裏11話「カラオケの一コマ」
あー、自慢したい。
この世の誰もに自慢したい。
「あのデカパイ美少女私の彼女ですよ〜」って叫びたい。
「あの白山くんが私の彼女なんですよ〜」って声高らかに主張したい。
でもな〜
白山くん恥ずかしがっちゃうかな〜
どうしよっかな〜
「って顔してるわね」
「え、なんで分かったんですか?超能力者?」
「そんなの現実にいるわけないじゃない」
いますけど。
「っていうかアメ、あんた結構分かりやすいわよ?確かに表情がコロコロ変わるってタイプじゃないけど、考えてることは結構顔に出てるんだから」
「え、そうですか?」
「そうよ?楽しそうな時は目がしいたけみたいになってるし、逆につまんなそうな時はハイライトガッツリ消えてるもの」
「……ねえ、白山くん」
「ほんとだよ、それ」
「わお」
……ともかく、今日は図書研女子でカラオケ女子会。
残念ながらというべきか残念ながら当然というべきか、氷室先輩はいない。
私はドリンクバーでしか見たことないミニッツメイドの山ブドウ(微炭酸)を飲みながらおジャ魔女カーニバルを熱唱する甘神ちゃんと、それに完璧な合いの手を入れる白山くんを眺めていた。
「にしてもいいわね、カラオケって。これこそちゃんとした青春だわ」
「まあ必須イベって感じではありますね。でも大丈夫なんですか?駕籠野先輩、ちゃんと売れっ子なのにこんなとこで遊んでて」
「必死にあんた達と遊ぶ時間作ってるのよ。図書研くらいしか愚痴吐いても炎上しない場所ないんだから」
「デレてますね、だいぶ」
「いいじゃない、図書研究部。可愛い後輩も話の分かる顧問もいて。後はあいつが振り向いてくれたらあたしの高校生活完璧だわ」
「なら完璧にはならなそうですね」
「手が出るわよ手が」
冗談めかして肩を叩き、クスッと笑う駕籠野先輩。
ぶっちゃけテレビで見るよりも全然可愛い笑顔だけど、みんなは見れないと思うと残念なのが半分、図書研究部の特権だと思うと嬉しいのがもう半分。
……あ、ここでいうみんなは読者のみんなじゃなくて、クラスメイトとか、そっちの方のみんなだから安心してね。
「NoMAちゃん先輩なんか入れますか〜?」
「そうね、東京事変でも入れようかしら。アメ、あんたはどうする?」
「私は別に。あんま歌うの得意じゃないですし、聞いてるだけで充分です」
「そんなセリフ出すやつがどうしてツインテールでアームカバーでノースリーブなのかしら」
「あ、バレました?」
そして私は白山くんからタブレットを受け取って、ぱぱぱっと曲名を入力する。
「それじゃ、羅刹ト骸行きまーす!」
「これハチ?」
「どこから出したのよ狐面」




