11.
(※ダミアン視点)
ついに、王宮に到着した。
僕たちは中に案内され、広い応接間でローマン王子が来るのを待っていた。
その待ち時間が、不安のせいなのかとても長く感じた。
……僕だって、ヴィンセント王子を殺したくて殺したわけじゃない。
あれは、しかたのないことだったんだ。
だって、そうしないと僕は……。
「それにしても、ローマン王子が私たちに、いったい何の用かしら?」
何も察していないアマンダは、両親と暢気に話をしていた。
「いったい、なんの用だろうな。私にもわからん。とにかくここで待っていろ、としか言われなかったからな」
「……もしかして、ルーシーのことで、何か話があるのかしら。私たちが揃って呼ばれるなんて、それ以外の理由が考えられないわ」
「あ、お母様の言う通りかもしれないわね。でも、なんの話かしら。もしかして、今更お姉さまが無実だったとか言われるのかしら」
アマンダは、笑い声を上げながら言った。
冗談で言ったつもりらしい。
しかし、今の僕には全く笑えない冗談だった。
「なかなか面白いことを言うな。もしそうだとしたら、ルーシーは無駄死にだったわけか。これは笑える」
「そんなに笑っていたら、ルーシーが化けて出てくるわよ。よくも無実の罪で処刑したなって」
みんな、笑いながら話している。
いい気なものだ。
僕はこれからどんな裁きが待っているのか、震えながら待っていた。
「大丈夫よ、お母様。そんなことで、お姉さまが化けて出てくることなんてないわ。だって、死人に口なしというでしょう?」
また一同大爆笑である。
しかし、僕だけがその輪に入ることができないでいた。
「どうしたの? ダミアン、顔色が少し悪いわよ」
アマンダが僕の顔を覗き込みながら言った。
「……ああ、いや、大丈夫。なんでもないよ」
僕は何とか笑顔を作って誤魔化した。
かなりぎこちない笑顔だろうけど……。
「やあ、待たせたね」
随分と長い間待たされた。
やっと、ローマン王子が現れた。
そして、僕たちは彼の方を見て、全員が驚いていた。
否、彼というより、彼の隣にいる人物を見て驚いていた。
……どうして、彼女がここにいるんだ?
ローマン王子の隣にいるのは、処刑されて死んだはずの、ルーシーだった。
ありえない……。
彼女はあの時、火あぶりにされて黒焦げになっていたのに……。
僕を含めて全員が、幽霊でも見ているかのように驚いていた。
「アマンダ……、死人に口なしですって? 申し訳ないけれど、これから長々とお話させていただきますよ」




