表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/200

11. ディアーナは依頼する

サクルフの森に住まう賢者シリル。

『エルガバル英雄伝説』にも出てくるキャラクターだ。


白銀色の髪と紫色の瞳はディアーナとよく似ている。

上手くイベントをクリアすると仲間に出来るが、ものすごく面倒だった。

でも馬鹿みたいに強い。賢者のくせに強い。

ひょっとすると勇者よりも強いんじゃないかってくらいに強い。


そんな賢者シリルを仲間にする為に、弟子入りイベントがある。

選択肢を間違えると弟子入り出来ない=仲間にならない。

選択肢は3つあって、瑠衣果は2度間違えた。

もちろんリセットしてセーブポイントからやり直した。

仲間に出来れば最強。でも仲間になるまでが超面倒。

これがシリルに対する瑠衣果の率直な感想だ。


だから面倒だけど、ディアーナが強くなる為に師事する先はシリル以外に考えられないと強く思う。


「お願いします。おばあ様!」


ディアーナは深く頭を下げた。

祖母は頷くと「先程サラに使いを頼みました」と言い、ディアーナを驚かせる。


「久しぶりに会ったディアーナを見て、貴女から今迄感じられなかった強い意志が感じられました。」

「おばあ様…」

「だからきっと、わたくしの元へ来た目的は賢者シリルだったのではないかと、そう思ったのです」


おばあ様…神。

ディアーナは柔らかく微笑む祖母の凄さを目の当たりにした気がした。


「うん。私もそう思うよ」


ディアーナの背後から低いけど心地よく響く男性の声がしてディアーナから「ひっっ!!!」と悲鳴があがる。

対して祖母は少し困った様子で「まあ」と片手で頬を押さえた。


「お久しぶりです。師匠(せんせい)。先程サラを向かわせたばかりですのに、もう来て下さったの?」


驚いて振り向いたディアーナの前にこの世のものとは思えない美しい顔があった。


「!!!!!」


設定では女性のような容貌と書かれていたし、映像でも綺麗だったけど!!

生の破壊力半端ない!!!


目の前で少し首を傾げ微笑んでいるシリルに、頭がついていかないディアーナは声もなく固まる。

シリルは笑みを絶やさないまま「おいで」と手を広げた。


次の瞬間、ディアーナの身体がふわりと宙に浮く。

ディアーナが焦る間もなく、ディアーナの幼い身体がシリルの腕の中にすっぽりと収まっていた。


「ああ…可愛いね。ねえティア、私たち親子に見えないかな?」


シリルは腕の中に収まるディアーナを目を細め愛おしそうに見つめている。

確かにディアーナとシリルの持つ色合いは同じもの。

親子に見えなくはないが100人居れば100人、親の方が綺麗だと言うだろう。


「確かに師匠(せんせい)とよく似た色ですわね。わたくしの大切な孫ですけども」


祖母は『孫』の部分を強調した。

言外に『うちの可愛い孫なんだから冗談言うな』と言っているようだ。

シリルは気にせず「可愛い」と連呼しながら愛おしそうにディアーナに頬擦りしてくる。

ディアーナは理解が追い付かず人形のように固まっていた。


シリル(このひと)こんなキャラクターだったっけ?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