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9話 共有と先のこと

シノが見つけた、宿屋に入った。


……が案の定、俺らを鋭い眼光で周りの男や女は見てきた。


それもそうだろう。


成人はしているものの、この幼さが健在な体では舐められる。


予想はしていた。


ならばして、どうやって分からせるか。


「殺気は出しちゃダメ。冒険者ギルドでは見て見ぬふりをしたけど、ここでは別。多分子供もいる。悪影響。」


「……わかった。」


渋々と返事を返して、宿屋のカウンターへと歩を進める。


そして、カウンターに置いてあった呼び鈴を鳴らした。


すると、カウンターの奥の方から声がかかる。


「はいはい!今行くからちょっとそこで待ってな!」


力強い元気な女の声が奥から響く。


この訳ありが集まる宿屋には随分と合わない。


どんなやつがでて来るのやら……。


と、思っていると、カウンターの奥から足音が聞こえてきて、40前半くらいの女が姿を現した。


「ふむ?あんたらかい?呼び鈴ならしたの。」


「そうだ。部屋を借りたい。」


「……ふーん。」


目を細めてまじまじと俺らの事を見始める女。


そうしてしばらくして、閉じていた口を再び開いた。


「何かワケありっぽいね。いいよ、ここに泊まっていきな。」


「それは助かる。」


「ただし、泊めるのにも条件があるよ。面倒は起こさないでおくれ。私は訳ありをかなり泊めてはいるけど面倒事だけは起こさないって約束の上で泊めてるんだ。起こしたら即出ていってもらう。」


「わかった。面倒事は起こさない。約束する。」


言いながら、シノがヘルメロから貰った小袋の金貨を3枚カウンターに置いた。


「ちょっと、これは多いわよ。うちは普通の宿だ。どこぞの高級宿じゃないんだよ。」


「うん、わかってる。だから、これは先払い。時が来るまではここに泊めてもらうつもり。もちろん、ここから出ていく時もお釣りはいらない。私たちがなにか問題を起こした時は、この倍払うつもり。受け取っておいて欲しい。ナナもそれでいい?」


