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叡山焼き討ち1

今週はちょっと短めです。

よろしくお願いします。

 無事、京に逃れた信長は再び軍の態勢を整えると、徳川の援軍と共に、浅井、朝倉討伐に向い、浅井の本城である小谷城に近い横山城を囲んだ。


 これに対し、浅井、朝倉連合軍も着陣、両陣営は姉川で激突した。

 敵の勢いは凄まじく、押され気味だったが、徳川勢の活躍により、戦いは織田、徳川連合軍の勝利となった。


 浅井勢は小谷城に逃げ込み、ここを落とすのが困難と見た信長は横山城を落とし、俺をその城番とした。


 ちゃらら、ちゃっ、ちゃっちゃー。と、頭の中でメロディが流れた。

 なんて、いつもどおり思っていたら、事態は大きく動いていた。


 出る杭は打たれるなんて諺があるが、まさしくそんな感じだ。

 本願寺とか言うお寺が信長に牙を剥いた。

 それだけじゃない。

 比叡山にあるお寺も、浅井、朝倉の軍勢をかくまうなど信長に反抗的で、今、俺はその寺を取り囲む軍の中にいる。



 俺の元の世界のお寺のイメージは、お坊さんが世間話や人の行いやらをにこやかな表情で語るイメージがあるが、どうもこの世界では違うらしい。


 僧兵なんて者たちがわんさかいて、大きな薙刀で襲ってくるのだ。

 そんな者たちは仏に仕える者ではないと言って、全員皆殺しの焼き討ちを信長は口にしているが、比叡山の者たちは全く意に介していない。


 理由は戦えば勝てると思っていると言うより、襲ってくるはずがないと思っているらしかった。

 それもそのはず、比叡山を取り囲む俺の軍の中からも、お寺を襲う事に躊躇する声が聞こえてくる。


「本当に襲う気かのう?」

「仏罰が落ちるんではなかろうか」


 襲う側が気後れするくらい、比叡山を襲う事はこの世界の人たちには、とんでもない事らしい。


 が、奴らは知らない。信長と言う者を。

 やると言ったら、やる男だ。

 篝火が映し出す信長の横顔には、迷いなんてものは見えない。


 しかもだ。

 この世界の者たちの多くが神仏を信じていると言うのに、ねねは信じていないらしく、信長の背中を押したのはそのねねらしい。


 人が殺される場面には大きな抵抗が今でもあるが、ねねが信長の背中を押したと言う事は、この作戦に俺としても何か意味があるはず。

 必ず、成功させなければならない。


 そのためには、信長が命令を下す前に、迷いを消し去り士気を上げる必要がある。



「皆の者」

 俺は配下の者たちに振り返って、声を上げた。


「この先にいる者たちが何を手にしているのか知っておるか」

 突然の俺の質問に、みなみな顔を見合わせている。

 俺の質問の意図を考えているらしい。


「小六、なんじゃと思う」

 まずは近くにいた蜂須賀に振ってみた。

 髭面で小首を傾げたかと思うと、予想外の答えを言った。


「うまい酒?」

 単純に、薙刀。

 それだけを思っていただけに、なんちゅうずれた答えだ。


「小一郎」

 蜂須賀の答えに頷きもせず、小一郎に話を振った。


 俺の反応から、蜂須賀の答えは外れたと読み取った小一郎が、真剣な顔つきで唸る。


「うーん」

 薙刀だろうが、と思いながら、小一郎の答えを待つ。


「うまい食べ物?」

 小一郎の答えにも頷かず、視線を兵たちに向ける。

 俺と目線のあった兵が、おどおどしながら答える。


「お、お、女?」

 なぜだか、その答えに周りの兵たちが同意し始めた。


「おお、そうじゃ。美しい女じゃ」

「女じゃ」


 いや、そうじゃないだろうと言うちょっとしたいらついた感情が、女と言う言葉に俺のふつふつとしたやりきれない気持ちを膨らませ始めた。


 そうなんだ。

 お坊さんは殺生はしてはいけないのは当然として、この世界では肉を食べたり、お酒を飲んだり、女の人とあんな事やこんな事をしてはいけないらしいのだ。

 だと言うのに、この目の前のお寺の中では、鶏肉を食らい、お酒を飲み、美しい美女たちとあんな事やこんな事をしているらしい。


「俺はまだ、女の子とした事が無いと言うのに」

 ついつい口からそんな言葉が漏れてしまった。


「兄者、した事が無いとはつまり子作りをした事が無いと言う事か?」

 小一郎が驚いた顔つきで、俺を見つめた。

ちょっと不在で、予約更新です。

この間に、ブックマーク入れて下さった方いたら、うれしいなあ。

と、思いながら、お礼言っておきます。

いると信じて。ありがとうございます。

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