表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/45

7話 全力の一撃

「おらぁ!〝エアロサイス〟!!」


風の刃を前方に飛ばす。


「そんなもの効かんわ!」


バチィン!と弾き返される。


だが、それを弾いたところでまだまだ攻撃は続く。


「〝サン・ハマー〟」


「〝ガァウ〟!」


神千切とシノの同時攻撃。


爺さんは、それを見越していたのか軽々とかわした。


「何度同じ技を食らわせてきても一緒だぞ?」


「そうだな?あんたはそれほどに強い。……だからこそ予想外を狙う。」


「むっ!?……ぬぅっ!」


大鎌を振り抜くと思わせて、俺の渾身の左ストレートを横腹に見舞う。


「吹っ飛べ!」


そう言って、爺さんを壁の方に弾き飛ばす。


そこにシノの追撃が加わった。


「〝穿て、覇龍〟」


5色の光が光出したと思えば、それらは1点に集中する。


同時に光が変形して、龍を形作った。


「いって。」


一声と共に、爺さんに直進していく龍。


多分、さっきの光は魔法の光だ。


てことは、あれは……。


「基本5属性で作り上げたオリジナル魔法か……。」


火、水、風、光、闇。


相容れぬ5属性を無理矢理収束させたのだろう。


消滅魔法である。


まるで5行をこの世界で体現したようだ。


シノの放った龍は爺さんに直進していく。


さすがの爺さんも危機を察知してか、横に飛び退いた。


龍は爺さんが元いた場所に着弾したかと思えば、その地面を消失させた。


触れるより先に、だ。


「むっ?……なるほど、これは厄介な。」


避けた先で方向を変え、走り出す。


すると、地面からさっき着弾した覇龍が這い出てきた。


追尾するのか。


爺さんを執拗に追いかける覇龍。


これはいい。


この間にやれることは多そうだな!


