1.カイウスの原風景。
ここから第1章。
手始めに、カイウスのことを少しだけ(ポエム?
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――ボクには、忘れられない思い出がある。
『大丈夫かい? 坊や』
『あなた、は……?』
『名乗るほどの者ではないよ。野暮用でここに寄っただけさ』
『野暮用……?』
知らない街が燃えていた。
遠くには真っ暗な城があって、炎はそこから出ているようだ。
そんな曖昧な記憶の中、ボクのことを抱きかかえた男性は語る。
『キミは、生きたいかい?』
『え……』
予想の斜め上の言葉。
まさか生きるか死ぬかの選択を迫られるなんて、思いもしなかった。
だけど、そんなの決まっている。ボクは一つ頷いて――。
『はい……』
短く、そう答えた。
すると男性は小さく微笑んで、何度も頷く。
そしてボクの身体をゆっくりと下ろし、肩に手を置いて言うのだ。
『それなら、生きると良い。好きなように、誰にも縛られることなく』――と。
その言葉の意味は、今でも分からない。
ただ、それでもボクにとって彼の言葉は不思議な魔法だった。
自身を流浪の冒険者と呼んだ一人の男性との対話。
孤児だったボクにとってそれは、間違いなく人生の原風景。
今でも忘れられない。
そんな、特別な景色だった。
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