010◇帰還と夢とクソジジイ
テスト期間中ナリ(*´艸`)
帰りの馬車の中。
燎牙は、隣で腕に抱き着き、懐いた猫よろしくゴロニャーンとしている龍神族を気にしつつ、うとうとしていた。
まどろみながら窓から外を眺めると、遠くの山の端に夕日が見える。
「………リョーガ様」
そんな時に、クゥからあることを問いただされた。
「昼間、ジャバル伯爵と対峙したときのアレはなんですか?」
「?」
最初、燎牙にはクゥが聞きたいことが理解出来ていなかった。
対峙したときのアレ?
なんか気に食わない言動や、態度があっただろうか。
燎牙が顔で「わからない」と言っているのを悟ったのか、もう一度口を開いた。
「あの雷の槍みたいな魔法ですよ! あと防御の魔法も! どうやったらあんな無茶苦茶な魔法が出来るんですか!? 誰に教わったんですか!?」
「ちょ、ちょっと落ちつけって………」
「いーや落ちつきませんよ、大体最初から槍をだせば―――」
クゥには、どうやら説教癖があるのか、事あるごとに俺に説教をしてくる。
「もっと自覚を」とか「見本なんですから」だの。
生まれてこのかた自分のことを「魔王」だなんて認識したことはないし、認識してたらソイツはもう「邪気眼」の持ち主である。
そして、今まさに説教モードに入ったところで、横から助け舟が出た。
「………クゥ様、陛下もきっとお疲れでしょうし、また今度にすればよいのでは?」
「………はぁ、ええと、はい、そうしますか」
グレンの一言で、クゥは何かしら思うところはあるものの、渋々引き下がってくれた。
グレン、グッジョブだ。
でも一時しのぎだなぁこれ、後で言い訳考えないと。
西日を眺めながら、とりあえず現実逃避しようと、燎牙はクゥに言った。
「なぁ、少し寝るから、城に着いたら起こしてくれ」
そういって、窓の桟に肘を置き頬杖をつく。
燎牙は、昔からこうやってうとうとするのが好きだった。
「………わかりました」
という、クゥの返事も聞かずに、燎牙の意識は遠退いていった。
あれはいつだったか。
「ちょっと九条君! また寝てるの?」
肩を揺すられ、思わず目を開けると、目の前には若い女性がいた。
………ああ、これは夢か。
まだ俺が地球にいた頃の夢。
この人は、確か俺が小学三年生のときの担任だったはず。
いつも爆睡する俺を起こしに、わざわざ教壇からお越しになる先生だ。
先生と目が合うと、思わず周りを見回して、そして言った。
「あっれ、もう給食ですか?」
「ンなわけないでしょ! まだ算数の授業中よ!」
そのやり取りに、クラス中がドッと笑う。つられて先生もクスッと笑った。
俺は、この空気が好きだった。
爆睡してるのは単に疲れているからだが、別に給食の時間だと勘違いしたわけではない。
ただ、この雰囲気を忘れたくなかったから、俺はいつも道化になりきっていた。
そうだ、俺は―――
γγγγγγ
茜色の光の差し込む車内。
時折車輪が小石を巻き込み、ガタンと揺れるくらいで、別段なにか起きるわけでもない。
先程から寝ているリョーガは、いつの間にか頬杖をついておらず、隣のエリスさんにもたれ掛かっている。
エリスさんはと言えば、至福の時間なのか、うっとりとした顔でリョーガの顔を眺めている。
(あれ、このヒトさっきまで「災厄」とか呼ばれてましたよね………?)
