その1
昨日、ヤクザもんみたいなハゲにぶつかった事をズルズルと引きずりながら一日をすごした。そして今日、ちくわパーティーやろうと友人に誘われているのでお昼には家を出るこのになっている。ちくわパーティーが何かはよくわからない。少しだけ聞いたところ「ちくわコーラ山手線ゲーム」というものがあるらしいが、意味がわからない。そんなことを思いながらさっさとスニーカーを履き外に出る。天気は快晴、まさに雲ひとつない青空だ。ただ、快い晴れと書いて快晴だが、暑いという文句しか出てこないのであまり快くはない。
暫く歩き、飲み物を忘れてきてしまったとこに気づく。この暑さで飲み物無しは致命傷だ。この辺りに自販機はないので、近くのコンビニ「ファミリーイレブンソン」、いわゆる「ファイソン」に行くしかない。そうと決め、コンビニの方に足を向けた。
コンビニ前、交通量はないくせに無駄に長い信号がある。体感で二分くらいに感じるほど長い。無視していくという手もあるが、コンビニの隣が交番という手前そんなことは出来ない。体感で二分、やっと青信号に変わったので歩き出す。すると、トラックが向こうから走ってきた。珍しいこともあるもんだなと若干感心した。しかし、どうもそのトラックの様子がおかしい。左右にゆらゆらと蛇行しながらこちらに向かってきているのだ。酒帯び運転だろうか。だが、数歩歩いたところであることに気づく。どうもあのトラックは自分の方目がけてグングンとスピードを上げている。気づけばトラックが視界のほとんどを埋め尽くす。
(え、俺ここで死ぬの?)
そう思い、目を瞑ろうとした直後。耳をつんざくような音がした。壊れたアンプから出そうな、酷く音割れをしたギターの音だ。その音を聞いてから、世界が白と黒の二色になり、止まった。鳥も、葉っぱも、トラックも静止して動かない。
「これは…?」
自分の体も、口と眼球を覗いて動かない。まるでコンクリートに埋められたかのように。混乱していると、横から声が聞こえた。
「やったー!大成功!」
無邪気に喜ぶ声だ。数秒後には横から白黒に彩られた少女がひょっこりと姿を現した。女子高生だろうか。瞳が淡く青色なこと以外は普通の女子高生というイメージだ。髪の毛はミディアムヘアーで黒(いま全部が白黒だからわからん)に、白い肌(本当はどうかわからん)、どこのものかは分からないが黒で統一された制服(これもまた分からん)。その子は俺のことをじっくりと舐めるように見ると、こう言った。
「私がこれからあなたが死にそうになった時に助けてあげる係になりました、リペラです!」
そう言うと彼女は満面の笑みを浮かべた。