「文句は無い。シノにそこは任せる。」


「わかった。じゃあ、そういうこと。受け取って欲しい。」


困ったような顔をしながら、金貨を擬視する女だったが、やがてはぁ……とため息をついて金貨を手に取った。


「はぁ……受け取るわ。そこまで言われちゃ断ることも出来ないよ、全く。……あんた達の部屋は上の階の202番の部屋だよ。鍵は部屋の机に置いてあるから。」


「わかった。」


そうシノが返事をして、俺らは2階へと続く階段に向かった。


2階には今のところ何者の気配もない。


「にしても……周りの人間からの視線が集まるな。まぁ、こんな体だし、不自然に思われて当然とも言えるか。」


「うん。ここは訳ありが集まるお店だし、仕方ない。私の飛ばした見張りも常に警戒してるから何かとてつもない異常事態が発生しない限りは問題は無い。」


「まぁ、そうだな。とりあえず、部屋に入ったら、持ち物の整理からだな。異空間収納の中のものを整理しないと溜まってくばかりだ。」


「そのついでにお互いのステータス共有もしておいた方がいい。今後のためにも。」


「そうだな。念の為その時は結界を部屋に張ってくれ。万が一ヘラ側の奴らがいたら面倒だ。」


そう話しながら、歩いていれば2回への階段を登り終えれば、細長い廊下のど真ん中に出た。


明かりはロウソクがあるもののそれだけでは完全に明るくできないため、薄暗い。


壁にはいくつものドアがあり、俺らの立ち位置からすぐ左を見れば、107と書いてあるドアがある。


右側には108の部屋があるってことは……202は右側か。


そう考えて、右側に歩いていく。


静かな薄暗い廊下の中に俺とシノの足音だけが響く。


下の階にはかなり人がいるというのに、あまりに何も音がないため、少し不気味さすら感じる。


これが防音魔法ってやつか。


「このレベルの防音魔法ならいらんか?結界。」


「ううん。一応張っておいて損は無いと思う。今の世界の防音魔法にしては高い方ではあるけど、それでもたかが知れてる。念には念を入れておいた方がいい。」


「シノに任せる。」


そうして、歩いていれば202番の部屋の前まで俺らは辿り着いていた。


端から二番目ってのは覚え安くて助かるな。


ガチャりと扉の取っ手を捻り押し開ける。


部屋の中は思ったよりもひろかった。


魔道具によって、空間が拡がっているおかげか俺ら二人で住むには十分すぎる。


家具に関しても、ベッド2つに窓際あたりにテーブルと椅子、クローゼットくらいなものだ。


かなり部屋には場所が空いている。


今から異空間収納のものを整理しようと思ってたし、場所があるのは助かる。


「よし、早速始めるか。とりあえず、ステータスの共有からだ。と言っても、俺のステータスに関しては試験の時に見せていたし、ほぼ変わり映えはしてねーけどな。」


部屋にあるベッドのひとつに腰を下ろして、シノを見やる。


「うん。今日は私のステータスを見せる。」


言いながら、シノが隣に腰を下ろしてステータス画面を開く。


シノ-ゼノシリーズNo.オリジナル Lv.6205

体力 152517526.0/

攻撃 182637298.0/

防御 122121286.0/

素早さ 189257125.0/

魔力 143256852.0/35362509.0

魔法防御 185248633.0


スキル・パッシブスキル

スコーピングアイ「上級」、消費MP50%カット「上級」、機械変動「上級」、魔力増強「最上級」、自動MP回復「最上級」、無限武装「最上級」、鑑定眼「最上級」、千里眼「最上級」、魔力変換「最上級」、自動修復「最上級」、パワーコネクト「上級」、ステータス増強システム「最上級」、MPドレイン「最上級」、耐久「最上級」、金剛「最上級」、状態異常完全無効「最上級」、属性付与「最上級」、副属性付与「最上級」、4属性耐性火、水、風、地「最上級」、筋力「最上級」、気配察知「最上級」、魔力感知「最上級」、危険感知「最上級」、剣術の極み「最上級」、聖王級剣術Lv10「最上級」、炎帝剣術Lv10「最上級」、槍術の極み「最上級」、聖王級槍術の極み「最上級」、水聖槍術の極み「最上級」、結界師の極み「最上級」、炎魔法の極み「最上級」、水魔法の極み「最上級」、熱魔法の極み(炎魔法の極み、水魔法の極み、光魔法の極みを複合して習得)「最上級」、木魔法の極み「最上級」、地魔法の極み「最上級」、森林魔法の上級「上級」(地魔法の極みと木魔法の極みを複合して習得)、光魔法の極み「最上級」、闇魔法の極み「最上級」、混沌魔法の中級「中級」(光魔法の極みと闇魔法の極みを複合して習得)、空間魔法の極み「最上級」、回復魔法の極み「最上級」、アヴァロンズシステム「最上級」、エデンズシステム「最上級」、ヨミシステム「最上級」、最終形態変化・ゼノリアルスタイル「???」、最終防護システム〝ma?◽︎あ⊿〟「???」

称号スキル……神を封印せし者(ステータス増強特大「最上級」、攻撃補正Lv10「最上級」を追加付与)


魔法・技能

オリジナル魔法

(魔)サン・ハマー「太陽の鉄槌」……意識した点に巨大な熱光線が降り注ぐ。

(魔)クレイジー・サン「狂った太陽」……

(魔)フォレスト・タイタン「森の巨人」……森の巨人を作り出す。

(魔)空間転移……考えた場所に移動することが出来る。距離によって魔力の消費量が変わる。

(魔)天楼の光……全ステータスが1.2倍される。

(魔)リジェネーション……範囲に一時的にリジェネを与える。魔力量により効果力、持続力が変わる。

(魔)マナリジェネーション……範囲に一時的に魔力自動回復を与える。魔力量により効果力、持続力が変わる。

(魔)グランライト……状態異常無効化を1時間与える。

(魔)リフレクション……物理耐性を一時的に1.2倍する。付与時間、1時間。

(魔)マナリフレクション……魔法耐性を一時的に1.2倍する。付与時間、1時間。

炎、水、熱、木、地、光、闇、空間魔法、回復魔法の最上級までを全て扱え、さらにオリジナル魔法を作ることが可能。

森林魔法の上級まで扱える。

混沌魔法の中級まで扱える。


剣術、聖王剣術、炎帝剣術の全ての技能を扱える。

槍術、聖王級槍術、水聖槍術の全ての技能を扱える。


スタイルチェンジ……パワーサイトスタイル、ディフェンスサイトスタイル、スピードサイトスタイル。

ゼノリアルスタイル……全てのスタイルチェンジの能力アップを一気に使用できる。使用するまでに10秒間の準備時間がある。

破壊成長型防護スキル・アヴァロンズシステム……破壊される度に強くなる永久防護システム、アヴァロンを呼び出す。

楽園型防護スキル・エデンズノヴァ……自身の半径50メートルにステータスアップと回復能力のあるフィールドを展開。加えて、支援型のエデンズノヴァを呼び出す。

骸型防護スキル・ヨミ・エンド……死の世界から死霊を呼び出すフィールドを半径50メートルに展開。魔力の込める量によってフィールドと大きさ、出てくる死霊のレベルが上がる。加えて、ヨミ・エンドを呼び出す。

