あらすじ〈第2部:鋼鉄の夜明け団〉
◆各巻の表紙&裏
第5巻:1章+2章
第6巻:3章+4章+5章
第7巻:6章+7章+8章
第8巻:9章+10章+11章
◆第2部:ワールド「イオノシジウム」
※花言葉は『容姿端麗』。
第1章:戦姫編
終末少女として産まれた本来の意味は、腐った世界を滅ぼす〈神〉の役割を粛々と果たすこと。神はヒトではないゆえに永遠の繰り返しは苦にならない。100年の時をひたすらに役目を果たし続ける箱舟。ルナは仲間と変わることのない日々を過ごしていた。
だが、ある日――”また”人間の住む世界へと落ちる。そこに居たのは国を変えようとして反逆者として追われた姫君、アルトリア・ルーナ・シャインだった。都合の悪い真実は民衆から隠されるもの、そして暴いた人間の末路はいつも同じ。誰の助けも得られず、失意の中に死に行くのみ。
……けれど、そこに黒幕が介入した。ルナが、またも英雄譚を作り上げることを画策したのだった。勇気のあるお姫様は、魔王の試練を経て地獄の道を踏破する英雄へと返り咲いたのだった。
第2章:廃都生存者編
人類の行く末を憂う戦姫にとある情報がもたらされる。それは奇械に教国軍の防衛線が突破され、王国外縁にある【クレティアン】という都市が滅びに瀕しているというものだった。
ルナは翡翠の夜明け団時代に培った知識を総動員して救援物資を用意、購入したトラックに詰め込んで急ぎその都市へ向かうのだった。
だがしかし、奇械襲撃の被害をもう何十年も受けていない王国の民は平和ボケしていた。一行が見たのは崩壊した都市の姿であった。そこで戦姫達一行は生き残りをかき集めた。敵は3方より来ることがルナより明かされた。一つは内部、都市に隠れている。一つは地下から来ることを目指して進軍中。一つは天を超えて成層圏から地へ向けて行軍する。一向は三手に別れて奇械殲滅に向かうのだった。
第3章:賭博都市編
奇械の脅威は退けた。街の再建など英雄には不釣り合い、滅びた都市の復興は教国の兵に任せ、一行は新たな戦力を求めて『黄金』位階の魔導人形を持つと喧伝する賭博都市『サティスファクションタウン』へ足を運ぶのだった。そこで発揮されるのはアルトリアの豪運、見えなくても見破るイカサマ。無法ぶりを妹たちへと見せつけるのであった。
調子に乗って馬鹿げた額を稼ぎすぎたアルトリア、ヤクザ達は選択の余地なく改造した専用『鋼』で襲撃するのであった。
第4章:最終砦【地獄の門】編
戦姫一行は傭兵ギルドへと身を寄せた。目指すことは一つの都市を救うのではなく、人類すべてを救うこと。人類救済を成すためには奇械13遊星主を倒す必要があるのだ。奇械の支配者、絶大なる力を持つ遊星主を倒さねば人類に未来はない。打倒の手掛かりを求めてギルドに参加したのだ。
さて、そこで力は示した。強力な力は歓迎されるし、それだけ歓迎されれば我儘も利く。そこまでは順調だったものの、【地獄の門】の名を冠す最前線の砦が窮地に陥っているとの報を聞いた。そこは人類の最終絶対安全圏、破られれば教国は奇械で溢れ、民主国と王国は阿鼻叫喚の地獄となることだろう。決して落とされてはならない砦だった、しかしたかが傭兵程度では、奇械の本格的な侵攻の前に、丁寧に摺り潰されるのみだろう。
よって、ルナ達は人類を救う13人の騎士【キャメロット】を名乗り、名の通りに地獄となったその戦場へ踏み込んだ。
第5章:鋼鉄の夜明け団編
地獄の門は主人公一行の活躍により奇械の大進攻を退けた。しかし、その被害は甚大だった。『黄金』の操者であるガレス一人ではとてもではないが支えきれない。そもそも負傷者で溢れるような様では復興すらもおぼつかない。そこでルナは翡翠の夜明け団で得た人体改造技術を魔導人形技術とミックス、負傷者の失った手足と臓物を機械へと代えるのだった。
一方、砦では頭のお堅い上層部にクーデターを起こしたティトゥス・アインスが権力を掌握して主人公一行を迎える。その中でルナは鋼鉄の夜明け団を結成して実力者たちを引き込んでいくのだった。
第6章:犠牲砦【ゴルゴダ】編
