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第51話「秋だ!残暑だ!中間テストだ!」

「説明!」


「そのネタ伝わんないよ黑谷ちゃん」



 楽しい楽しい文化祭も終わると、次に待ち構えているのは楽しくない楽しくない定期考査。


 最後の生物の答案が回収されて、私は机に突っ伏した。



「せーちゃん自信あるー?」


「ないかな〜」


「だよねー。あめちゃんは?」


「あるけど、自信」


「マジで?」


「うん。今日の星座占い、1位だったし」


「もしかしておみくじと同じノリでテスト受けてる?」


「あめちゃん相変わらずやば〜笑」


「逆に聞くけど一番簡単に満点取る方法って知ってる?」


「何?」


「1/4を50回当てる」


「それ何%?」


「限りなく0が過ぎるよ黑谷ちゃん」


「トンネル効果」


「限りなく0に近いもの言った」


「で、完成したものがこちらとなります」


「ああ0ではなかった」


「あめちゃんマジで?」



 何故かもう返却されている生物のテスト片手に最大限のドヤ顔を披露する黑谷ちゃん。


 そこにはまさかまさかのおっきな赤ペンに2本線の引かれた「100」の文字。


 そして彼女は思う存分見せつけた後、もう一度口を開いた。



「二徹した」


「簡単じゃない方じゃん」


「ホントだ隈やば」


「大丈夫?黑谷ちゃん」


「一発かませたから満足かな」


「精神が芸人過ぎる」



 そんなことを考えていると「おつかれさまー」と担任の先生。


 ホームルームが始まって、わたしとアヤメちゃんは慌てて席に戻った。



◇◇◇



「二人ともおつ〜」


「お疲れ様。お昼どっか寄る?」


「いつものとこでいいでしょ。ポンドステーキ食べたい」


「うわぁ、あめちゃん真っ昼間からガッつくね」


「……てかさ、アヤメちゃんナチュラルにいるけど、いつもの子達は?」


「ああ、いいよ今は。それより……」



 あ、ヤバい。


 多分これは、このパターンだと……



「ま〜〜た〜〜ふ〜〜ら〜〜れ〜〜た〜〜ぁ〜〜!!!!」


「やっぱり」


「き〜〜ぃ〜〜て〜〜よ〜〜せ〜〜ぇ〜〜ちゃ〜〜ん〜〜!!!!」


「あばば物理的な揺さぶり方がすごい」


「準レギュ昇格に向けてギア上げてきた」


「また黑谷ちゃんは変なこと言ってあばば」



 わたしの肩を持ってぐわんぐわんするアヤメちゃんと、それを尻目にいつものファミレスへ歩いていく黑谷ちゃん。


 というかこのオタクに厳しそうな見た目でアヤメちゃんはまさかの近距離パワータイプ。


 腕相撲とかから体力テストまでクラス最強の身体スペックを持つものの、忙しいのが嫌というので部活から逃げたという黑谷ちゃんと似たような過去持ちでもあるアヤメちゃん。


 いつものファミレスに入ると、彼女はジンジャーエールなみなみのグラスを叩きつけ、好き放題に嘆き始めた。



「あいつ……あいつぅ……何が受験じゃくそぼけぇ……」


「割とやむを得ない感じっぽくない……?」


「にくうま」


「でもぉ……でもぉ……」



 そしてグラスのジンジャーエールをぐいっと飲み干し、彼女はパァンと手を叩いた。



「決めた!!ウチも図書研入る!!」


「急転直下」


「だっていいじゃん図書研!!見てる感じ自分のがどうでもよくなるくらい面白い恋愛あるし!!」


「まああの恋愛は面白いけど」


「Funnyの方だね」


「じゃあ決定!!明日からよろしく!!……で、どうすれば入れんだっけ」


「うちの顧問……阿須加先生に書類貰えばいいと思うよ」


「おっけ!!言ってくる!!これお金ね!!」



 そう言って千円札を置くと、爆速でお店を飛び出していくアヤメちゃん。



「……もしかしてさ、黑谷ちゃん知ってた?」


「なんで?」


「だって普段の黑谷ちゃんだったら、わたしと2人きりとか邪魔されたくないかなって」


「まあそうだね。でも……」


「でも?」


「……友達くらい、作ろうかなって」



 少し恥ずかしそうに、黑谷ちゃんは笑った。

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