キャラ紹介&イラスト―モンスター・トループ(鋼鉄の夜明け団)―
◆モンスター・トループ
ルナにより忠誠の深さから選抜され、ルナ自ら改造を施した”人の身を捨てた改造人間”の4人を指す。魔導人形はあえて言うなら機械鎧、それはつまり身を護る鎧であり、動きをサポートしてくれるマシンスーツであり、強力な戦闘力を持つ武器でもあるが……それがゆえに人型の枠から外れることはなかった。それを脳髄以外の全てを捨てることで枠から逸脱することで戦闘能力を高めると言う思想である。
元となったのは量産型最高位である『鋼』。もはや完全に原型は留めていないが、もとが量産型であるために出力面ではオリジナル下位の『宝玉』にすら及ばず、もちろん異能すら持っていない。だが、ルナにより『宝玉』を鋳潰して作られたオプションパーツにより強力な攻撃手段を実装し、異能の扱いに慣れていない『宝玉』ならば打倒可能ほどに性能を高めた。……それでも異能を使いこなす相手には勝てないが。
彼らは選抜基準が選抜基準であるだけにルナを妄信し、神と崇めて従っている。だが、その実は行動経済学で言う『サンクコスト』に過ぎないだろう。ようは「あれだけお金をかけたものは素晴らしいはずだ」という心理だ。そして彼らは取り戻せるお金ではなく、かけがえのない自分の身体を捧げている。それはいくらルナでも元に戻すことはできないものだ。
宗教から目覚めるには”周囲からよってたかって責められ、そしていくら働いても生活は楽にならない”という現実を直視することから始まるが……彼らについては、同じくルナを妄信する鋼鉄の夜明け団の幹部として遇され金に困ることは一生ない。そのため目を覚まさせるのは一筋縄ではないだろう。
なお、モンスター・トループには2通りの種類が居る。それは第1部にてエレメントロードドラゴンと激戦を繰り広げたレンとアダマント姉妹を改造した経験を応用しているため。1部と2部に物語的な繋がりはないが、積み重ねた技術としては技術ツリーになっている。それは本作に共通するテーマ。(ルナは精神的にはなんら成長していないが、技術面では多くを吸収し秘密結社の頭目を張れるようになった)
◆アダマント姉妹の方向性
アダマント姉妹を改造したコンセプトは”地力の底上げ”。ルナはこの姉妹にアルカナとアリスの武器と鎧(服)を貸し与えたが、それを使えるようにするために存在強度そのものを上げる必要があったため。
・【ギア】
高速機動による敵の殲滅を目標とした改造人間。装備、出力的な理由でアダマント姉妹よりも戦闘力は下がっているが、様々なアタッチメントを付けることでどんな状況にも対応可能という利点を持つ。そもそもこの姉妹は戦闘になれば数時間で暴走・魔物化する欠点を持っていた。継戦能力を補った代わりに、性能が落ちた下位互換。
人型からは完全に逸脱して四つ足の飛行機械のような見た目だが、対人に使えば予想のつかない動きで脅威となるだろう。
・【スティール】
圧倒的なパワーによる敵の粉砕を目標とした改造人間。最初は装甲による防御力強化の方向性を目指していたが、基本的に攻撃は最大の防御だったので普通に防御したとしても強大な奇械を相手にするには心もとないということが分かった。そういうわけでデカい装甲に炉を複数詰め込むことで高火力なエネルギー砲を連発する方向へ舵を切られた。地力の強化というコンセプトは変わっていないが、戦術そのものは様変わりしている。
空から高火力エネルギー砲を連発して敵を叩きのめす戦術だが、代わりに接近戦能力が犠牲となっているので近づかれると致命的。なのだが、1体で戦場に出ることは少ない。
◆レンの方向性
レンを改造したコンセプトは”軟体化による不死身化”。彼女はアダマント姉妹と違って一人でエレメントロードドラゴンに立ち向かうため、ルナの武器と鎧を貸してもらうだけでは力が不足した。よって、敵の攻撃をある程度耐えるようにする不死身化に加えて、切り札の毒まで仕込まれた。結果として、この1戦で死亡する最凶強化の方向性となった。
・『ジェリーフィッシュ』
軟体化の正統進化。レンは脳みそまでスライム状の一部にしたためにポッドから出れば1時間も持たずに自我を失い魔物と化すデメリットを背負っていた。その前に毒で自滅するので問題なかったが、モンスター・トループに応用するために脳髄を格納する場所を用意し軟体化にも制限を設けた。戦力としては彼女の足下にも及ばないが、代わりに長い間戦えるようになった。
鎧の骨格を持っているが、中身が軟体のため人型の見た目からは想像もつかない動き方で敵を翻弄する。斬られても壊されても、それが重要な部分でなければスライムの身体で補って戦闘を継続することができる。
・『ブラッド』
切り札だった毒を研究した結果。やはり威力としては足下にも及ばないが、代わりに長い間戦える利点を得た。基本的にレンの改造はエレメントロードドラゴンを落とすためだけの改造であったため、兵器の基本である経済性に喧嘩を売る仕様だった。こちらもある程度の軟体化を果たしているために人型をしていても人の骨格から逸脱した動きが可能。毒は回復能力を持つオリジナルであれど解毒するのが困難なほどの効き目を誇る。
ルナから自在に動く二つの大剣を与えられているため、本人とビット二本の空間軌道で敵を追い詰める戦い方をする。敵が強敵であれば、身体の各部に設けられた仕込み刃に毒を流して敵に盛る。