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1.白須瑠衣果は脇役王女に転生する

よろしくお願いします

白須(しらす) 瑠衣果(るいか)は鏡の前に立ち、ペタペタと顔を触る。

鏡に映る姿は日本人のそれではなく、白銀色(しろがねいろ)の髪に透明度の高い紫色の瞳である。

試しに頬や髪を引っ張ってもみるが…痛い。


そもそも年齢が違う。


瑠衣果は18歳だが、鏡に映っているのは10歳の少女だ。

そう、10歳だと瑠衣果は知っている。


「なんでぇ?私さっきまで駅に向かってたのに」


今日は家族で開く兄の誕生日パーティーのレストランへ大学からそのまま向かっていた筈だ。

だが駅前の信号を渡る途中、トラックが見えたところから記憶が無い。

まさか死んでしまったのだろうか。


「落ち着け、私!落ち着こう!!」


瑠衣果は深呼吸して気持ちを落ち着かせる努力をする。

何度も深呼吸を繰り返すと、ようやく自分の事を()()()()()()()


そう、私はディアーナ・ヴェド・セウェルス。

セウェルス神聖国の第一王女だ。

ん??セウェルス?ディアーナ???


ディアーナは自分の名前に引っ掛かりを感じるが、思い出す事が出来なかった。

何かキッカケになればと本棚に向かい世界地図の本を取り出す。

1ページ目をめくると『エルガバル大陸』とひとつの大陸が描かれていた。

まさか…と、指で国名を追っていく。

山脈が大陸を分断する様に描かれており、向かって左上が『アールヴ妖王国』、左下に『ロスタム獣王国』、右下には『クルドヴルム竜王国』、そして右上がディアーナの国『セウェルス神聖国』と書かれている。


「まさか…」


中学生の頃に双子の兄がハマって一緒にやっていたRPG…『エルガバル英雄伝説』と同じ名前。

確かセウェルスの勇者がヒロインであるアナスタシアとクルドヴルム竜王国のドラゴンを倒す、そんな物語だ。

クルドヴルムに第一王女が誘拐されたところからゲームは始まる。

ちなみに第一王女の姿が出てくるのはオープニングとラスボス戦前だけで、何故か人質だった第一王女が竜王の前に飛び出してきて殺されるのだ。

出番が2回のくせに第一王女が死ぬ事が、ヒロインであるアナスタシアに神の力がやどるキッカケとなり、そのまま竜王に挑む事になるのだ。


ディアーナはまだ幼さの残る両手を見た。


第一王女の名前はディアーナ。

第二王女がヒロイン…ディアーナの妹アナスタシア・エダ・セウェルスであった。




「私…死亡確定の脇役に生まれ変わっちゃったの⁈」


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