7.
(※アマンダ視点)
お姉さまの処刑が執行されてから、数日が経過していた。
私は、次期当主としての座をお姉さまから奪い、さらには婚約者だったダミアンを奪い、彼と幸せに暮らしていた。
両親は、私たちのことを祝福してくれた。
いつだって、どんなことだって、私のことは肯定してくれるだ。
両親はダミアンを屋敷に受け入れてくれた。
お姉さまがいなくなって手に入れたこの新しい生活は、充実していた。
しかし、それに水を差すように、ある来客があった。
「はい、なんでしょうか」
対応したのは父だった。
そして、客は私たちのいるリビングにやってきた。
「先日処刑されたルーシー・ラフルアについて、聞きたいことがあります」
お姉さまのことを私に尋ねてきたのは、王宮から遣わされた兵だった。
「はい、なんでしょうか?」
「あなたは、あのパーティの場で姉がヴィンセント王子を刺したところを目撃した、と証言しましたね?」
「はい、そうです」
いったい、なんだろう?
私は少し身構えていた。
「それは、確かですか?」
「はい、間違いありません」
嘘である。
お姉さまがヴィンセント王子を刺しているところなんて、私は見ていない。
ただ、そう言うように頼まれただけだ。
そうすることによって私にもメリットがあったから、その提案を受け入れた。
「そうですか。もちろんご存知でしょうが、ヴィンセント王子が発見されたのは、パーティが行われていた部屋ではなく、別室です。しかし、あなたはパーティを行っている部屋にずっといたと、ある人が証言しました。あなたは本当に、姉であるルーシーが、ヴィンセント王子を刺したところを、目撃したのですか?」
「……は、はい。見ました。ちゃんと目撃しました! 嘘だっておっしゃりたいのですか!?」
私は、酷く動揺していた。
まさか、私が嘘をついたと疑われるなんて、思ってもいなかった。
しかし、そんな私に、両親が助け舟を出してくれた。
「おい君、娘が嘘をついていると言いたいのか? パーティが行われた部屋に、娘がずっといたというその証言のほうが、間違っている可能性もあるだろう!」
「ええ、もちろん、そのことも考慮しています。私はただ、事実を確認しているだけです」
「娘を疑うなんて、どうかしている! そうだ、私も見たぞ! ルーシーが、ヴィンセント王子を刺しているところを!」
「え、そうなんですか? 以前に事情を伺った時には、そのようなことはおっしゃっていませんでしたが……」
「今思い出したんだ! なにか文句でもあるのか!? そうだ、お前も見たよな!?」
父が、母に尋ねた。
「え……、ええ! そうよ! 私たち、皆でその光景を見てしまったの! ルーシーがヴィンセント王子を刺している、恐ろしい光景を!」
「そうですか……。お時間を頂きありがとうございました。では、失礼致します」
彼は去っていった。
とりあえず、難を逃れたのかしら……。
私はほっとして、大きくため息をついた。
しかし、この時のことを、私たちは後悔することになるのだった……。