クゥは、目の前から発せられている「不可侵オーラ」を感じつつ、エリスについて考えていた。
―――エリス=ラル=ザイツォーヴァ。
大陸に伝わる、「災厄伝説」の中心となった龍、黒龍ジェクト=ラル=ザイツォーヴァの一人娘(本人談)。
父はホンモノの「災厄」で、彼が伝説の邪龍だとか。
まあ別にホンモノがどうとかは、興味なかったが。
ただ、異様なまでの魔力の多さや能力の高さは、紛れもなく龍のものであった。
たとえ、彼女が「災厄」でないにしても、それに準ずる力は持っているのだ。おいそれとリョーガのもとに置いとくわけにはいかない。
とはいえ、彼女から傾国を誘っているような気配はせず、単純に純粋にリョーガを気に入っているとわかった以上、どうにもこうにも出来ない。
「ふふ、お主、クゥとかいったか」
「………え、あ、はい」
そんな感じでなんとなく悶々としていたら、目の前のエリスから話し掛けられた。
まるで母親のような微笑だ―――、とクゥは少しだけ見とれる。
「………妾はなにも考えておらぬよ、心配せんでも」
「………えっ? あっ、な、なんで―――?」
「顔に堂々と書いてあるわっ」
そう言って、エリスは今度は声を上げて、けらけらと笑う。
見た目よりも大人っぽく微笑する時もあれば、今みたいに不思議なくらい子供っぽく無邪気にも笑う。
不思議な、魅力だった。
(………大体、黒龍ほどの実力なら、回りくどいことをしなくたって国の一つや二つは滅ぼせそうよね)
そう考えると、そんな黒龍に愛されているリョーガという存在が如何にすごいのかがわかる。
多分リョーガにとって、先程のジャバル戦で使用したあの魔法ですら、全力の一撃ではなかったんだろうと思う。自分の持てる全魔力を込めて魔法を発動すると、魔力失調になり失神してしまうし、半分しか使わなくてもフラフラとするが普通である。
だが、リョーガは決してフラついたり、失神したりしなかったし、息もあがっていなかった。
つまり、魔力の量が馬鹿でかいか、ごく小さい魔力であれだけの威力の魔法を使用したことになる。
黒龍に愛されし魔王。
彼は恐らく、単騎で一国を滅亡させるだけの実力をもっているのかもしれない―――
とまで考えて、
(あ、脱線してた………)
余計な思考だと判断して、それを取り払う。
「ずいぶんと素晴らしい妄想ではないか、クゥ。確かに妾とリョーガは実力的には同じくらいであろうな」
「あっ、やっぱり頭の中読んでるでしょエリスさんっ!」
「ははっ、ばれたか」
どうやってかわからないが、エリスはこちらの思考を読んでいたらしい。そりゃあ筒抜けにもなるわけだ。
しかし、クゥの頭には、もはやエリスを疑う考えはなかった。というよりも、エリスから悪い印象が全く得られなかった。
そんなやりとりをしていると、横のグレンが口を開いた。
「………エリス様、いったいどうやって「思考を読み取る」のですか?」
「んん? ナイショじゃ」
「なら、やはりそれは魔法なんですか?」
「それもナイショじゃ!」
「………一体どこでそれを?」
「ナイショナイショ、ナイショじゃよっ」
グレンの質問の嵐にも、「ナイショ」の一辺倒でやり過ごしているエリス。やり過ごされたグレンは、なんかすごい勢いで首がガクッてなったが大丈夫だろうか。
でも、確かに気にはなる。
「エリスさん、私も気になります」
「えー、どーしようかのう」
「え、エリス様! どうして僕の時と反応が違うんですかっ」
「そりゃあ、のう?」
「ええ」
「………二人して、ひどいですよー」
つねにニコニコしているグレンだが、さすがに応えたのかその顔からニコニコが無くなって―――いるようなこともなく、さして気にしてないという風な顔をしていた。
「大体のう、アレは魔法というより技に近いんじゃよ」
「技?」
クゥの疑問に、「うむ」と頷き一回の肯定。
「龍神族に伝わる秘技、とやらじゃな」
「………なら、聞いても無駄ですねー。だったら最初に言ってくれたらいいじゃないですか」
ニコニコしながら拗ねる顔から、龍神族の秘技発言に不満があるのがうかがえるが、大体それを聞いてどうするのだろうか。
