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5話 フロアボス

「ゴァアアアッ!」


「ちぃっ!」


ブラッディドスマウンテンの攻撃を避ける。


こいつ、デカさの割にそれなりに動きが早い。


そして何より、こいつの体を覆ってるあの硬い毛のせいでショットガンの弾が通らない。


シノの普通の攻撃でもビクともしなかった。


遠距離武器は基本効かないと思っていいだろう。


この通路の広さなら、大鎌で近接戦闘は出来そうだが、相手にカウンタースキルがある以上、余程の事がない限り近接戦闘は避けた方がいいか。


なら、どうする……。


シノの高火力を出せるあの技で一撃でしとめてもらうか?


だが、それをするとこのダンジョンの通路が崩れる可能性は大きい。


ゼルセオスのダンジョンほど、この通路は頑丈ではない。


現にブラッディドスマウンテンの攻撃で、壁が壊れるもろさなのだ。


恐らく、この通路は俺の破壊の章と、デストロイバニシングにも耐えられない。


それほどにこの階層の壁はもろかった。


「ナナ、早くしないとブラッディドスマウンテンの攻撃でこの通路が崩れる。」


「わかってる!っ、1回黙ってろ、このデカブツ!〝グラビティ・ルベナスト〟!」


ズズン!とブラッディドスマウンテンに超重力が襲いかかる。


ビシビシッとさらにヒビが広がる。


どうすりゃいい。


この通路を崩さず、かつこいつの頑丈な毛を貫通できるほどの武器……。


いや……まてよ?


なんで俺は通路を破壊しちゃならないと思った?


