ジニちゃんのさがしもの そのご
きょうは、おひさまがポカポカなの~。
ポテポテあるいて、おにわにでたんだよ。
ジニは、ウサギぞくだから、あしのうらにニクキュウがついているの。
それで、ポテポテおとがしちゃうんだよ。
「あう、あう、やめてほしいの」
つちあそびしていたら、こけスライムがあそびにきていて、こけをなげるんだよ。
「いろがまざっちゃうの~」
でも、ひとつのいろより、ほかにもいろがあったらたのしいかもなの。
「あう、あう、おう♪」
ペッタ、ペタペタ。
おそとであそぶのは、とってもたのしいの。
「あ、できたの~」
よくできたから、かわかしておこうとおもったの。
ポテポテポテ。
それでね、おにわにあるおおきなきのかげにおいたんだよ。
よごれたてとあしをあらって、うがいもしたの。
それでね、おへやにもどって、まどからおそとをみていたんだよ。
「あうあう~、くもさんがあつまってきてるの~」
すこしのあいだ、おそらをみていたけど、おてつだいをしていたらわすれちゃったんだよ。
つぎのひは、あおいそらだったから、おそとにみにいったの~。
ポテポテポテポテ。
「うにゃあ! ない」
おとしものだとおもわれちゃったかもなの。
だから、さがしにいったんだよ。
「ん~、これじゃないの~」
もんのはしらにのっているのは、いろがちがうの。
「これもちがうの~」
カタツムリさんのおうちは、すこしちいさいの。
そしたらね、おとなりにすむイーグにあったんだよ。
イーグは、おくちはわるいけど、おともだちなの。
だから、きいてみたんだよ。
「ジニがつちでつくったみずいれがなくなっちゃったの。そとにおいておいたんだけど、しらな~い?」
タレみみといっしょにあたまがよこになって、おもたいから、からだもまがっちゃったの。
「きのうのよるは、あめがふったんだぜ。くずれるにきまっているじゃん、ポンチョコリンだなあ」
「あう、あめがふっていたの? しらなかったの……」
イーグにポンチョコリンっていわれて、ちょっとかなしかったけど、つくったみずいれが、つちにもどっちゃったことのほうが、かなしいの。
それで、シュンとしておうちにもどったんだよ。
ポテポテ、ポテン。
「あうっ、ちょっとつまずいちゃったの」
おうちについたらおやつのじかんだったんだよ。
だから、てをあらってうがいをしてきがえたの。
それだけでね、なんだかきもちがあかるくなったんだよ。
せいけつにしたからかなあ? うふふなの。
「ジニ、さくやあめがふってきたから、これ、あずかっておいたよ」
オーリーがわたしてくれたものは、さっきまでさがしていたみずいれだったの。
だから、おどろいてタレみみがピンとなって、てのひらのニクキュウをニギニギしちゃったんだよ。
「うにゃ! なかにいれてくれたの~? ありがとうなの~」
ピョンピョンはねてよろこんだら、オーリーは「それならよかった」っていってくれたんだよ。
それでね、さがしにいったことをはなしたの。
オーリーは、ものしりさんだからいろいろおしえてくれるんだよ。
それに、ちょっとかなしくかんじたこともはなしたの。
「イーグは、ジニにあまえているからね。いつか、はずかしくおもうひがくるだろう」
まだ、おおきくなるまでにはじかんがかかるから、しらべたり、こうりゅうしたりすることはたいせつなんだって、おしえてくれたんだよ。
ジニは、おともだちとあそぶのもたのしいけど、かぞくとはなしたりするじかんは、もっとたのしくてたいせつなんだとおもったの。
おしまい
ーージニちゃんの『みずさし』のそのごーー
あれから……。
オーリーに「よくかわかしなさい」といわれたんだよ。
だから、ポテポテあるいて、きのかげにおいたの~。
それでね、おそらにおねがいしたんだよ。
「あうあう、あめがふったらイヤなの~。おねがいするから、くもが、あつまらないでほしいの~」
それからまいあさ『みずさし』に、あいさつしていたんだよ。
そしたらね、ジニのおみみがピクッとしたの。
「プ……チ、プッチプチ」
「ふよ? なにかはじけたかもなの~」
キョロキョロさがしたんだよ。
でも、ジニのおみみは、『みずさし』にむいていたの。
それで、おみみを『みずさし』にくっつけたんだよ。
「…………プ……チ……」
「あうん?」
「プッチ、プチプチプチプチ」
「うにゃ、おみみかゆいの~!」
タタッ。
「オーリー!」
いそいで、おうちにはいって、かぞくにはなしたんだよ。
「『みずさし』が、はじけるって?」
「うん、プチプチいうから、ジニのおみみがかゆくなったんだよ」
ガジガジ。
おうちでしごとをしていたオーリーのデスクに、つい、あわててかじりついちゃったの。
それをオーリーは、やさしく「ジニ、はがわるくなってしまうから、はなしなさい」って、あたまをなでてとめてくれたんだよ。
「あう、ごめんなさいなの」
みれば、オーリーのりっぱなデスクには、このあいだもガジガジした、ジニのはがたがあったの~。
「もしかしたら『みずさし』にタネがはいりこんでしまったかもしれないね」
「そうなの? あうぅ」
「ガッカリすることないよ、ジニ」
オーリーのえがおは、いつもあたたかいの。
でも、なっとくできないの!
「それは、どうして~?」
たずねるときは、あたまがおもたいから、カラダがグンニャリまがっちゃうんだよ。
「ククッ、そうだね。『みずさし』なんだから、はなでもさすつもりだったのだろう?」
「うん、それは、そうなの~」
「ささなくても、はながさいたら、それは、スゴイことじゃないか?」
「おはながさくの? たのしみなの!」
ピョンピョンはねちゃったあ。
*
しかし、ほしのキレイなよるのこと。
ピシッ。
かわいてしまって、ひびわれたのか……ピンとはった2ホンのショッカクが、ほしのひかりにツヤめいた。
カサカサ、カサカサ。
ジニのみどりのまざった『みずさし』は、またたくまにくろいものにおおわれていったのだ。
おわり