笑顔で「拷問」するグレンのことだから、大方尋問にでも使うつもりなのだろうが、ここ最近尋問するような事件はなかったはずなので、活用する場がないような気がする。
まぁ、大前提として龍神族しか使えないんだけど。
と、グレンが拗ねてエリスが笑うのをしばらく眺めていると、前にいる御者から声がかかる。
「リョーガ様、まもなくラザスに到着します」
「あ、ご苦労様、ボリス」
「……仕事ですので」
クゥのねぎらいに、素っ気なく答える御者、ボリス。
彼の返答は、不敬罪と見られて罰せられてもおかしくないものだったが、クゥは特に気にすることもなかった。
ボリスは、クゥが城勤めを始めた時からの知り合いで、それなりに仲もよかったので、彼女もボリスの口調を気にすることはなかったし、周りもそれを指摘することはなかった。
元々、ボリスは無口な上に真面目なのだ。仕事を黙々とこなし、しかも文句のつけようがない。特に誰かと話し込むこともなく、仕事が終わればすぐに自室に戻っていく。彼には、仕事仲間はいても友人はいなかった。
そんな時、まだ新入りで道に迷っていたクゥをボリスが助けた。彼からすれば、これも「仕事」と思い、事務的に行ったことだったが、しかしクゥはそれを「優しさ」と受け取った。
次から、会う度会う度に話し掛けてくれるクゥに、ボリスも次第に心を開いていった。
だから、彼の素っ気なさは照れ隠しだと、クゥにはわかるのだった。
(さ、リョーガ様を起こさなきゃ、ね)
γγγγγγ
バタン、と後ろ手に扉を閉めて、ため息をつく。
ベッドに近寄って行き、そこに倒れこむ。やたら高いところにある天井をぼーっと眺めながら、燎牙はもう一度ため息をついた。
今日、必然とはいえ、竜になったからとはいえ、ヒトを殺した。
覚悟はしていた。
予想もしていた。
でも、耐えられない。
自分の中に罪悪感が残ったまま、消えない。ラノベとかのテンプレ勇者に有りがちなことだが、まさか自分もそうなるとは思っていなかった。彼等には魔王を打ち砕き、世界を済う義務がある。だから、その過程でヒトを殺すこともあるかもしれない。それは、仕方ないことだ。
だが、自分が救うのは何だろうか。自分は魔王だ。本来なら、勇者に倒される悪の権化だ。この一週間、別に気にもならなかったことだが、今になってそんな思考が頭を去来する。
別になんでもないことだ。ここへ飛ばされて来て、自分が理解したことは、魔王だなんだとはいえ、悪の権化である必要はないということ。
民衆に優しい魔王の何がいけない?
無辜の民を済う魔王の何がいけない?
いていいじゃないか、善人魔王。平和主義万歳。人畜無害ヒーハーである。
こうなったら、徹底的に民衆に優しい魔王になろう、それがいい。
『おー、なかなかハッスルしてんなぁ、魔王サン』
「……よう、ダルコ」
そんな決意の最中、あの気だるさ100パーセントの、ダルダルダルコさんが――
「いや、そんなダルそうじゃないだろっ」
「いや? そんなもんだぞ、意外にも。てか、実体化してんぞ?」
『わわっ! ……忘れてたよ、全く最近物忘れがひどいや』
『へっ、ジジイ化してんだろ。言葉だけじゃ若返りは出来ないんだZE☆』
『………うざい。燎牙お前果てしなくうざいよ、はやく塵になれよ、もう』
『おいおい神、その発言はどうなんだよ神として』
言い合うだけ言い合い、二人してため息をついた。
今日何回目だろうか、コレ。
『で、なんの用だよ?』
『ああ、ちょいと質問をば』
実体から、再び指輪に戻っているエセ神様、ダルコはどこか怒っているように見える。
『なぁ、どうして魔法を隠さないんだよ。魔法コピられたら困るじゃんか』
『……てか、あれコピれるようなヤツいるの? かなーり難しい魔法陣じゃねえか、あれ』
『あんなもん、専門職はカンタンに解析しちまうぞ。まぁ、今回はいなかったからよかったものの、あんな無茶苦茶な威力の魔法はお前しか防げないんだから、なるべく気をつけておくれよ』