別に下の階に進むなら、この通路が崩壊しようとどうでもいいじゃないか。


周りが壊れるなら、下を同時に壊せばいいんだから。


幸い壁も床も脆い構造になっているようだし、最短ルートで下に進めるなら利用しない理由は無い。


「〝形状変化・ショットガンライフル・オルニクス〟」


ショットガンの形状が銃口の長い銃の形に変わる。


俺は、そのまま照準をブラッディドスマウンテンの眉間に合わせた。


左手は下に向けて、準備は完了だ。


「?。ナナ?」


「神千切、クルル、シノ。こいつを殺して、通路が崩壊したと同時に床もぶち壊す。下の階層がどういう風になっているかは分からんが、やるしかない。覚悟はいいな。」


「……そういうことなら、わかった。」


シノがそう俺にほほ笑みかける。


察しが良くて助かる。


そして、神千切も赤龍も俺の近くに寄ってきた。


「行くぞ。」


その一言と共に、オルニクスの引き金を引く。


瞬間、とてつもない轟音と共に弾がブラッディドスマウンテンの顔面へ向かっていく。


俺の攻撃に気づき、腕でガードを固めるがそれは意味をなさなかった。


放った弾は、ブラッディドスマウンテンの腕を貫通し、同時に頭を爆散させた。


弾はそのままダンジョンの壁にもダメージを与える。


それが引き金となり、ヒビだらけで耐えていた通路が崩壊し始めた。


やはりこうなるか。


こちらも準備は出来てるからいいがな。


「〝デストロイ・バニシング〟!!」


構えていた左手から、極太のビームが放たれる。


それは容易くダンジョンの床を壊し……その下の階層のダンジョンの床を破壊した。


「は?」


さすがに、予想の斜め上をいくことが起き、戸惑う。


ただ、周りはその隙を許してはくれなかった。


崩壊した通路の瓦礫が上の方から迫っているからだ。


「っ!このままいくところまで行くしか無さそうだな……!〝ディクシオン〟!」


オルニクスを大盾へと変化させ、大盾の大きさを俺ら2人と2匹を守れるよう、機能によって広げる。


「シノ。落下スピードの減速は任せる。」


「任された。神千切とクルルはこの紐に噛み付いて。絶対離しちゃダメ。」


「「ガウ!」」


俺らはそのまま重力に任せて、下に落下していくのだった。



しばらく落下していただろうか。


「あと少しで底に着きそうか?」


「うん。多分、そろそろ底に着く。」


「下に生物の反応は?」


「……ある。しかも、かなり反応が大きい。相手もこちらの存在に気がついてるみたい。もしかしたら、激動の時代からの存在かも。」


「激動の時代からの存在か。そりゃぁ、スキルにかなり期待できそうだな。」


ニヤリと口角を上げる。


激動の時代からの存在は、俺からしたらとても美味い獲物だ。


レパウリドスとかいう銀龍と対峙した時があったが、やつのステータスは凄まじい旨味があった。


お陰様で、俺の今の強さがある。


激動の時代を生きたものは強くなるにはもってこいの存在だ。


まぁその分、倒すのも大変だがな。


「ついた。」


その一言と共に、シノが落下速度を低下させていく。


少しして、照らしていた奥の方から地面が姿を現す。


ここが底か。


かなり深い階層まで落ちたようだ。


何階層まで落ちてきたのやら。


考えながら、地面に足をつける。


暗すぎて周りの確認が全くできない。


松明は持っているが、つけたところで意味は無いだろう。


「シノ、ライトを頼む。」


「わかった。〝ライト〟」


シノが魔法で灯りをともす。


それで、部屋全体が明るくなり、よく見えるようになった。


同時にその存在にも気がつく。


俺らの向いている方向にあぐらをかいて座っている、異様な雰囲気を醸し出すじぃさんがいた。


そいつは何をするでもなく、俺らの方に視線を送り混んできた。


「……随分若い客人が来たのぅ。一体こんなダンジョンになんの用じゃ?」


あいつは只者じゃないことは分かる。


ビリビリとでかい威圧を感じるからだ。


あの銀龍……いや、ゼルセオスと同等かそれ以上の圧を感じた。


間違いない。


こいつがシノの言っていた激動の時代を生き抜いた化け物だ。


人のなりはしているが、人ではないだろうな。


それに周りの感じを見るに魔物が一切居ない。


そして、ジィさんの後ろにある意味深な門。


「あんたがこのフロアのボス、と言ったところか?」


「ふむ……まぁボスと言われれば、間違いでは無いが違うとも言えるのぅ。」


じぃさんは顎を指で擦りながら、上を見る。


「儂は、確かにこのダンジョンからは出られなくなった。だが、下の階に進むことも上の階に進むことも可能なんじゃよ。そして何より……元はわしもこのダンジョンを攻略しようとした人間であったという点じゃ。まぁ、最下層のボスに負けてしもうて、こんなところに5000年もの間閉じ込められているんじゃがな。カッカッカッ!」


大きな声で笑い出すじぃさん。


長い時を生きすぎて、気でも狂っていそうだな。


「……俺の邪魔建てをするなら、全員平等に敵とみなすが、いいんだな?」


「血の気の多い子じゃな。やれるものなら、やって見るがいいさ。」


じぃさんは俺に向かって、挑発をかましてくる。


少しイラッとした俺は、問答無用でショットガンの引き金を引いた。


そして、そのコンマ数秒の間でそれは起きる。


弾が爺さんのところに届く前に、その場所にはもう誰もいなかった。


「?!。どこに……!」


「ここじゃよ、ここ。お主はもう少し鍛えた方がええのぅ。隙がありすぎじゃ。」


声のした方に振り向く前に、横腹に激痛が走った。


「かっ、はっ!?」


思い切り吹き飛ばされ、そのまま壁にたたきつけられた。


「いってーな……。クソじじぃ。」


「隙がなければ今の攻撃程度なら簡単に防げたじゃろうに。」


「……ナナはまだあなたほど強くない。〝サン・ハマー〟」


熱の大きな光線が、爺さんを襲う。


だが、当たり前のようにそれを避けていた。


「その姿、形……まだ生存する機体があったんじゃな。ゼノシリーズ。」


「私はその中のオリジナルの機体。他の機体よりもより頑丈に作られてる。」


「なるほどの。奴らは群れる習性があるはずじゃから、おかしいとは思っておったが……自身の国を裏切ったオリジナル機体か。どこで息を潜めていたんだか。」


「隠れるのは得意だから。」


そう言ってシノは、右腕を武器に変形させる。


それを見たじいさんも戦闘態勢に入った。


「ここは帰ってくれた方がありがたいんじゃが?ワシとしては。」


「寝言は寝て言えクソじじぃ。」


俺も銃口を爺さんに向ける。


「俺らの邪魔建てをするなら、どんな相手だって俺は殺す。どんな手を使ってでもな。」


「子供ながらにいい目をしおる。その歳で死線をくぐってきた目じゃな。ワシもその覚悟に答えるとしようかのぅ。力の差というものを見せてやろう。」

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