砦の受けた甚大な被害は回復できていない、そこで誘蛾灯として被害を引き受ける二つの砦で力を振るってくれと依頼を受ける主人公一行。キャメロット双首領が片割れのアルトリアは【ゴルゴダ】へと向かい、とある遊星主への復讐を誓う一族と会う。彼らは築き上げた王国を破壊され故郷を失った民だった。仇の名は【冥界煙鏡テスカトリポカ】、彼らは次々に命を失いながらも遊星主を相手に健闘し、最後にはアルトリアが遊星主を倒す。しかし、次の瞬間に遊星主の策が発動し二の矢が放たれアルトリアは瀕死の重傷となる。相手の消耗も深く、すんでのところで痛み分けとなるのだった。
一方そのころ、双首領のもう片方であるルナは鋼鉄の夜明け団に【アダムス】の兵すら取り込み、国家を脅かすほどの勢力を築き上げた。そこで教国はルナを審問にかけ、実力で排除しようと目論んだ。
第7章:王国介入編
倫理も恐れぬ人体改造により留まることを知らず強力になった鋼鉄の夜明け団は、もはや容認できない。国に帰属せず、戦う力を持つ者をテロリストと呼ぶのなら、ルナは巨大かつ強大なテロリスト集団のボスへと成り果てた。マフィア? あれは国家権力と相談しながら影で勢力を伸ばす三下である。ルナは国家の都合など斟酌しない。ルナ達は袖の下を用意することすらしない。ルナを中心に置く狂信者、身体改造者の群れは国にすらコントロールできない。
しかしルナの始末は失敗した。よって、夜明け団と国家の衝突は決定事項だった。どちらかが頭を下げて下僕となれば決着のつく下らない闘争である。しかし、互いに譲らないのであれば激突は免れない。今後の展望も異なるとなれば、どちらかが消滅するまで戦う最終戦争になることは一目瞭然だった。しかし国家は遊星主をやり過ごす安寧を、夜明け団は敵を倒す決着を望んだ以上妥協はない。
――国が滅ぶか。それとも夜明け団が下され、奴隷の首輪を付けられるか。決着は二つに一つだった。多くの犠牲者が出る、ただ政策を決めるためだけの権力者のためだけの最終戦争が始まった。
第8章:「勇者」登場編
戦争に負け、最大戦力であるアームズフォートまで奪われた教国にはもはや方法は残っていない。だが、この結末を見た二国がルナ打倒を引き継いだ。やはり頼むのは『黄金』、勇者にふさわしい血筋を持つ者に祖父の敵討ちの機会を与え、頼もしい仲間まで貸し与えた。『黄金』3機と『鋼』2機、遊星主打倒のために選ばれたと思われるような豪華パーティだった。
勇者パーティは実力が不足していた。そもそも戦姫と呼ばれていた頃のアルトリアレベルを求めることすら酷である。それでも遊星主に挑むにはそれが最低条件と、ルナはその勇者たちに試練を与える。”力”の試練は脱落した、だが”心”を認められた二人は死体を改造されて妖精騎士となり【キャメロット】へその籍に置かされたのだった。
第9章:父娘決戦編
勇者の一幕の外で、王国ではアルトリアとその父が顔を合わせていた。王国の秩序を守る王と、人類を守るために秩序を破壊せんと目論んだ娘。父娘の会話は噛み合わない、見ているものがまったく違う。アルトリアはすれ違いを自認しながらも、これまでの生き方に背を向けることなど許されない。
ついに始まった。王国と、アルトリアとベディヴィアによる戦争。だが英雄たるアルトリアを一つの国ごときが止められはしない。しょせんは遊星主から逃げ隠れする者達、鎧袖一触に吹き飛ばされ行く。が、王は禁断の手法を使う。王国を滅ぼしても、『白金』の力をアルトリア打倒のために開放するのだった。
第10章:最終戦争編
3大国家と夜明け団の決着はついた。国家達は破れ、人類の未来は遊星主との最終戦争の結果に委ねられることとなった。団は『カンタベリー超合衆国』を作り、最終戦争へ駒を進める。
待ち受けるは奇械13遊星主。奇械帝国へと踏み込んだ夜明け団は、騎士たちをその領域に投射する。互いに強力な力を持つからこそ、決着に時間はかからない。キャメロットの13騎士が、奇械13遊星主へと挑むのだった。
そして【キャメロット】は、否。人類は勝利を得た。人類に平和がもたらされ、【鋼鉄の夜明け団】が絶対強者として君臨する未来が幕を開けた。