『……すんませんでした。あん時ゃいろいろテンパっててね。まぁ、今でも悩んだりしてるんだけどさ』
『……殺し、初めてだったか。そりゃあ悩むさ。けど――』
指輪の中身は、一呼吸置いた。それは、単に語調を整えるものなのか、それとも何か大切なことを言う前触れなのか。
『――まぁ、慣れろ』
『……はあ!?』
返ってきたあまりにも簡潔過ぎる答えに、思わず聞き返してしまう。慣れることが必要だということくらい、とっくの昔に、それこそ魔王を始めるその日には覚悟していたことだ。
それが出来ないから悩んでいるのにこの解答とは、全く神様とはいえ残念すぎる。
『……中々好き勝手言ってくれるじゃないか』
『じゃ、どこが違うねん』
『そのうち慣れるから、しばらく耐えろ。それしか道がないんだよ、逆に』
『……ふぅん、そうかい』
彼なりの誠意なのだろう、ちょっと真面目な態度が見えたが、燎牙はなんとなくそれを変に感じて――
『もーいい! 我輩帰るもんね! 帰ると言ったら帰るもんね!』
『どうぞ?』
『…………』
突然無言になり、なんとなく指輪の中でエセ神様が黙っているのが感じられた。
そのまま、またしばらく天井を眺めていたが、寝巻に着替えながら、やがて明かりを消して布団を被り、眠ることにした。
明日には、いくらか覚悟も固まるだろう。燎牙は、それを信じて目を閉じた。
ふと目を開くと、玄関にいた。
今度は、どうやら地球の自宅にいるようだ。
「………燎牙、お前また喧嘩したのか?」
「違ぇよ、クソジジイ」
「クソジジイとはなんだッ!」
玄関口、俺を迎えたクソジジイが、俺の一言に反応してドロップキックをかましてきた。あまりにも綺麗な蹴りは、とても今年70歳のジジイが放っているとは思えない。
と、俺も「はいそうですかグボァッ」やられるわけには行かなかったので、とりあえず足を掴んだ。掴んで外へ投げた。
ぴしゃりと戸を閉め、鍵を掛ける。
すると、
「老人はいたわるもんじゃろうが、馬鹿者が!」
「黙れクソジジイ」
「誰がクソジジイかッ!」
と、なぜか廊下の奥から現れたジジイの華麗なパンチを受け流し、その腕をとって投げる。投げる前に、既に戸は開けてあったのでジジイはまたしても外に消えた。
ぴしゃりと戸を閉め、鍵を掛ける。
すると、またしてもジジイが廊下の奥から現れた。
もう、げんなりとするわ……。
「あぁ、全く分身は知能が低いからダメじゃのう」
「ンだよ、分身かよ」
「ま、いちいち反応してカウンターしたお前もお前じゃがな。ところで……」
「正当防衛だよ、ッたく。二、三発殴ったらすぐ逃げやがる。ありゃあ貧弱だわ、こっちゃ唇切ったのによー」
「うむ、ならよい。じゃが――」
ジジイは、こちらにずい、と近寄る。
「――お前に教えた技と心、鍛えた体と心。心技体、人助け以外に使う勿れ、じゃぞ?」
「ああ、わかってんよそれくらい。だから、数発殴らせたよ。ッたく、痛いってのによぅ」
「それでよい。さぁ、早く手洗いうがいをしてきな」
「……燎牙。今日はこの辺にしておくとしよう」
ジジイの声とともに、俺は道場の床に崩れ落ちる。
息は絶え絶え、全身はくまなく怪我をして、痛みのない箇所はないというくらいだ。
「……ハァッ……ハァッ……ッたく、手加減くらいしろよ」
「フン、手加減なぞしたら強くならんぞい?」
「別に強くなりてぇ、わけじゃねぇよ……」
月明かりがやけに眩しい。雲が出ていないのか、窓のかわりの木の格子から見える上弦の月は、煌々としていた。
燎牙は、毎晩このクソジジイこと中村春之進から、武術の稽古を受けていた。
両親と幼い頃に死に別れた時、燎牙を引き取ったのが、母方の祖父だった春之進である。
それから十数年、ずっと二人で生活してきた。
その折に、「そんな貧弱な体じゃカンタンに死んじまうぞい。ワシが鍛えてやる」と、半ば強引ながらも稽古に参加させられた。
おかげで毎日起き上がるのにも一苦労だ。筋肉痛など慣れてしまうくらいに経験しているし、一日二回は必ず筋肉が攣る。
だが、体育は5以外とったことがないし、よってくる不良を難無く返り討ちに出来る。