最終防護システム「ma?◽︎あ⊿」……不明。


武器武装

リベレーションズ・オブ・マキナ

レイト・オブ・マキナ

カオス・オブ・マキナ

対巨獣専用砲撃・ギャリントゥス




スキルポイント

204,000


極められたスキルの数々に、ステータスの高さ。


何をとっても、今の俺では全く敵わない。


激動の時代を生き残っただけの実力はある。


魔法だけでも8種類カンスト、剣術スキルに槍術スキル。


しかも、聖王級というのがついてる。


見たことの無いスキルだ。


そして何よりも、目を引くものは称号スキル。


たったひとつのスキルで大幅に戦力が上がる破格のスキル。


何より、俺の創作スキルでも作ることが出来ない。


あの駄天使からも聞いていないものだ。


あいつが単に説明をはぶった可能性はあるが。


「シノ、称号スキルってのは一体どういうものなんだ?」


「称号スキルはその名前の通り、称号を得たもののみが所持できるスキル。私で言うと、5000年前に1度ヘラと戦って、ある人とヘラをこの今の現代まで封印させた。それが称号となってスキルとして私のスキル欄に現れた。」


「ふむ……称号スキルってのは例えばどういう条件だと出やすいんだ?そういうのもわかったりするか?」


「別に魔物を倒したり、神を何とかしたりする必要は無い。称号スキルは何かしら極めたりしていればいつの間にかついてたりするもの。それに私の称号スキルは異常な性能を持ってるけど、全ての称号スキルがここまでの異常性能があるとは限らない。だから、手に入ればラッキー程度に思っておくといいと思う。」


「なるほどな。わかった。」


称号スキルっていう存在を知れたのはでかいな。


俺も手に入れられるなら、手に入れて置いて損は無いだろう。


まぁこれに関しては、地道にやっていくしかないがな。


「にしても、MPに関しては実質無限じゃないかこれ。消費MPカットに増強、ドレイン、自動回復。」


「そうでも無い。私のスキルには魔力の消費量によって、威力の変わるものとかがあるからこれでも足りない時がある。」


「魔力の消費量で威力が変わる、か。それ、撃ったらとんでもないことになりそうだな……。」


「うん。人が住んでる町の近くでは撃てない。」


さすが1億超のステータス。


攻撃の規格も桁違い。


「でも、このステータスでそれを打ち込んでれば、あの自称神の柱も簡単に勝てたんじゃねーか?」


「ううん。あの時はできなかった。今もまだそれをするには足りてない。私は、5000年間あの場所からほとんど何もせず過ごしてきた。だからそのせいで本来の力は出し切れない。今の時点での実力は本来の4分の1程度だと考えておいて欲しい。」


4分の1か……だいたい3000万程度の戦力ってことになる。


だいぶ、戦力が落ちているな。


まぁ今のところはそれでも問題ないが、それがずっと続くようなら、支障が出てくるか。


「一応、それは戻るんだよな?」


「うん。私の調子の問題だから、時期に戻ってくると思う。安心して欲しい。」


「わかった。」


そこでふと俺は思う。


俺も随分とシノのことを信頼してきたなと。


最初はそれこそ、こいつに対しても警戒をしながら周りを警戒していた。


それくらいあの時の俺は、意味極限状態であった訳だが、今じゃこいつに任せてる部分と信頼して待つ部分が出てきている。


たった数ヶ月。


本来ここまで信用できるような日数では無い。


だがあの洞窟での数ヶ月は、されど数ヶ月と言えるような濃密な数ヶ月と言える。


自分で言うのは何だが、人間ってのは随分とちょろいものだと思ってしまう。


「くく……。」


「?。なんで、笑ったの?」


「…………いや。ちょっと、思い出し笑いをな。」


言いながら、俺は握った拳をシノの前にゆっくり突き出す。


「シノ。改めてこれから長くなるが、全ての終わりまで俺の傍で俺の背後守ってくれよ。」


静かにそういうと、シノは少しの間俺の顔を見て、微笑を浮かべた。


「当たり前。そのために、私はついて来た。」


言って、コツンと俺の拳に拳を当てるのだった。

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