「あまりあちこち行くな老いぼれ!さっさとくたばれ!〝グラビティ・ルベナスト〟!」


爺さんがいた場所に超重力を仕掛ける。


「……っ、小癪な!」


それを意に返さず、そのまま突き進む。


ちっ、まじで俺の力をものともせず突破しようとするあたり、化け物じみてるのがよく分かる。


「まだまだ行くぜ!〝フレア・ベレト〟」


大鎌からフレア・ベレトに変形させ、引き金を引いた。


「甘いわ!〝発勁〟」


俺が炎を撃ち出すと同時に、爺さんの発勁が飛んでくる。


撃ち出された発勁により、俺が放った炎は俺にそのまま返ってくる。


「っ……!」


避け切ろうとするが、体を炎が掠めた。


もうフレア・ベレトに対応してくるとはな……。


「この、くそったれめ……!〝オルニクス〟」


形状を変化させて、空中から爺さんを狙い撃つ。


「よけれるもんなら、避けてみろ!〝分裂、分散、追尾〟」


引き金を引く。


轟音が鳴り響き、20発もの弾は走っている爺さんを追いかけるように向かっていく。


「その弾はまずいのぅ……〝流水変転〟」


そう言って、弾に向けて構えたかと思えば、20発の弾の方向を片手で覇龍が迫ってくる方に転換する。


「この程度では、簡単に避けられるわい。」


「化け物が……。」


地面に着地したと同時に俺も走り出す。


奴が逃げてる隙を攻撃しても、全ていなされ、かわされ、挙句カウンターまでしかけてくる始末。


シノの攻撃も俺の攻撃とは違い受け流すことは無いものの、全て避けている。


この猛攻の中で、良くもまぁ俺の攻撃を返せる。


意味がわからない。


「ちっ。神千切!雷撃を集中的に落とせ!」


俺の命令の後に、爺さんを追いかけていた神千切が吠える。


すると、爺さんの頭上から暗雲がいくつも出現して、雷がいくつも落ちてきた。


「…………そろそろわしも反撃と行こうかの。」


瞬間だった。


突然足を止め、その勢いのまま右腕を引いた体制で留まる。


「わしが5000年という月日の中で編み出した〝技〟のひとつ見せてやろう。」


爺さんを中心にでかい魔力の流れを感じ取る。


その流れだけで、俺の肌はビリビリと電気が走る感覚をおぼえた。


「ナナ、神千切!離れて!!」


シノの大声の警告に、即座に体が反応する。


「全てを消し去る技とはそれ即ち……蒸発や消滅とは違う。〝全てを原点へ、そしてそれよりも前の事象に戻す〟ことじゃよ。〝永劫輪廻〟」


急速に流れていた魔力は1点に集中したかと思えば、魔力の塊みたいなものを爺さんはその手で練り上げていた。


「この……!〝インフェルノ〟〝イグニス・ザ・オルテン〟〝グラベティ・ルベナスト〟!」


「〝サン・ハマー〟〝ジャイアント〟〝レールガン〟……!」


「〝ガァ〟!」


俺はオルニクスで撃ち込みながら、多重詠唱で一気に魔法を放つ。


それに合わせて、神千切もシノも一気に攻撃を仕掛けた。


遠距離からの一斉攻撃。


逃げ場など存在しない。


だが、爺さんは変わらず笑みを絶やさなかった。


そればかりか、勝ち誇ったような顔をして、言った。


「これが、真の消滅じゃ。」


それを放つ。


瞬間、俺らの攻撃全てが目の前で消え失せた。


まるで元々なかったかのように。


「な……。」


「わしの勝ちじゃよ。ほれ。〝永劫輪廻〟」


一瞬で目の前に現れる爺さん。


そのまま、俺は左手に爺さんの攻撃が直撃し、消え失せた。


「が、ぁぁああ?!」


「まだまだこの程度序の口じゃぞ!〝破弾鋼〟」


「っ……!!」


腹部に直撃して、声にならない声が漏れる。


まずい……意識が……。


「〝炎帝剣術・焔〟!」


ギリギリのところでシノが割り込んでくる。


だが、それを軽々と爺さんは受け止めた。


「そんな技効くと思っとるのか?」


「別にこの攻撃を当てようとは思ってない。本命はこっち。」


左手をハンマーに変形していたシノは、そのまま爺さんを殴り飛ばした。


「ナナ、立てる?」


「ぁ……?」


状況は呑み込めているが、まだ体は正常じゃない。


「神千切。ナナを背負って。」


「がう。」


シノの命令で俺を背に乗せる神千切。


「ふぅむ……。」


ガラガラと瓦礫から平然と出てくる爺さん。


「今の一撃はなかなかじゃったよ。今までのどんな攻撃よりも響いた。」


「……とてもそうは見えないくらいピンピンしてる。」


「カッカッカッ!いやいや、さすがにダメージは感化出来んかったわい。まぁ、ちと物足りなさもあったがのぅ。」


「うそつき。」


一言呟いて、シノが攻撃を放つ。


だが全ていなされた。


ダメージが全く通らない。


「…………シノ………………俺の……英称の時間を……稼いでくれ……。全て……破壊し尽くす。」


「!。…………今の状態で使って、大丈夫?」


「やるしか、ない……んだよ……。」


「わかった。稼げるだけ稼ぐ。」


「………………〝この、世界の理に……今……私は干渉しよう……。永久を……与えしものを壊し…………全てに終焉を……厄災を…………もたらす神……名を…………ゼシア…………。唯一の……破壊の神にして…………史上初めて……この世界に生命の危機を振りまいた暴虐……武人の……神。いま…………その力の一端を……解放しよう…………。全てを燃やし……全てを灰と化す…………災厄の一撃を……今ここに解き放つ……!!〟」


これが、最後の賭けであり……俺のできる最奥の手。


これが決まらなければ、もう打つ手は無い。


「喰らえ……この、クソッタレが……!!〝破壊の章・第4項 グランデス・ドルマゲドン!!〟」


部屋の天井を覆うほどの大きな魔法陣が展開される。


そして、その下には無数の魔法陣。


本当に厄災が降ってきたかのようなその光景に、あの爺さんでさえ少し目を見開いていた。


最強無比の破壊を喰らえ!


地響きが起こり始める。


ズズズズッと部屋全体が揺れるのがわかった。


それは段々と大きくなっていき、1番大きな魔法陣からそれが姿を現した。


赤く、大きな惑星のような球体。


異様な雰囲気と殺意に満ちた理不尽の塊。


その大きさに……その異様さに、ここにいた全員が呆気にとられた。


「これは……何故、あの娘っ子がこの破壊の技を……。」


「それは、彼女が次の破壊の支配者だから。〝静止の鎖〟」


「?!。」


爺さんに鎖が絡みつき、動きを封じる。


「私はあなたを少しでも、この場に留められればいい。だから、ここに黙ってとどまっていて。」


「無茶をいいおるのぅ。ここにとどまっていたらワシが死ぬぞ。」


「それならそれで、私たちにとっては都合はいい。」


「シノ!こっち来い!」


俺の呼び掛けで、直ぐにこちらに向かってくるシノ。


そして、俺の元まで着いたと同時に俺は言い放った。


「チェックメイトだ。」


「たしかにこれを避けるのは難しそうじゃ。…………だからわしも少し本気を出そう。」


そうして、右手を少し後ろに引き、体をかがめた。


「わしは〝永劫輪廻〟以外にももうひとつ、奥義があるんじゃよ。」


そうして、爺さんから圧を感じた。


空気が揺れる。


「っ!クソッタレめ……!」


俺は、上げていた手を下にふりおとす。


すると、グランデス・ドルマゲドンの落ちる速度が上昇した。


だが、それでも間に合わなかった。


「〝仙術奥義……剛気空烈絶壊拳〟」


瞬間に力と力が衝突するのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