役には、たっていた。
「ただ、大切な人が出来た時、護れたらいいなー、なんて思ってたりしてさ……」
「わはははっ」
「笑うなよッ……!」
何を思ったのか、ジジイは突然近所迷惑にも笑いだした。とうとう召されるのか、いやさっさと召されろ。
「……その気持ち、忘れる勿れ」
「ああ?」
「その気持ちがあれば、お前が人を傷つけることはないじゃろう。忘れるでないぞ?」
「……ああ、わかった」
見上げれば、月明かりに照らされたジジイの顔は、なんだかかっこよく見えた。
γγγγγγ
朝食の時間になり、食堂に赴けば、俺の近くに新たに席が用意されており、エリスが座っている。俺の姿を見た途端に飛んできた(なんかちっこい羽が生えている……)ので、とりあえずスルーして席につくと、横から不満げな声が聞こえて来る。
……ま、賑やかで何より、だな。
夢の中、春之進に言われた言葉を思い出しながら、朝食を食べ終える。
「ナルフェル、コックに「この魚は照り焼きには向かない」って伝えとけ。これは煮付けのがうまいはず」
「かしこまりました、リョーガ様」
いつの間にか、名前の呼び方が変わっていることに対して尋ねると、「クゥ様が羨ましかったので」と、しらっと答えられてしまったが、今更どうなるものでもないので放っておく。
「しかし、今回はとんだ災難でしたね、リョーガ様」
「ああ、まぁな。まさか最初の公務でいきなり殺しをする羽目になるとはなー」
朝食後、やはり飛びついてきたエリスに断りをいれ、執務室に戻って作業をしていた。
「ジャバル・ロックフォール元伯爵事件」と書かれた紙の束は、今回の事のまとめと報告だ。
それによれば、ジャバルがあの石を誰から買ったかは判明しなかったらしい。
なぜか燎牙は、その先に真の黒幕がいる気がしてもっと詳しく調べて貰いたかったが、仕方がない。
ページを戻し、表紙にはんこを捺して、それを机の片隅にやる。
「……まあ、何とかなるかな、魔王」
「はい?」
「いいや、何も!」
立ち上がり振り返ると、全面ガラス張りの窓から、今日も活気のある城下街が見える。天候に恵まれたか、雲が泳いで来る様子はない。
「……なぁ、クゥ」
「はい?」
「エリス誘って散歩にでも行くか?」
「いいですねー。今日はあったかいですし」
あ、でも帰ってきたら仕事ですよ? と釘を刺され、なんだかげんなりとするが、まあそれもいいかと思えてしまうのだった。
場末の酒場。
昼間だというのに暗い、寂れた店内には、鋭い目つきのマスターと、暗い店内にいるのに、更にフードを被った男が一人。
男は、手に紙を持っていて、それをマスターに見せている。
「……そいつの情報は、1200ランカだ」
ランカ、はオズライア大陸の共通通貨。そして1200ランカは、普通の宿に12回泊まることが出来る金額だ。
この酒場のマスターは、裏で情報屋をしていた。酒場で酔った客が口から漏らしていく情報を、売り物にしているのだ。
フードの男は、懐から財布を取り出すと、紙幣を1枚と硬貨を2枚取り出して、カウンターに置いた。
「……こいつは、リョーガ・クジョウ。アークレイドの新魔王だ」
「…………」
情報に満足したのか、もう1枚紙幣を置くと、立ち上がり酒場から出ていく。その姿は、昼間の陽射しに隠され、すぐに見えなくなった。
やべ、投稿しちゃった。
テスト勉強ガン無視ですわ、はい。
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燎「あー、今回で第一章は終了だ、と作者が言ってたぞ」
エ「なんかサブストーリーを挟んでから第二章に行くともいっておったな」
ク「……なんか、忍者らしいですよ、忍者がでるらしいですよ」
燎「なぜ二回言ったんだよ?」
ク「大事な事だから、二回言いました☆」
燎「…………」
エ「…………」
ク「うぅ、ひどいです皆してっ」
燎「いや、二人だけどな」
エ「さて次回は、「E X◇風呂に入れない件について。」じゃぞ! 妾の裸とか出るのか!?」
燎「出ねーよ!」
ク「お楽しみにー……」