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◆第32話◆ 『宝石級美少女は心臓に悪い』


「できたぞー」


 星宮から出された問題を解き終えた庵は大きく伸びをする。すると、隣にいた星宮が自身の勉強を中断して庵のノートに手を伸ばした。


「お疲れ様です。では丸つけしますね」


 筆箱から赤ペンを取り出して、解答とノートを交互ににらめっこを始める星宮。庵はその様子をドキドキと胸を震わせながら見させてもらった。


「......」


 庵のノートを受け取って数分間、星宮は丸つけを行った。そして星宮は丸つけの最中、一度も表情を変えなかった。ずっと難しそうな顔をしたまま赤ペンを動かし続けているのだ。


「......天馬くん」


「はい」


「全問不正解です」


「な、なんだってー」


 棒読みでリアクションを取る庵。ふざけてみせる庵に星宮が軽く溜め息をつく。

 

 正直、出された問題は庵にとってちんぷんかんぷんだった。公式が分からないので、とりあえず乗法と除法だけでごり押ししたらこの有り様。やはり高校の勉強は中学の頃よりも格段にレベルが上がっているようだ。


「天馬くん。これでは次のテストが大変なことになっちゃいます」


「あぁ。そうだな」


「そうだなじゃないですっ。赤点取らないためにも、今から勉強しますよ」


 口には出さないが心の中で深い溜め息をつく。せっかくのデート初日がまさかの勉強三昧になるとは。勉強を苦手とする庵にとってとても憂鬱な事態だ。


「......あー。そこまで俺の面倒見なくても――ってうぉ!?」

 

 少し遠慮してみようとすると、隣にいる星宮の良い香りがより一層強まった。その理由は単純。なんと星宮は肩と肩が触れあうくらいの距離まで庵に近づいてきたのだ。


「どうかしましたか?」


「いや、近くない? 近すぎない?」


「......嫌ですか?」


 ストレートに言うと、少し残念そうな表情をして顔を俯かせる。庵は慌てて手をぱたぱたと振った。


「いや、そんなことないはないけどさ。なんか......こう......なぁ?」


「......?」


 嫌ではないが、ただ恥ずかしいのだ。まさにヘタレ中のヘタレだが、こういうことに慣れない庵にとって宝石級美少女の急接近は心臓に悪い。


 とはいっても、昨日はハグという中々に大胆な行為に及んでしまったのだが。


(いや、あれはその場の空気みたいなのが関係するしさぁ......)


 心の中で言い訳をするが、今の庵がヘタレであることには変わりない。何も答えられずにいたら、焦れったさで庵は赤くしてしまう。


 このままでは埒が明かないので、仕方なく星宮に正直に答えることにする。視線は背けて、ぼそりと呟いた。


「......恥ずかしいんだよ」


「恥ずかしい?」


「そう。恥ずかしい」


 正直にそう言えば、星宮は不思議そうに首を傾げた。


「なんで恥ずかしいんですか?」


「それ聞くか!? 大体理由察せれない?」


「......と、言われても分かりません」


 本気で庵が恥ずかしがる理由が分からないのか、星宮はずっと不思議顔のままだ。そんな何の悪意も含まれていない眼差しを向けてくる星宮に対し、何かが吹っ切れた庵はビシッと指を突きつけた。


「星宮のせいで恥ずかしいんだよ」


「......私の、せい?」


「そうだよ! 美少女が真横にいて、良い匂いして、ちょっと触れてしまいそうで恥ずかしいんだよ!」


 包み隠さず全てを話した庵。ようやく意味を理解した星宮は、分かりやすく頬を赤らめた。


「......そ、うなんですね。それは、その......ごめんなさい」


「いや、謝らなくてもいいけどさ」


 どちらも顔を赤くしてしまい、二人は何とも言えない空気に包まれてしまった。しかし気まずいと言うわけではない。どこか心地の良いものを感じる、甘酸っぱい空気感だ。

 

 でも、何とも言えない空気であることには変わりない。


「......あーっ。今の会話は全部無し。星宮、俺に勉強を教えてくれ」


「あ。は、はいっ」


 この甘酸っぱさに居たたまれない気持ちになった庵は早々にギブアップをする。少しテンパって呂律が回らなくなってしまったので、話題の流れを変えるためにも、仕方なく勉強の話題に戻した。


「......」

 

 少しだけ距離を開けて二人はテスト対策の勉強を進めていく。この時、少しだけ星宮が微笑みを浮かべていたことに庵は気づいていないのだろう。


 

眠い。眠いです。眠気MAX状態で書いたから文章変かも。一応誤字が無いかとかはチェックしたけど、あんまり自信ない。明日精査する。

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