その6
夜。突然ポストに手紙が投函された。その手紙にはクソ汚ぇ時でこう記されていた。
明日、ここに来い
と。その下には何やらURLのようなものが記されており、それで調べてみるとある場所が表示された。隣町の路地にある小さな扉だ。まさかとは思うが敵の本拠地に呼ばれたということか?やだやだ集団リンチとか。でも、リペラがいてくれると思うとそれだけで心強い。だって時間停止とかチートじゃん?これで敵のボスも同じ能力者とか言うオチだけはやめて欲しい。でも、どうやって行くか。駅からは酷く遠いし、車も持ってない。自転車はあるがそこまで体力が持つ気がしない。そこで、家が近くで車を持っている交田に連れて行ってもらうことにした。
「…もしもーし。今いい?」
「ああ、構わない」
交田の方から風の音が聞こえる
「あれ?交田今外?」
「無くなった分のちくわを補充していたところだ」
「あー、そうなんだ」
この会話で夕方のことを思い出す。リペラはあのちくわをどうするつもりなのか。
「んでさ、明日車出せる?」
「いいが、どこまで行く気だ?」
「隣町の…」
場所を伝えた。すると、交田は興奮しながら
「おお!そこに行くのか丁度いい!俺も明日その辺りでちくわ仲間と会う約束をしていたんだ!」
ここだけ、なんだかちくわに救われた気がした。
〜翌日〜
交田が迎えに来てくれた。車内は前までの黒を基調としたシックな作りとは違い、ありとあらゆるちくわグッヅに埋め尽くされている。スピーカーからは「ちくちくちくわ♪ちくちくわ♪」と狂気じみた曲が流れている。その狂気に充ちた車に乗り込むと、細かい場所を伝え連れていってもらう。途中何故そんな所に行くのかと尋ねられたが、適当に話をちくわに戻し難を逃れた。
「ほら、着いたぞ」
住宅街に降ろされる。
「ありがと。じゃあまた、生きてたら会おうな」
「ああ」
早くドアを閉めてくれ、曲が漏れてて恥ずかしいから。交田の車が見えなくなると、路地に入る。奥まで進むと、そこにはスマホで見た薄汚い扉がある。扉を開けると、地下へと伸びる階段がある。その中は裸電球で薄暗く照らされ、壁にはやからが描きそうな英語の落書きが描いてある。階段を降りて行く。静かな中、先程のちくわのマーチが頭の中でループする。正直、雰囲気が台無しだ。そして、一段と大きい木の扉が目の前に現れる。まるで、RPGに出てきそうな感じだ。その重い扉を両手で押して中に入る…。中にいったい何が待ち受けているのか、気になるもんだ。




