出したから!」
バーニーはぴょんと跳ねて言う。
「うん! なんだか、すっごくあったかい気持ちになったよ!」
◆ ふれあいの時間
再会を喜びながら、Sayoとマフィン家族は、さっそく仲良くなっていく。
バーニーとSayoの元気コンビ
バーニー:「Sayo、僕ね、食べるのが大好きなんだ! いろんなもの食べてみたい!」
Sayo:「じゃあ、学舎に帰ったら、一緒にいろんなお菓子を作ろうよ!」
ポピーとSayoのまったりタイム
ポピー:「私はね…みんなが楽しそうにしてるのを見るのが好きなの。」
Sayo:「じゃあ、みんなが笑顔になるマフィンを作ろう!」
チャーリーとヒポリウスの会話
チャーリー:「くぅ~ん!(ヒポリウスのローブ、ふわふわしてる!)」
ヒポリウス:「ふふふ…それは良き生地を選んでおるからな。」
メイベルのアドバイス
メイベル:「Sayo、あなたはすごく自由な子ね。でも、それが『あなたらしさ』よ!」
Sayo:「へへ、なんだか、お母さんみたい!」
ハンクとヒポリウスの語らい
ハンク:「ヒポリウス、あなたはたくさんのことを知ってるのね。」
ヒポリウス:「知ることは、わしの生きる道じゃ。しかし、知識だけでは測れぬものも多いと、最近は思うておる。」
ハンク:「ふふ…それこそが、手作りの魔法なのかもしれないね。」
◆ そして、新たな決断
楽しい時間が過ぎ、Sayoとヒポリウスは、マフィン家族にこう尋ねた。
「これからどうするの?」
すると、ハンクはゆっくりと答えた。
「僕たちも、また旅に出ることにするよ。」
「この街だけじゃなくて、世界にはまだ『想いのこもった手作り』を忘れかけている人がたくさんいると思うんだ。」
「だから、僕たちは、いろんな場所に行って、『手作りの魔法』を伝えていくよ。」
Sayoは少し寂しそうにしながらも、笑顔で頷いた。
「そっか…でも、きっとまた会えるよね?」
メイベルがニッコリと微笑む。
「もちろん! だって、あなたたちのことは、ちゃんと『想い』でつながってるもの!」
ヒポリウスも、ゆっくりと紅茶をすすりながら言った。
「ふふふ…その時は、また『新たな知恵と味』を分かち合おうぞ。」
◆ 旅立ちと再会の約束
マフィン家族は、小さな荷物を持ち、新たな旅へと出発した。
バーニーが大きく手を振りながら叫ぶ。
「Sayoー!ヒポリウスー! ぜったいまた会おうねー!」
Sayoも元気よく手を振る。
「うん! またおいしいマフィンを一緒に食べようね!」
ヒポリウスは、静かに頷きながら見送った。
「ふむ…旅立つ者がいれば、待つ者もおる。それもまた、知恵のひとつじゃな。」
こうして、マフィン家族は新たな旅へ。
Sayoとヒポリウスは、星の学舎へと帰っていく――。